Nintendo Switchの2019年はどんな一年だったのか?一挙に総括!

皆さんこんにちは。

にぃど(@switch_for)です。

2019年も本日で最後という事で、この一年の任天堂及びNintendo Switchの動きについて総括していきます。

2017年3月の発売から破竹の勢いで売れ続けてきたNintendo Switchですが、誕生から3年目を迎える2019年はプラットフォームとしての継続力を示すという意味で、非常に重要な一年になりました。

発売前から言われ続けている大作ソフト不足(特にサードパーティ製)や、任天堂のタイトルによってどこまでプラットフォームの人気が維持できるのか。

こうした不安材料を残したまま2019年を迎える事になったSwitchですが、2019年のSwitchは最終的に、本体売上もソフト売上も前年、前々年を大きく上回る結果となりました。

勢いの陰りを見せるどころか4年目に向って益々勢いを増してきている、そんな気配すら感じさせるSwitchですが、ここから「いかにして任天堂がこの2019年で地盤を固めてきたか」を1月から順に振り返っていきましょう。

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1月:幕開け

2018年は『大乱闘スマッシュブラザーズ スペシャル』のヒットなどにより、大いに盛り上がりを見せたSwitch。

2019年は既に『どうぶつの森』や『ルイージマンション3』、『ファイアーエムブレム風花雪月』など人気シリーズの発売も予定されており、より一層充実の年になるであろうと期待される形でスタートします。

しかし、まず最初の一手として届けられたのは、同じく発売を期待されていた『メトロイドプライム4』に関する、思いもよらぬアナウンスだったのです。

『メトロイドプライム4』が最初に発表されたのが、約1年半前(2017年6月)のE3。シリーズ三作全てのメタスコアが90点を超え、シリーズ累計販売本数は600万本近く。任天堂の持つIPの中でも、特にコアな支持を集めてるゲームが久方ぶりに登場するという事で、世界中が歓喜の声で溢れました。

【YouTube】メトロイドプライム4の発表に歓喜する人々
25 Minutes of Insane Metroid Prime 4 Reaction Freakouts
Metroid Prime 4 E3 Reaction at Nintendo NY

それから1年以上が過ぎ、『メトロイドプライム4』はファンの間でも「もうそろそろ発売されるのではないか」と話題にされることも増えていました。

しかし、2019年1月突如として任天堂がアップした「Metroid Prime 4 (Nintendo Switch) 開発状況に関するお知らせ」は正に青天の霹靂ともいうもの。その内容を簡単にまとめると以下の通りになります。(上青文字リンクから動画も閲覧いただけます)

「メトロイドプライム4の開発を進めていたが、満足いただけるクオリティのものができそうにないと判断し一度開発をリセットする。開発体制をいちから見直し、過去作を手掛けたレトロスタジオが新たに担当。リスタートになるため発売については先送りとなる。」

発売を心待ちにしていたファンにとって、これは紛れもなく悲報。怒りや悲鳴で満たされるのではないか。そう考えるのが一般的ですが、不思議なことに前向きな事として好意的に捉える声がSNSでは散見されます。

なぜ、発売が先送りになった事をファン達は前向きに考えられるのか。その理由は過去にあった『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の延期が関係しています。

実は過去に任天堂は『Wii U ゼルダの伝説 最新作 開発状況に関するお知らせ』という動画をアップし、作品のクオリティを都合にした発売の無期限延期を宣言しています。

この延期が功を奏して結果的に『ブレスオブザワイルド』はゲーム史に名を残す作品と言われるゲームになったわけですが、これと同様に「メトロイドプライム4もきっと良いゲームになる」と多くの方が信じて待っているわけですね。

しかし、とは言えこの他にも2018年発売予定だった『ファイアーエムブレム風花雪月』が延期して2019年にずれ込んでいるなど、ここ一年ほどの間、任天堂は何度もゲームの発売を延期しています。「他のゲームは大丈夫なのか?」と心配する声もなかったわけではありません。

任天堂はここからそういった不安を払しょくし、再度エンジンをかけるべく様々なタイトルの発売や新発表を行っていきます。

まずは先陣を切る形で『New スーパーマリオUデラックス』が発売されます。WiiUで発売されたゲームの移植(2本セット+新たな追加要素)とはいえ、侮れないのが横スクロール型マリオです。

【YouTube】
New スーパーマリオブラザーズ U デラックス 紹介映像

2019年に同作はパッケージだけでも80万本近く(ファミ通調べ)も売れており、既にオリジナルのWiiU版(無印版)のミリオンセラーを近い将来追い越してしまう可能性が十分にあります。

Switchではこういった多人数で肩を並べて遊べるゲームが非常に人気が高く、今までのゲーム機の中でも突出している印象を受けます。

それはやはり、別売りコントローラーや人数分の本体を用意する必要もなく、最初から付属しているジョイコンを二人で分け与えて遊ぶ「おすそわけプレイ」の存在が大きく貢献している、というのは想像に容易いですね。

また、このほかにもグラスホッパーマニファクチャの須田氏の新作『トラヴィスストライクスアゲイン』が発売されました。こちらはマリオとは真逆の「100人のうちの2人くらいが滅茶苦茶ツボにハマる」という超二ッチ路線を狙ったゲームです。

【YouTube】
Travis Strikes Again: No More Heroes – Launch Trailer

須田氏は元々癖の強いゲームを作る、いわばゲーム界の奇才クリエーター的なポジションの人物です。同作はインディーズ規模での開発ということでビジネス的なプレッシャーがこれまでの作品と比べて少ないせいか、いつも以上にぶっ飛んだ支離滅裂な内容(誉め言葉)となっていますね。

須田氏の作風やノーモアヒーローズシリーズが好きな人は楽しいけど、それ以外の人は全くもって理解されない。そんなイカれたスタンス(誉め言葉)でゲームを作り続けているからこそカルト的な人気を集め、支持され続けているのでしょう。

思うに振り返ってみると2019年は任天堂が作るような多くの大衆に向けた作風ではなく、一部のコアなゲームファンをターゲットに作られたゲームのリリースがこの頃から少し増え始めた印象があります。

月末に発売されたのがインティクリエイツの『Dragon Marked For Death(ドラゴンマークトフォーデス)』という2DアクションRPGもそのひとつです。

【YouTube】
Dragon Marked for Death – Launch Trailer

ファンタジーな世界観を描くち密なドット絵。敵を倒しアイテムを集め続けるハック&スラッシュ的な要素。他のプレイヤーとの協力プレイなど、ゲーマー好みのする要素が満載の本作。

しかしながら、バランス調整に盛大に失敗したこともあって発売後の評価はボロボロ。私もプレイをしていますが、その時の印象は「プレイヤーへの嫌がらせ満載」だったり「マルチプレイやキャラクターのバランス調整がイマイチ」といった感じです。

そういった声が発売して数か月はSNSでも散見されたわけですが、辛抱強く何度もアップデートを重ねてた結果、2019年末くらいには「初期と比べて別物に生まれ変わった」と評価する声も増えてますね。

この他にもダウンロード専用ソフトでは井戸の底を目指して進むアクションゲーム『Downwell(ダウンウェル)』やローグライクRPGの『Tangle Deep(タングルディープ)』といった他機種で好評を博したタイトルが配信されています。

1月はこうして移植タイトルとインディーズソフトが主にリリースされたわけですが、前年の12月に出た『大乱闘スマッシュブラザーズスペシャル』(以下、スマブラSP)の存在も忘れてはなりません。

1月末に新ファイター『パックンフラワー』の配信やユーザーが撮ったスクリーンショットを投稿する企画『スマブラ画道場』もスタートし、TwitterでスマブラSPの投稿を見ない日はないという盛り上がりが続きます。

スマブラは2019年だけでもパッケージで100万本以上の売り上げを叩き出しており(ファミ通調べ)、年間を通してアップデートの話題やeSportsの大会などで大いにSwitchを盛り上げた立役者と言っても過言ではないでしょう。

2月:サプライズ

1月に引き続き、新作の大型タイトルの発売予定のないまま迎えた2月。しかしながらこの月はSwitchにとって非常に熱い月となりました。デジタル配信イベント『Nintendo Direct 2.14』によって、様々な新作発表とサプライズが届けられたからです。

元々ニンダイは「任天堂の社長自ら直接ユーザーに情報を発信する」という事をコンセプトに、2011年から始まったデジタルイベント。当時の社長である岩田氏が急逝されて以降続いた試行錯誤が実り、今では任天堂及びソフトメーカーの発表の場として一大イベントにまで成長しています。

ここでは大きなタイトルとして『スーパーマリオメーカー2』や『アストラルチェイン』、『ゼルダの伝説 夢をみる島』などが発表され、2019年のラインナップの充実を予感させます。

そして、その中でも特に衝撃的だったのが『テトリス99』の即日ゲリラ配信でしょう。

ここ数年『フォートナイト』や『荒野行動』などバトルロワイヤルゲームが流行っていますが、まさか99人のバトルロワイヤル版テトリスを作るとは。寝耳に水とはまさにこのことで、誰も予期していないサプライズです。

『テトリス99』は月額有料サービスである『Nintendo Switch Online』に加入すればだれでも無料で遊べるというのも非常に大きなポイントでした。「この後すぐ皆で遊べます!」というインパクトの強さをもあって世界中のSNSで盛大にバズります。

また、『テトリス99』は一過性の話題で終わらず、リリース後も長期的にイベントや機能の拡張が行われ、定番ゲームのポジションを確立していきます。

『ポケットモンスター』や『スプラトゥーン』のスキンや音楽で遊べるようになったり、個人戦だけでなくチーム戦ができるようになったり。あるいは追加料金を払う事でオフラインで遊べるようになったり。

こういったアップデートで度々SNSやYouTubeでも話題になり、それを見て『テトリス99』を遊ぶためにSwitchを買ったという方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなニンダイのラインナップや『テトリス99』の配信という大きなトピックに満足していた人々に対して任天堂は1週間後、さらに追い打ちをかけます。

それは国民的ゲームの最新作のお披露目となる『Pokémon Direct 2019.2.27』です。

『ポケットモンスターソード・シールド』がここで正式に発表され、前作から大幅に進化したグラフィックや全く新しい舞台や新ポケモン達がここで初めて世界に公開されます。

昨年発売された『ポケットモンスター レッツゴーピカチュウ・イーブイ』が初代ポケモン(ピカチュウ版)のリメイクだったという事もあって、いよいよ満を持しての完全新作の登場に世界中のポケモントレーナーたちも大騒ぎでしたね。

2月はこうして新発表による大きな話題を呼んだSwitchですが、一方でこの月に発売されたゲームはやや小粒といった所でしょうか。

しかし、その中でも戦車に乗って美少女が戦うアニメが原作の『ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチDX』が個人的には印象深いものでした。

PS4の無印版の時点で遊べるキャラゲーとして評判が良かった本作ですが、全く原作のことを知らない上に美少女コンテンツに疎い、私のような人間でもカジュアルな戦車ゲームとしてちゃんと楽しく遊べるように出来ていて驚きましたね。

【YouTube】
Nintendo Switch「ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチDX」PV

他にはファミコンウォーズの中世ファンタジー版ともいえる『Wargroove』が配信されましたが、2019年の前半のSwitchはインディーズの良作が立て続けにリリースされます。

この時すでに多くのインディーズタイトルがリリースされ、もはやインディーズゲーマーにとっても外せないゲーム機のポジションを確立してきたSwitchですが、2019年も変わらず非常に多くのインディーズタイトルが発売される事になります。

3月:後発から同発へ

潤沢なインディーズタイトルとは別に、発売開始当初からソフトメーカーのタイトル不足に大きな懸念を持たれ続けていたSwitch。しかし、この頃にはマルチプラットフォーム(かつ同時発売)のタイトルが複数発売されています。

人気シミュレーションRPG『スーパーロボット大戦T』はそのひとつです。スパロボ自体はこれまでも3DSなど任天堂ハードでもリリースされていましたが、この作品には少し特別な意味があります。

元々任天堂とプレイステーションで発売されていたスパロボシリーズは、それぞれ別の製作スタジオで作られていたもの。従って内容もそれぞれ全く別のものとなっています。(プレイステーション向けにはバンプレストスタジオが制作し、任天堂ハードはエーアイが制作)

それがいよいよバンプレストスタジオ製作によって、SwitchとPS4そしてSteamのマルチプラットフォームとして開発がすすめられ、こうして世の中に送り出されたという事になります。

【YouTube】
「スーパーロボット大戦T」第1弾PV

かつてはハード毎に別々にゲームを作るというのが当たり前のように行われたわけですが、年々縮小していくユーザー数や肥大していく開発費の問題をクリアするために、このようにハードの垣根を超えてマルチプラットフォームで発売するソフトメーカーのタイトルが増え続けています。

この月に発売された『シュタインズ・ゲート エリート』も元々はXboxやPCでスタートし、その後プレステーションで展開されてたシリーズです。よって任天堂ハードではシリーズ初の登場になります。

【YouTube】
『STEINS;GATE ELITE』オープニングムービー

このゲームは名作アドベンチャーゲーム『シュタインズ・ゲート 』のリメイクで、後に作られたアニメをゲームへ逆輸入するという手法を用いています。元々のストーリーの評価が高いことに加えて「読むアドベンチャーから見るアドベンチャー」というまた違った趣のある作品へと変わったことで国内外から高い評価を受けていますね。

これらの他にも『チョコボの不思議なダンジョンエブリバディ』、『ルルアのアトリエ』なども他機種と同時に発売され、いよいよ「動かせそうなゲームは大方Switchもマルチプラットフォームとして対応される」という状況へと着々と進んでいる事が分かります。

そんな一方で、Switchのけん引役である任天堂が月末にリリースしたのが『ヨッシ― クラフトワールド』。本来は2018年発売の予定でしたが、大きくずれ込んでようやくの発売になります。

任天堂は昨年3月に『星のカービィ』を発売していますが、今年も可愛らしくて優しいポップなゲームを持ってきました。工作で作られたようなフォトリアルな世界を舞台にした2.5Dと言える独特なゲームスタイルも評価された良作です。

【YouTube】
ヨッシークラフトワールド 紹介映像

見るからに可愛らしい世界観や低めに設定されたクリアまでの難易度は、ゲーマーな方にとっては物足りないかもしれませんが、ゲームに不慣れな方や子供にとってはこういった入門しやすいゲームの存在の有無がとても大きいのではないでしょうか。

丁度学生の春休み期間や入学祝のタイミングという事もあって、新しくSwitchを手にする若年層も多いでしょうし、毎年この時期に敷居が低めのゲームを持ってくるのが任天堂のひとつのパターンといった感じがしますね。

4月:3つの歴史的な事

2019年は任天堂のゲーム機として3つの歴史的なトピックがありました。その3つがこの4月に集約されるように訪れ、様々な話題が飛び交った印象深い月だったと記憶しています。

まず一つ目は長年任天堂ハードから遠ざかっていた『ファイナルファンタジー』(以下、FF)の本編がSwitchで発売された事です。

元々FFシリーズはファミコンから始まったシリーズですが、プレイステーションに『FFⅦ』を1997年にリリースして以降任天堂ハードとは疎遠に。

それが2019年になりなだれ込むように発売されて行きます。3月に『FF7Ⅶ 』と『FFⅨ』がダウンロード配信された後に、さらにこの月にはパッケージタイトルとして『FFⅩ/Ⅹ-2』『FFⅫ ザ・ゾディアック・エイジ』との二作が発売されました。

『FFⅩ』は「世界一ピュアなキスというキャッチフレーズ」をかつて掲げ、主人公とヒロインの恋愛ドラマを大きくフィーチャーした作品です。父と子の親子関係などにもスポットを当てたストーリー全般に対しての評価が高く、昔から今もシリーズの中でもトップクラスの人気を誇る作品ですね。

【YouTube】
『FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster』

続いて発売されたのが『FFⅫ ザ・ゾディアック・エイジ』。最初にPS2でリリースされた無印版は正直言ってあまり良い評判を聞かない作品ですが、後の海外版や本リマスターによって改良が重ねられた事と、仲間のAIを自分で組む奥深い戦闘システムへの再評価によって、今では良作RPGとして扱われることも多い作品になりました。

【YouTube】
『FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE』 Trailer

これらは言わばプレイステーションの一時代を築いた代表的なタイトル。しかも『FFⅦ』の開発をニンテンドー64から初代プレイステーションに移してからは、しばらく任天堂とスクウェア(現スクウェアエニックス)の関係が途絶えたという話もあります。

そういった歴史を知っている方の中には「未来永劫任天堂のゲーム機ではⅦ以降のFFを遊ぶことができないだろう」と諦めていた方も沢山いたのではないでしょうか。

しかし、こうしてⅦ以降のFF本編がSwitchにリリースされたという事によって「今やソフトメーカーがプラットフォームに拘らない時代に突入している」という事をより強く認識させられた気がしますね。

こうした一連のFFシリーズの参入はゲーム業界的なニュースとして大きな話題になりましたが、それを超える驚きを与えたのが任天堂の『Nintendo Labo VR Kit』です。

ダンボールで周辺機器を自作し、それを使ってゲームを遊ぶ。そんなぶっ飛んだコンセプトを掲げて2018年に登場したシリーズの第4弾がまさかのVRキット。これは正に奇想天外の極みといった所でしょうか。

VR機器は2016年に「VR元年」というキャッチフレーズを掲げ、一般家庭に普及させようという動きがありました。しかし結果的に大々的な普及は失敗となり、今ではアミューズメント施設での活用か一部のマニアが扱う機器というポジションに収まっています。

VR機器が普及しなかった理由は、価格の他に装着の手間、酔いなど様々挙げられますが、成長期の子供の眼に害をなすという可能性もあり年齢制限があったことも一つ大きな理由でしょう。

そういった課題だらけのVR機器を「誰にでも楽しい」「全年齢・全人類向け」といったコンセプトのゲームを多数輩出してきた任天堂が、今更発売するとは何事かと。非常に多くの方が驚かれたのではないでしょうか。

結果的にこのVRキットも商業的に成功したとは言い難く、任天堂でしてもVR自体をまだまだ一般化させるには難しいという現実を突きつけられます。

しかしながら、複数の人気作にもVR対応※をさせたこともあって「任天堂のゲームの世界をVRで体験してみたい」という願望を少しだけ叶えたという点では意義があったのではないでしょうか。

※後に『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』『スーパーマリオオデッセイ』『大乱闘スマッシュブラザーズスペシャル』、『進めキノピオ隊長』に対してVRキットを使ったモードやオプションがアップデートで追加された。

そして、最後に4月に起きた歴史的なトピックとして挙げたいのが、海外で開発されたアクションゲーム『カップヘッド』の発売です。

『カップヘッド』は任天堂の競合相手にもあたるマイクロソフトの支援によって作られたインディーズゲーム。当然の如く”Xbox OneとWindows PCのみ”の対応だったわけですが、それがSwitchに移植されるとはなんとも驚きです。

カートゥーン調の緻密に描かれた魅力的な世界観やボス戦に特化した歯ごたえのあるアクション性はかねてから大好評の作品。Switch版のリリースと同時に日本語化(それも質の高い)も合わさって、人気メジャータイトルの新発売の如く盛り上がりを見せる事になります。

【YouTube】
Cuphead – Announcement Trailer

4月はこの他にも3DSで人気を博したアクションパズルの最新作『ハコボーイ&ハコガール』、スターフォックスがゲスト出演するオープンワールド『スターリンクバトルフォーアトラス』などが発売しています。

こうして見ると任天堂の大型タイトルが発売されたわけではありませんが、4月は非常に話題性に富んだゲームが複数リリースされた印象を受けますね。

5月:中休み

ここまで新作や移植作を含めてこれまでソフトリリースが頻繁に行われたSwitchですが、5月は『ソニックチームレーシング』が発売される程度で目ぼしい新作に欠ける月となりました。

とは言え4月末に『大乱闘スマッシュブラザーズスペシャル』にダウンロードコンテンツである『ジョーカー』が追加されたことや、これまでに立て続けにリリースされたゲームを消化する等やる事がいっぱいです。

私の自身、ゲームを沢山積んでいる状態で「やるゲームがなくてSwitch触っていない」という感じは全くなかったような記憶がありますね。

因みに、この5月は2019年で唯一任天堂がゲームをリリースしなかった月になったわけですが、本来はここで『ファイアーエムブレム風花雪月』を発売し、1年間毎月任天堂はゲームをリリースを計画する可能性だったのかもしれません。

結果的にFE風花雪月は春から夏に発売を延期してしてしまったわけですが、もしここで発売していたら一年間毎月1本以上任天堂からゲームが販売されるという、全く隙間の無いリリースになった可能性があったわけですね。

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6月:いよいよ本格始動

さて、ここまでSwitchの2019年の前半戦について長々とお話してきましたが、いよいよここからが本番です。6月以降怒涛のラッシュが始まり12月までノンストップで駆け抜けていきます。

月の最初にリリースされたのが近年のインディーズタイトルの中でも突出して評価の高い『スライザスパイアー』です。先行発売されたSteam版のメタスコアは90点を超えており、Steamのストア購入者の評価もほぼ満場一致の絶賛となっている作品です。

戦略が楽しめるカードバトルと運要素の強いローグライクを混ぜ合わせたこのゲーム。サクサクとテンポよく進み、ワンプレイもそこまで長くならない所からSwitchとの相性も非常に良く、非常に中毒性が高いと評判です。ハマると時間があっという間に溶けていきますね。

【YouTube】Slay the Spire [Indie World 2018.12.27]

そしてその後中旬に発売されたのが『ケイデンスオブハイラル  クリプトオブネクロダンサーズ~フィーチャリングゼルダの伝説~』。(滅茶苦茶タイトルが長い!)

このゲームは元々『クリプトオブネクロダンサーズ』の開発者が、同作のDLCとして「ゼルダの伝説とコラボしたい」と任天堂に打診したところから始まっています。

結果的に任天堂側の勧めによって新作タイトルとして開発されたわけですが、「ゼルダの名前を冠する海外のインディーズタイトルが発売される」というこれまでになかった展開に、多くのインディーズ開発者やインディーズファンが驚いたことでしょう。

ゲームの内容はリズムに合わせてキャラクターを動かす『クリプトオブネクロダンサーズ』のシステムをベースにして、ゼルダでお馴染みのアイテムやシンプル化された謎解きを上手く混ぜ合わせた作品として好評を博しました。

価格の割りにボリュームが少ないと指摘される部分もありましたが、12月に行われた大型アップデートによりゲームの拡張が行われ、2019年を代表するSwitchのインディーズタイトルのひとつになったと言っても過言ではないでしょう。

【YouTube】ケイデンス・オブ・ハイラル: クリプト・オブ・ネクロダンサー feat. ゼルダの伝説 [Indie World 2019.5.31]

こうして質の高いインディーズタイトルが連発した後に登場したのが、レベルファイブの『妖怪ウォッチ4』です。何百万と売れていたピーク時と比べるとかなり人気が落ちてしまった印象はありますが、それでも30万本近く売るだけの人気は残っています。

これまで3DSで続いていたシリーズ作もいよいよSwitchに移籍、という事で大きく内容を見直しされ、ほぼ別物のRPGと言っても良いレベルに仕上がっています。アクション性の高い戦闘パートやアニメの世界観をそのままに探索できるようなフィールドの作り込みには目を見張るものがあります。

こうした進化含めゲーム自体の評判は良かったのですが、妖怪ウォッチの肝心要であるアニメの人気が落ち込んでいた事や、延期によってアニメの放映とゲームの発売時期がずれてしまったのが合わさってゲームの販売数が伸びなかったのが残念ですね。

その他にも3DSの時に買い集めていた『妖怪メダル』が使えなくなったことや、対戦が無くなってしまったという所も少なからず影響があったと考えられます。

因みに、発売後にはオンラインマルチプレイや妖怪の追加がされるなどのアップデ―ト(無料&有料)が行われ、それらをすべて収録した完全版として『妖怪ウォッチ4++』が2019年年末に発売されています。

こうした短い期間で完全版を出す事は過去レベルファイブは何度も行っており、その度にファンはもう1本買わされていたわけですが、今作から完全版を買いなおさずともDLCによって拡張できるのは良かったですね。(今はこれが当たり前なのですが)

【YouTube】『妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている』PV4

こうした良作続きの中2019年6月末。満を持して登場したのが、2019年の任天堂が送る最初の大型タイトル、『スーパーマリオメーカー2』です。

マリオのコースを自作して、友達や家族に遊んで貰ったりネットを介してシェア・評価するという「マリオ+クリエイト+ソーシャル」という遊びコンセプトはそのままに、様々な部分で進化を果たした本作は大きな話題を呼びます。

パーツや設定の追加などによってコースづくりの幅がさらに広がった事。ネットの評価システムを変更したことで前作にあった「人気コースは高難易度・自動コースだらけ」という状況が改善された事など、様々な部分で前作からの改善がみられる本作。

最も印象的な変化としては「オンライン対戦プレイ」が追加されたという所にあります。マリオはこれまでも協力プレイできる作品を出してきましたが、ネットを介して見知らぬ人やフレンドとプレイできるのはこれが初めてですから。

また、長期的にゲームを拡張していく計画で動いており、2019年12月には大型アップデートでタイムアタックを競い合うモードや『ゼルダの伝説』のリンクを使ったアクションや様々な新パーツが拡張されています。

元々マリオシリーズは長く売れ続ける息の長いシリーズですが、こういった拡張でゲームが進化し続ける事も考えると、2019年だけでなく2020年以降も売れ続けるであろうことは容易に予想できますね。

【YouTube】
スーパーマリオメーカー 2 Direct 2019.5.16

こうした魅力的なソフトが連続で発売の他に、6月はビッグイベントとして世界中のゲームファンが注目する『E3 2019』が開催されました。

毎年E3に合わせて任天堂が行っているデジタルイベント『Nintendo Direct E3 2019』では、年末までに発売されるゲームの続報を公開し、Switchの2019年の後半戦への期待感を煽ります。

また、翌年以降のタイトルとして大きな話題を呼んだのが『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の続編製作中というサプライズです。

発売から二年以上経った今でも売れ続けている、Switchのベストゲームのひとつ『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』。世界中から絶賛されたタイトルの続編が翌年以降に登場するという事に世界中が歓喜します

そんなブレワイ続編の朗報とは逆に残念だったのが『あつまれどうぶつの森』の延期です。元々は2019年冬発売だったぶつ森は2020年春へとずれ込む事になります。

しかしながら、2019年後半戦の過密したソフトスケジュールの中で「他にもやりたいゲームが沢山あるのにぶつ森まで出されたら追いつかない」という声もありましたし、結果的には延期して正解だったのかもしれません。

本来ぶつ森ほどのタイトルであればいつだってウェルカムなはず。しかし、そんな空気感すら漂わせるほどに、2019年6月以降のSwitchは激化の一途をたどるリリーススケジュールの大渋滞が待っていたのです。

7月:熱い夏

猛暑の訪れと共に2019年のNintendo Switchにも熱い夏が訪れます。この月は何と言っても『ファイアーエムブレム風花雪月』が発売されたという事に尽きます。

『風花雪月』はFEシリーズ最高傑作のひとつとして評価する声も多く、2019年のNintendo Switchを代表するゲームとなりました。

その証左として、世界で最も注目を集めるゲームの表彰イベント『The Game Award 2019』にて、一般者投票部門一位を獲得。任天堂がSwitchユーザーからアンケートを集計した『2019年 年間おすすめランキング』でも堂々の一位を獲得しています。

『風花雪月』がこれほどまでに支持を集めている理由として、単純にゲームとしての出来が素晴らしかったというのが、まず第一にあります。

シリアスな戦記ドラマ・多様な特徴を持つキャラクター・自由度の高い育成・圧倒的なボリューム・丁寧な設定の作り込み。これらゲーマー好みのする要素をとことん詰め込んだことで、非常に満足度の高いゲームを実現しています。

そして第二に、ここ数年間二つの派閥に分断してきたFEファン達が共に分かち合える初めての作品になったという所も忘れてはなりません。

FEは前々作にあたる『ファイアーエムブレム覚醒』にて大きな転換をしました。それが功を奏してカルト的な人気から世界的な人気SRPGへと躍進したわけですが、この時に施された大きなイメージチェンジによってシリーズファンを大きく二つに分断される構図を生み出したのです。

ファミコン時代から受け継がれ続けた「手強いシミュレーション」を謳う硬派な戦記物SRPGを求めるFEファン、俗に言う「古参」の人々。そして『覚醒』以降の恋愛や人間関係にフォーカスし、難易度設定などによってカジュアルなゲーマーにも楽しめるようになった親切な中世ファンタジーRPGとしてのFEを好む「新参」の人々。

もちろんこのどちらにも属さないFEファンもいるわけですが(私がそのタイプです)、二つの派閥の論争はネットを中心に事あるごとに繰り返され、『覚醒』が発売して以降内紛状態が続きました

開発会社の任天堂とインテリジェントシステムズは、そんなファンの分断を危惧していたのでしょうか。結果として「古参」「新参」のどちらを優先するのでもない、全く新しいファイアーエムブレムの新作、『風花雪月』を作り出したのです。

『風花雪月』は2部構成に分かれており、1部に関しては学園生活の中で生徒たちと共に関係を育んでいく物語が中心となっていきます。しかし2部では生徒たちがそれぞれの国に戻って戦争を始める、血で血を洗う戦記ものへと変貌していきます。

近年のFEが描いていた「仲間との深い絆やドラマ」と近年のFEが失っていた「シリアスな戦記物のシナリオ」。この二つを『風花雪月』は学園編と戦争編という二部構成に織り交ぜ、見事に融合してみせたのです。

【YouTube】
ファイアーエムブレム風花雪月 紹介映像

こうして『風花雪月』という魅力的なゲームが新たにSwitchファミリーの仲間入りを果たしたわけですが、7月はこの他にもSwitchでのみ遊べる独占タイトルを複数発売することによって、他機種との差別化をより強めていきます。

任天堂がこの月にリリースをした『マーベルアルティメットアライアンス3』もその中の一本です。

マーベルコミックのヒーローが大集結するこのゲームは、同じくマーベルヒーローが結集する映画『アベンジャーズ エンドゲーム』が席巻した後という絶妙なタイミングでリリースされました。

ゲームの作風は4人のヒーローを選んでストーリーやミッションをクリアしていくアクションRPGですが、開発のコーエーテクモ(チームニンジャ)が得意とするキレのあるキャラクターの動きで爽快感あるプレイが楽しめるだけでなく、40人を超える魅力的なマーベルのヒーローが育成できるというのが大きな特徴ですね。

【YouTube】
MARVEL ULTIMATE ALLIANCE 3: The Black Order 紹介映像

一方でソフトメーカーに目を向けて見るとマーベラスから『ルーンファクトリー4 スペシャル』が発売されています。

こちらは3DSに過去に発売したタイトルに追加要素を加えた完全版にあたるものですが、『2019年 年間おすすめランキング』では8位と非常に高い評価を得ています。

元々『牧場物語』のスピンオフとして生み出されたシリーズである『ルーンファクトリー』は、畑で株を育てたり町の住民と仲良くなったり恋愛をしたりするスローライフと、ダンジョンを冒険するRPGのハイブリッドなゲームです。

次回作である『ルーンファクトリー5』が2020年を目標に現在製作が進められている事も既に発表されていますが、その発売まで長くやり込める『ルーンファクトリー4 スペシャル』を楽しみながら待っているファンの方も多いのではないでしょうか。

任天堂はあくまでSwitchは据置機というカテゴリーの中で扱っていますが、『ルーンファクトリー』のように携帯ゲーム機専用に作られたゲームとの親和性が高いところも、他機種との大きな差別化にになっています。

腰を据えてじっくり重厚長大なゲームを楽しむだけではなく、日々コツコツと時間の合間を見て遊ぶ。そういったスタイルをSwitchというゲーム機は輝かせることができるというのは、この月に出た『パワフルプロ野球』でも証明しています。

もはや野球ゲームの代名詞と言っても過言ではないパワプロシリーズ。近年はメインプラットフォームをプレイステーションに移していましたが、多人数マルチプレイなどSwitch独自のモードを加えた独占タイトルとして発売されます。

残念なことに、前年にPS4・VITAで発売された『パワフルプロ野球 2018』と中身を比べて見ると、収録されているモードが減っていることもあって、シリーズファンから不満の声は多い作品ではあります。

しかしながら「おすそわけプレイ」による対戦のしやすさや、TVでも携帯しても遊べる点で新規ユーザーからの評価された部分もありで、結果的に2019年内で20万本を超えるヒット作となっています。

そしてもうひとつ忘れてならないのが、7月に発売されたダークホース『釣りスピリッツ』です。

アーケードのメダルゲームをSwitch用に移植した同作は2019年だけで30万本のスマッシュヒット。バンダイナムコは『太鼓の達人』に引き続き、またもやアーケード出身の人気タイトルを家庭用ゲーム機に定着させる事を成功させています。

イオンなどショッピングモールのゲームコーナーに休日行くと、子供たちが群がって遊んでいる光景をよく見かけますが、竿やリールを使った体感アクションや釣りと称しつつ、とんでもないモンスターたちと繰り広げられる派手なフィッシングファイトが受けている印象ですね。

2017年、2018年と任天堂のビッグタイトルに頼りがちだったSwitchですが、このように2019年7月辺りからソフトメーカーを含めた様々な独占タイトルが供給され始めます。

それぞれはマリオやポケモンと比べて小さいセールスですが、ソフトラインナップのバリエーションを広げるという意味では、Switchの3年目の躍進に大きな貢献を果たした功労者と言っても良いでしょう。

8月:二ッチ需要

6月・7月と長期的に遊べるタイトルが並んだことで夏商戦を準備万端で迎えたSwitchですが、8月は大衆的に人気を集めるソフトではなく、ニッチな嗜好に応えるゲームが複数リリースされています。

ひとつ目は任天堂とプラチナゲームズで開発した、アクションアドベンチャー『アストラルチェイン』です。

『ゼルダの伝説』の様な謎解き要素や『龍が如く』の様なシュールなサブクエストなど、他のゲームからの影響を全面に出す一方で、二人のキャラクターを同時に操作するという斬新なアクション。様々なゲームやアニメへのリスペクトと、オリジナリティあふれる内容が高く評価されています。

珍しい操作形態やプラチナゲームズが得意とするコンボアクションに、慣れるまでは難しいという事もあり、プレイヤーの趣味やスキルを選ぶというのが玉に傷。ですが、他のアクションゲームにはないオンリーワンな面白さを提供している新しいアクションゲームとして支持する声も多いですね。

私個人的にも2019年の中で楽しんだゲームベスト3に入るくらい好きです。慣れてくると物凄くスタイリッシュに激しく立ち回れるので、やりがいが非常にあります。

8月に発売されたニッチな嗜好に応えるゲームの二つ目として挙げるのは『オメガラビリンスライフ』です。

『不思議のダンジョンシリーズ』で知られるローグライクRPGのシステムをベースに、美少女のセクシャルな部分を全面的に打ち出した本作ですが、とても印象的だったのがPS4版との差異にあります。

セクシャリティ表現を前面に打ち出しているSwitch版は、人目を気にせず遊ぶ人のための「達観」バージョン。セクシャリティ表現をゴッソリと削り取ったPS4版は、人前で遊べる「実家」バージョンとして、その内容に大きな差をつけて発売されたのです。

こういったセクシャリティ表現を推すゲームは、どちらかというと「大人のためのゲーム機」というイメージが強いプレイステーションをメインにリリースされており、「全年齢」や「子供も安心して遊べる」というイメージが強かったこれまでの任天堂のハードでは、ほとんどリリースされていませんでした。

しかし、2018年の後半あたりから急速にSIEがセクシャリティ表現への規制を強化したことによって、居場所を失ったソフトメーカーのタイトルが次々とSwitchに移行していく事になります。

『オメガラビリンス』もその一つで、これまでPS4にリリースされてきたシリーズ作と同じようなやり方が許されなかったのか、規制に引っかかりそうな部分を大胆にカットするという強硬策に近い方法で対応をしています。

こういったセクシャリティ表現を売りにしたゲームにとって規制は正に致命的な問題。2機種の差異を露骨にPRするというところに、急速に方向転換せざるを得なくなったソフトメーカーとしての苦悩が現れています。

そして、ニッチな嗜好に応える3つめのタイトルは『囚われのパルマ』です。

牢に囚われた美青年の生活を観察したり、コミュニケーションを行うアドベンチャーゲームで、いわゆる「乙女ゲーム」というジャンルに該当する作品になります。

残念ながら私自身乙女ゲーに関しては門外漢でして、深い内容についてはお話しできないのですが、客観的に見て分かる特徴として、キャラクターが3Dで描かれているという所にありますね。

2Dの画像を表示する手法では、キャラクターの動きや細かい表情をテキストで補完する必要がありますが、3Dでしっかりと顔の表情や動きを細かく表現可能です。

2Dの絵を使ったテキストアドベンチャースタイルだけでなく、こういった3Dの技術を使ったゲームが出てきた事で新しいステップに進み始めている印象を受けますね。

『囚われのパルマ』以外にも2019年は「Switchの乙女ゲーム元年」と言っても良いほど、沢山のオトメゲーが発売されています。

しかしながら、乙女ゲーマーは機種間の移行になかなか腰が重いと言われており、かつての乙女ゲーメインプラットフォームであるVITAからユーザーを移行するのに苦戦をしているようです。

ファミ通のソフト売上Top.30などを見ていてもランクインするのは稀。VITAの時よりもはっきりと数字が落ちているのが分かります。

この理由として考えられるのは3つあります。

まだ移植の作品が多く、乙女ゲーマーの人がSwitchを新たに買うほどのけん引力が未だ足りていないという事。

そしてもう一つは、新しいハードに移行することによって得られる恩恵(映像やゲーム内容の進化)がオトメゲーは少ないという事。

そして最後はSwitchのサイズと価格です。Switchは女性が手に持って遊ぶには少しサイズが大きく、値段に関しては3万円とこれまで乙女ゲーマーの方が親しんできたVITAやPSPの1.5倍もします。

ただ、任天堂もこうした課題をそのままにしているわけではありません。

手始めに乙女ゲーを専門に扱った特設サイトを設置。オトメゲーの雰囲気に見合ったページデザインを用意し、オトメゲーのラインナップを掲載。各作品のキャラクターがSwitchを持っているオリジナルの画像を乗せる力の入れようです。

任天堂公式ホームページより転載

この他にも、任天堂の乙女ゲーム担当(ぴー&ちゃみ)が紹介する『乙女ゲーム部』なるものを開設。Switchを購入した乙女ゲーマーの方は、本体のニュース機能から乙女ゲームの情報を得られるようになっています。

そして何より大きいのが、翌月の9月から発売開始した『Nintendo Switch Lite』の存在です。携帯ゲーム機として特化したSwitchはよりコンパクトでより安価に。乙女ゲーマーの方がSwitchを購入するハードルを大きく下げる事ができます。

しかし、こういった施策はすぐに効果が表れるものではありません。VITAもすんなりとPSPから乙女ゲーマーを移行できたわけでもなく、ソニーとソフトメーカーが苦労して誘致した歴史があります。

しかも任天堂は、乙女ゲーに限らず8月に発売されたこれらのタイトルの様に、「二ッチあるいはマニアックな路線のゲーム」の扱いをあまり得意としていない印象があります。

任天堂自身が「全年齢・全人類」という大衆性を常に意識したメーカーである事や、こういったタイトルラインナップが今まで扱いが少なかった事。

そこには色々な理由があると思いますが、2020年以降どのように変化していくのか一つ任天堂の変化のポイントとして注目していきたいところですね。

9月:更なる過熱へ

夏の終わりを迎え涼しさの気配が増す一方で、この月もSwitchは更に熱の高まりを見せていきます。

まず、月の初めに行われたNintendo Direct 2019.9.5では、様々な新作タイトルや年末発売の注目作の続報が発表されています。

任天堂から発表されたタイトルには『ゼノブレイド ディフィニティブエディション』や『幻影異聞録 #FE アンコール』、『ファミコン探偵団リメイク』などがあり、良作・名作の復活を大々的にフィーチャーしていますね。

ソフトメーカーからも『ブリガンダイン』の新作や『九龍妖魔学園紀』のリマスター、版権問題で絶望視されていた『Moon』の移植といった、カルト的な人気を持つゲームがSwitch独占タイトルとして多数発表されています。

初代プレイステーション向けに発売されて以降移植が一切行われず、新品が4万を超えるプレミア化した『Moon』。

『ポケットモンスターソード・シールド』や新発表された『桃太郎電鉄2020』の様に大衆に広く知れているゲームも勿論ここで登場していますが、全体を占めるウェイトとしてディープなゲーマーをニヤリとさせるタイトルが多かったのが印象的ですね。

2019年に国内1100万台を超え、普及もかなり進んだSwitchにおいて、今後重要になってくるのが多様なニーズに応えるソフトラインナップです。任天堂が得意とする大衆性の強い人気タイトルだけでなく、任天堂が作らないようなアクの強いソフトメーカーのタイトルも必要不可欠になるでしょう。

任天堂の人気タイトルが遊べるゲーム機という価値だけではなく、幅広いタイトルラインアップを揃えた多くの人に満足できるゲーム機へ。

次なる未来を見せる一方で、9月の任天堂はハードとソフトの両側から一気に攻勢を仕掛けていきます。

以前から要望の多かった携帯特化型バージョン『Nintendo Switch Lite』が遂に発売され、大きな話題を呼びます。

Switchの特徴であるハイブリッド機構やジョイコンなどの機能を廃した代わりに、値段を1万円下げ携帯ゲーム機として扱いやすくした新バージョンのSwitch Lite。「もっとコンパクトな携帯ゲーム機が欲しい」という人や「自分用に2台目のSwitchが欲しい」という人達のニーズに応えるべくして登場しました。

そして、Switch Liteの発売に合わせて用意していたであろう、携帯して遊ぶ事に適したタイトルがこの月に続々と登場しています。

その中核となったのが『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて S』。PS4と3DSの二機種で発売されていた『ドラクエⅪ』を一つにまとめ、様々な追加要素を盛り込んだデラックス版です。

ボイスの追加やシステムの改善、難易度上昇の設定など、合計70を超える大小さまざまな追加・変更点によって改良。シリーズの中でも最高傑作と称される事の多い『ドラクエⅪ』が、本作によって更に評価を高めた印象がありますね。

『2019年 年間おすすめランキング』でも2位といういう事で、Switchユーザーからも2019年を代表するゲームのひとつとして強くオススメされています。

手元の液晶画面で遊ぶのに適したゲームと言えば、Switch Liteと同日発売の『ゼルダの伝説 夢をみる島』も印象的なタイトルです。

20年ほど前にゲームボーイで発売され、当時のゲームファンの心に残る名作が、クレイアニメ風のビジュアルと現代的な操作感覚のゲームになって帰ってきた事に歓喜した方も多いでしょう。

既に発売されていた『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』が旧来のゼルダからの脱却を図ったものに対して、マップデザインやゲーム進行などオリジナルを踏襲した古典的なこのゼルダは「原作リスペクトだけでなく、絶妙な現代化を織り交ぜた理想的なレトロゲームのリメイク」と高く評価されていますね。

ドラクエやゼルダなど人気シリーズの他にも、Switchでは新規IPのロボットアクション『デモンエクスマキナ』が発売されています。

カルト的な人気を誇る『アーマードコア』の精神的続編、と言っても過言ではない程に同作との共通点を持つ『デモンエクスマキナ』。なかなか新作が出てこない『アーマードコア』にしびれを切らしていたファンにとっては福音とも言えるタイトルです。

自由にパーツを組み上げて自分オリジナルの機体に乗り込み、戦場の空陸をブースト吹かして駆け巡る鋼鉄の3Dアクション。ベーシックな部分は『アーマードコア』をしっかりと継承しつつ、「ただの模倣で終わらせない」と意欲的に様々な挑戦をしています。

例えば、『アーマードコア』で敷居を上げていた癖のある操作を簡略化し、他のアクションゲームに近い所まで敷居を下げた所。4人で共闘するマルチプレイや期待から降りてパイロット生身で活動できるなど、差別化はしっかりと図っていますね。

また、アップデートに対しても非常に意欲的に行われたのも特徴的です。「対戦モード」や「追加ミッション」だけでなく、毎回構造や中身が変化するいわゆるローグライク的な「探索ミッション」などが発売後次々と追加されています。

当初はストーリーやゲームバランスなどに対する粗さが目立つゲームではおりましたが、こうした発売後の拡張や繰り返される細かな調整を経て、一定数のファンの信頼を獲得した印象を受けますね。

そして9月のタイトルで最後に紹介したいのが、『ライザのアトリエ 常闇の女王と秘密の隠れ家』。「ばいばい アトリエ。」というワードを掲げ、長く続いたシリーズからの脱却を大きく打ち出したのがとても印象的なタイトルです。

キャラクターデザインやゲームの核となる錬金術(アイテム生成)やバトルのシステムを大幅に変更。グラフィックも飛躍的に向上したことも合わさって、このアトリエシリーズの転換を多くの人が評価しています。

「冒険の先に現れる脅威との闘い」といった王道なストーリーを軸に、それぞれの登場人物の成長にもフォーカスしたことで、旧来のアトリエファン以外のRPGファンにも親しみやすい作りにもなっています。

販売本数も過去作と比べてしっかりと伸びており、新規ユーザーの流入も見られます。『ライザのアトリエ』で初めてアトリエシリーズを手にしたという声もSNSでよく見かけましたね。

『ライザのアトリエ』も『デモンエクスマキナ』もセールス的には10万本にも届かないタイトルですが、こういったユーザーの支持を得るタイトルを着実に増やしていくことはプラットフォームとしての基盤を盤石にするうえで非常に重要になってきます。

ドラクエやゼルダというポピュラーなビッグネームを中心に据えつつ、もう少しマニアックな路線もしっかりとフォローする。

比較的大衆に向けけSwitchを売り込むことに専念していた印象が強い任天堂ですが、この9月にきてSwitch Liteを用意し、多様なタイトルを並べる事で様々なニーズに応える意志があると、しっかりとアピールできた月になったのではないでしょうか。

10月:伏兵現る

10月発売のタイトルの中で主役といえば、前作がミリオンセラーを突破した『ルイージマンション3』となるはずでしたが、ここにきて予想だにしなかったタイトルが突如出現します。

9月に発表し、10月に発売という彗星のように現れた『リングフィットアドベンチャー』。フィットネスリング型のコントローラー『リングコン』を使って遊ぶ、一見この奇抜なゲームが大きな話題を呼びます。

リングコンをグッと絞って空気砲を撃ったり、脚を動かして草原を走り抜ける。敵の攻撃を腹筋でガードし、スクワットやストレッチでダメージを与える。実に直感的でユニークなこのアドベンチャーゲーム。

体感的な面白さだけでなく、身体を動かし汗を流すことによって感じる充実感。何より長く遊べるように用意された豊富なコンテンツなど、ゲームの内容が高く評価され、『リングフィットアドベンチャー』は口コミでどんどん広がっていきます。

その結果、2019年だけでも50万本近く販売。販売取扱店では常に品薄状態でネット通販でも入荷後即売り切れという人気ぶりです。

因みに、10年近く前にも任天堂はフィットネス系のタイトル『Wii Fit』を大ヒットさせています。その後もシリーズ化し2作を発売しているのですが、右肩下がりで人気が低下。結果的にマリオやゼルダの様な任天堂の定番シリーズにはなり得ませんでした。

これは『Wii Fit』に限らず、Wiiの時代に大ヒットした体感ゲーム全般に共通しており、今はどちらかというと『ゼルダの伝説』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』の様に王道的なビデオゲームの人気が伸びています。

しかしそんな時代の流れをぶった切る様に、フィットネスを掲げた体感ゲームがヒットするのですから驚きです。「Wii Fit系のゲームはもう売れないだろう」と高をくくっていた多くの人にとって、正に寝耳に水といったところでしょう。

『Wii Fit』があくまでバランスを整えるトレーニングを主体としたものに対して、『リングフィットアドベンチャー』は己の筋肉を鍛え、筋肉を使って戦う、あくまで「身体を使って遊ぶアドベンチャーゲーム」というところに大きな違いがあります。

ビデオゲームを身体を使って楽しく遊びたい。そして、あわよくば筋肉を付けれたら嬉しい。そんな人々の欲求に火をつけるだけでなく、実際にプレイした人に楽しさや充実感を与える。『リングフィットアドベンチャー』の人気は2020年以降もまだまだ続きそうです。

そんなダークホースの登場に話題が集まる中で発売された『ルイージマンション3』ですが、こちらも負けず劣らず。探索型アドベンチャーゲームとして高い完成度のゲームとして非常に評判の良いタイトルです。

ジャンプアクションのマリオとは打って変わり、ホテルをくまなく探索するというのが特徴的なこのシリーズ。仕掛けられた様々な謎解きやオバケとの対決を、『オバキューム』と呼ばれる掃除機を使って次々と攻略していく事になります。

特に今回は3DS向けに作られた前作から飛躍的に映像面がパワーアップし、Switchの中でもトップレベルのグラフィックを実現しています。それに合わせてルイージの細やかなリアクションなど細かい動きへの作り込みも徹底されており、まるでピクサー映画を動かしている様な楽しさが溢れていますね。

良いのは評判だけではなく、セールス的にも大きく目立ってはいませんが地味に好調で、気が付けば2019年内で50万本近くをパッケージで販売しています。人気の定番タイトルがひしめくSwitchでは前作のミリオンセールはやや厳しいかと思われましたが、それをも超えてくる可能性があります。

こうして『リングフィットアドベンチャー』と『ルイージマンション3』という二つのヒットタイトルがさらに現れ、Switchはいよいよ群雄割拠の戦国時代に突入します。

発売から日時が経っても売れ続ける『マリオカート8デラックス』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』。6月から畳みかけるように発売してきた良作タイトル達。Switch史上最高とも言える充実したラインナップを10月に整え、いよいよあの怪物の発売を迎える事になるのです。

11月:炎上と熱狂

2019年の6月辺りからノンストップで駆け抜けるように様々なタイトルがリリースされてきたSwitchですが、この年のハイライトとなる『ポケットモンスター ソード・シールド』(以下、剣盾)が11月に発売されます。

UK(イギリス)がモチーフの、ガラル地方を舞台にした全く新しい冒険。そこで出会う新ポケモン達。前作から飛躍したグラフィックに、『ダイマックス』と呼ばれる巨大化したボケモンのド迫力なバトル。

「ポケモン新時代」というキャッチフレーズを掲げ、最強のポケモンを目指した剣盾は、『大乱闘スマッシュブラザーズ スペシャル』を超えるスピードで売れ続け、Switchで最も人気のあるゲームへと突き進みます。

世界では3日で600万本というポケモン史上最高の記録を叩き出し、国内では2019年内にパッケージ版だけで270万本近くも販売するなど、その勢いは前作サン・ムーンを凌駕しています。

この人気ぶりは流石ポケモンの最新作といった所ですが、剣盾の前評判は決して良いものではなく、「シリーズ過去最悪に荒れた中で発売されたポケモン」と言っても過言ではありません。

その荒れ具合は発売日に近づくほどに過激さを増し、怒り狂ったファンがポケモンやゲームフリーク関係者のTwitterアカウントに連日突撃。「#GameFreakLied」(嘘つきなゲームフリーク)と書かれたツイートが世界的な大量投稿されるなど、類を見ない程の大炎上まで発展してます。

なぜここまでに荒れてしまったのか?事の発端は2019年6月のE3。任天堂のブースで行われた『Tree House』というイベントまでさかのぼります。

『Tree House』はゲームの開発者がステージに上がり、ゲームを直々に紹介するというイベントで、YouTubeで全世界生配信もされています。そこでゲームフリークの増田プロデューサーの口から発した、「過去作から連れてこれないポケモンがいる」という言葉から全てが始まります。

これまでのポケモンは過去作に登場したポケモンを引き継ぐ形でどんどん種類を増やして、800体近くまで膨れ上がっていました。剣盾ではそれらすべてのポケモンを継続することが難しいということが明らかになり「大好きなポケモン達がリストラされる!」と不満を述べる声や「Switchで色々パワーアップするのだから仕方ない」と議論を巻き起こしていく事になります。

そして、その後リストラに関する話に関しては公式から一切メッセージとして出ず、ファンの焦燥感を煽ります。「事前に出てこれないポケモンを発表しないのは不誠実な対応じゃないか?」「トークステージで一言ボソッと言及するだけとかズルくない?」という批判の声が日に日に増していったのです。

更にはそこに火に油を注いだのが、ゲームフリークの開発者インタビューです。「ポケモンのモデルをいちから作り直しをしているので、全てを登場させるのは無理と判断した」という増田プロデューサーの発言が避難の的になります。

この発言に対して「剣盾のポケモンは過去作のモデルを流用している」「モーションも過去作と変わっていない」と過去作と剣盾の映像を比較検証したツイートが次々拡散され、「ゲームフリークは嘘をついている」という「Game Freak Lied」のワードが世界中に広まっていきます。

そして極めつけが、発売をいよいよ2週間を切ったあたりで現れたリーク(情報漏洩)です。剣盾のソフトをフライングゲットした海外のユーザーが、あろうことか登場するポケモンの数や種類をすべて晒し、これが一気に日本を含めた世界中へと拡散していったのです。

「大好きな○○(ポケモン)がいない!リストラされた!」「このリークは嘘だと信じたい」「任天堂は何をしてるんだ!ポケモンを終わらせる気か?」と悲痛な叫びが飛び交う。これが剣盾が世界的大炎上していく過程です。

しかし、不思議な事に発売後はそんな批判や炎上もどこ吹く風。売れに売れてここ数年間に出たポケモンの中でもトップクラスの売れ行きです。

もちろん今回の騒動で剣盾を買わなかったファンも少なからずいるとは思いますが、あれだけの大批判を浴びても大勢に影響はなかったという所にポケモンというコンテンツの基盤の強さを感じざるを得ません。

この最悪な状況をなぜ跳ね返したのか。様々な理由が考えられますが、ポケモンの人気実況者であるもこう氏が『結局、ポケモン剣盾のリストラ炎上ってどうなったんだ?』という動画で語っている内容が分かりやすく、なおかつ的を得た説明をしているので引用していきます。

「カジュアルなゲーマーにとっては十分な数のポケモンが登場する上に、グラフィックや演出は過去最高。ゆえに今までのポケモンよりも楽しめるゲームになっている。」

「対戦を楽しむガチ勢にとっては、ポケモンの数が減った事で結果的にゲームバランスが改善し面白い環境になったと思う。色んなポケモンを使って対戦を楽しめるから、楽しくてしょうがない。」

要するに、剣盾で何百匹というポケモンが登場しない事実はあれど、剣盾には今までのポケモンにはない面白さがあって、過去のポケモンに戻る気にはなれないのだ、という主張をもこう氏は動画にて発言しています。

こうした剣盾を評価する声はもこう氏だけでなく、他のYouTubeチャンネルやSNSで続々広がっていき、ネガティブな話題を一気にかき消して行きます。

Switchの本体機能を使って、SNSに直接画像や動画をアップできるようになったことで、今までのポケモン以上にユーザー同士が楽しさを共有しやすくなっているのも、ポジティブな評価を広める助長になった事でしょう。

最終的に「あの大炎上は一体何だったのか…」と言われるまでに収束し、事なきを得た剣盾ですが、この一連の騒動によって良くも悪くもネットの拡散の怖さや影響力というのを多くの人が認識したのではないでしょうか。

一説には「ネガティブな内容はポジティブなものよりも何倍も拡散する力がある」という話もありますが、ネットの他人の意見に振り回されすぎず「自分にとってポジティブなものはなにか」を見極める判断力を身に付けたいものですね。

12月:横綱相撲

最もゲームが売れる時期と言われるホリデーシーズンに突入し、Switchは12月のひと月だけで国内110万台以上を販売します。ソフトに関してもSwitch一機種だけでほぼランキングの上位を独占という、正に横綱相撲の状態です。

参考:2019年12月ゲームソフト・ハード売り上げランキング速報

振り返ってみると、任天堂はこのゲームが最も売れる時期と言われるホリデーシーズンに、Switchの盛り上がりが最高潮に達する様に巧みに2019年を歩んできたように思えます。

6月から『マリオメーカー2』をはじめとする人気タイトルやマニアックなタイトルなど、多様なソフトラインナップで畳みかけるようにソフトと話題を提供。ゲームファンに対してSwitchの存在を意識させ続け、11月にはトドメの『ポケットモンスター』という見事な流れです。

年末にはDSで社会現象を起こしたあの脳トレが『脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング』として発売され、より幅広い年代に対応できるように翌年への準備もしています。

過去作で評判の良かったトレーニングの再録だけではなく、手の動きを使った新トレーニングが収録。インターネットを使った大会なども予定されており、ジワジワと売れ続けそうな気配がしますね。

かつてのように何百万本と売れて社会現象を起こすという事はないとは思いますが、改めてプレイをして見ると、知育だけでなくパズルゲーム的な面白さも持ったゲームとして楽しめるゲームでもありますからね。

また、この月のトピックとして、アメリカで行われた『The Game Award 2019』にて行われた『ブレイブリーデフォルト2』の発表があります。

参考:『ブレイブリーデフォルトII』ティザートレーラー

3DSで人気を博したスクウェアエニックスのRPGが、いよいよ2020年にSwitchにも登場します。

1作目の『ブレイブリーデフォルト』は新規IPながら世界でミリオンセラーを達成したヒット作であり、同時にその内容についても評価の高い作品です。しかし、2作目『ブレイブリーセカンド』でシナリオライターや音楽を変更したことが災いして評価が旧下落してしまいました。

『ブレイブリーサード』ではなく『ブレイブリーデフォルト2』というタイトルを付けているところや、音楽に関しても1作目のRevo氏を起用しているところからも、もう一度新たに続編を仕切りなおしたいという姿勢の表れの様に思えますね。

因みに『ブレイブリーデフォルト2』を手掛けるスクエニの浅野氏率いるチームは、2018年にSwitch向けで発売された『オクトパストラベラー』の続編も開発中と2019年には発表されています。今後の2020年以降の活躍も期待できそうですね。

2019年はSwitch Liteが発売されるだけでなく、『ポケモン本編』や『牧場物語』、『脳トレ』といった過去に携帯ゲーム機向けで人気だったタイトルがSwitchへと続々と移行した一年でした。

2020年も『ブレイブリーデフォルト2』や『ルーンファクトリー5』等が予定されており、据置だけでなく携帯ゲーム機としての活躍する場面も増えていくのを予感させますね。

最後に

当ブログは解説から数えて1年と9か月程運営しておりますが、「任天堂とNintendo Switchを応援する」というコンセプトで続けています。

故にこうして2019年に充実した結果を残したことを喜ばしく思うと同時に、来年の更なる飛躍にとても期待をしています。

2019年は前半がややソフト面で大作が不足していたところもありましたが、2020年は3月に『どうぶつの森』が発売されるという事で、この勢いのまま2020年も駆け抜けそうな気がしますね。

私自身こうしてブログを書く身でありつつも、根っからのゲームファン。ソフト面が充実してくるとなかなかブログ記事を書く時間の確保ができなくなるというジレンマもありますが、2020年も頑張っていきたいと思います。

最後までご一読いただきありがとうございました。

Written by にぃど(@switch_for)

 

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