やることだらけのスローライフゲーム!『Stardew Valley』 高評価レビュー

2018年1月にNintendo Switch向けに配信された『Stardew Vally』(スターデューバレー) の感想について本日は語っていきます。

本作はeShopで配信が始まってからダウンロードランキングの上位に定着し続ける定番タイトルという事で、既にダウンロード版で遊んでいる方も沢山いらっしゃかと思いますが、2019年1月31日パッケージ版の発売を機にレビューしていきたいと思います。

因みに、私は本作に対してプレイ前に「どうぶつの森みたいにのんびりぼ~っと遊ぶゲームかな?」という印象を持っていたのですが、蓋を開けたら「結構毎日やることだらけで寧ろハードライフじゃねーかこれ!」というある意味スローライフ詐欺にあった作品です(笑)

ただ、ゲームとしてはとても良くできた作品ですし、是非どのあたりに魅力がある作品か当記事を通して知って頂けたら幸いです。

それでは早速、ゲームのレビューをしていきましょう!

スポンサーリンク

 

ゲームの特徴と評価

■ 特徴1
自由度だけでなく適度なストーリー性もあって一人でも楽しめる

主人公(=プレイヤー)は都会の企業に働くサラリーマンで、ある日ライン生産の機械の様な無機質な毎日に嫌気がさし、おじいさんから譲り受けた農場で田舎暮らしをすることを決意します。

▲大企業の歯車のように生活する毎日に疲れ果てる…これは結構現実的にある話。

農場は長年放置していただけあってとても農業を始められる環境ではないので、まずは荒れた地の草を刈り、石を壊し、木を切り倒す…そこから畑を耕し、生き物を飼育して農場としての復興を目指します。

▲本作ではリアルタイムに時間が流れるので気が付けばあっという間に夜になる。働きすぎて倒れないように気を付けるのも大事。

しかし、一人ではできることに限りがあるという事で隣接する村の人と交流を持つことも大切になっていきす。

初めはよそ者という事で警戒されていますが、村人と交流を持つことで仲良くなったり、事件や悩みを解決してあげたりして人とかかわりあいながら農場を盛り立てていく…そうやって一人の人間としての新しい人生を歩んでいくというのがこのゲームのストーリーです。

▲結婚をしたり子供が生まれたり…一人の人生を疑似体験するゲームともいえる。

本作は自由度の高いゲームとして紹介されることが多いですが、このようにストーリーの流れや他者との関わりがちゃんと用意されていて、『マインクラフト』に代表されるサンドボックス型のゲームのように完全に放りっぱなしで全く自由なゲームというわけではありません。

何かしら村人から悩みを相談されたり、大企業と村との確執だったり…そういった様々なイベントが次々と向こうからやってくるようになっていて、どちらかというと次にプレイヤーがなすべきことが明確になっているゲームです。

『マイクラ』のような完全に自由なゲームは「プレイヤー自身で遊び方を考える意欲」や「一緒に遊んだり作ったものを見せたりする他者の存在」の有無で面白さが大きく変わってきますが、その点本作はそれらを気にする事無く一人用のRPGを遊ぶような感覚で十分楽しめますね。

因みに、2018年後半のアップデートによってマルチプレイ(オンライン対応)が拡張されています。

あくまでゲームのベースとしては一人用のゲームで後付けの拡張ではありますので、友達と一緒に同じゲーム空間で遊べるというプラスの遊びとして幅が広がったというものであり、「マルチプレイをしないと楽しめないゲーム」ではないのが一つ大きなポイントです。

 

■ 特徴2
日々のちょっとずつの変化と豊富なイベントを楽しめる

本作では畑を耕して農作物を育てたり、柵で仕切りを立てて動物を飼育したり農場をある程度自分の好きなように発展させていく事が可能です。

▲農作物を植える、カラスに食べられないようにかかしを立てたる…農場を発展させるために日々自分で考えて行動していく。

田畑で育てた農作物を売ってお金にすれば新しい作物の種を購入したり、大工さんに建物を拡張して貰ったりと、牧場を充実した施設にしていく事を一つの核にしてゲームは進行していきますが、農場が拡張されていくペース自体はスローです。

村人との交流も皆がすぐに親しくなれるわけじゃなく、日々話しかけたり花を送ったり、悩みを解決してあげたり…実際の人間関係と同じように時間をある程度かけて関係を構築していく形になりますね。

▲村人達は『どうぶつの森』の住民ように頻繁に引っ越したりプレイ度に代わるようなものではなく、村に根付いたメンバーで固定イベントも豊富。

『どうぶつの森』や『牧場物語』もそうなのですが、こういった一定の場所に根付いて生活を広げていく系は毎日コツコツと作業する事を楽しいと思えるかどうか重要なポイントです。

苗が成長していく姿に日々喜びを見出すような徐々に変化していく過程を楽しむという感覚が楽しめる人は最初からツボに入るとは思いますが、ゲームに瞬間的な楽しさを求めている人には特にできる事の選択肢が少ない最初の方は退屈かもしれません。

▲これらの対戦ゲームの様に遊び始めた瞬間からガツンと面白さを感じるゲームとは全く楽しみ方が異なる。

実際私もどちらかというとアクションゲームでヒャッハー!するのが好きなタイプなので、正直序盤は退屈な印象を受けました。

しかし、導入が終わって荒れた農場を奇麗にした辺りからこの手のゲームにしては珍しい頻度でイベントが次々発生していきます。

▲朝家を出ると行く当てのない犬を飼って欲しいと頼みに来る村人。イベントは自分から進んで行くものと向こうからやってくるものなど様々。

そして、イベントだけでなく「家をお金を貯めて拡張する」など何かしら複数の目標がどんどん建てられていくので刺激不足という感じは途中からなくなっていきますね。

それに加えてこのゲームは1日が経過するのが早いのもあって、毎日「〇〇やりたかったんだけどなぁ…明日にするか…」みたいなのが続いてどんどんやりたいこと、やるべきことが貯まっていきます。

そういった意味ではスローライフというイメージと実際のゲームの中身は違っていて「意外とやること盛りだくさんなゲーム」なのですが…時間制限過ぎればゲームオーバーみたいなことはないので焦らずにマイペースで少しずつ消化していく事も可能です。

プレイヤーの遊び方や考え方次第で忙しいゲームになるのか、のんびり遊ぶゲームになるのか変わってくる…そんな懐の深さがあるゲームだからこそ多くの人に高く評価されているのだろうと感じさせられますね。

 

■ 特徴3
遊び心が農場生活にはいっぱい

本作を遊んでいて驚いたのは、農場を発展させることや村人との交流を図るというだけではなく、ミニゲームやサブパートの色んな遊びが盛りだくさんに詰め込まれているという事です。

例えば、洞窟に潜りダンジョンを攻略して見たり、夜の酒場でゲームを遊んだり、村の周りにある海や池で釣りを楽しんだり…兎に角いろんなものを詰め込んで「ぼくのかんがえたさいきょうののうじょうげーむ」みたいな事になっています(笑)

▲入るたびに構造が変わる自動生成ダンジョンに潜れる。武器を手にモンスターと戦うがアクション性は低い。

ただし、各パートは正直言ってそれぞれ単体で見たときに優れているかというと微妙で、中にはちょっと色気を出して頑張りすぎた結果失敗しているものもあったりして、過度の期待は禁物です。

特に釣りの要素は『どうぶつの森』や『モンスターハンター』にあるようなタイミングに合わせてボタンを押すだけのシンプルなものから一歩踏み込んだものしようとしてそれが行き過ぎた結果、ストレスを感じるくらい難しいものになっています。

▲釣りは本作で最も難しいミニゲームで気軽にのんびり楽しめる様な生易しさはない。

「遊びのバリエーションが沢山用意されている」という事は素晴らしいですが、一つ一つのミニゲームやサブパートの細かい調整が練り切れていないのは目を瞑る必要がありますね。

もし次回作があるならば、こういったサブパートの内容をもっと磨くことで最高の作品になる一番の伸びしろかもしれません。

スポンサーリンク

 

どんな人向けか?

他のスローライフ系のゲームと比較して色々やれることが沢山詰め込まれていたり、イベントが豊富にあるので、スローライフ系で「何をしたら良いのか分からない」と手持無沙汰になるのが苦手な人も比較的馴染みやすいゲームになっています。

ただ、ゲームの進行としては全体にゆっくりなのは確かで、コツコツ毎日働いて積み上げて長期的に成果が見えてくるというのは他の『どうぶつの森』や『牧場物語』と根本的に変わりません。

なので、それらのゲームが好きではないという人でも本作は楽しめるのか?というと少し疑問で、どちらかというと「どうぶつの森とかも好きだけど、もうちょっと色々イベントやら遊びで詰め込まれたゲームがやりたい」という人向けのゲームですね。

この手のゲームは本当に向き不向きがありますので、全ての人に素晴らしいゲームですよ!とはなかなか押しがたい所はあるのですが、Switchでのんびり長期的にゲームが進行していく過程を日々楽しめるゲームを探しているならば、このゲームはその候補の筆頭として挙げられるゲームであるのは間違いないでしょう。

ドットで描かれた田舎で村人との様々な心温まるエピソードを体験し、少しずつ農場を充実させていく…現実世界とは違うもう一人の人生を歩めるゲームとして作りこまれたゲームですので、ご興味ある方は是非プレイしてみてはいかがでしょうか。

 

スポンサーリンク