スマホアプリで超高評価の『大繁盛!まんぷくマルシェ』Switch版 レビュー

今回は個性豊かなシェフ6人とマルシェ(市場)を経営する、ほのぼの経営シミュレーション『大繁盛!まんぷくマルシェ』Nintendo Switch版のレビュー・感想記事になります。

元々スマホ向けアプリで基本無料で配信されている本作は、Appストア評価の非常に高い作品ですが…

Switch版も同様に満足度は高いのか?

スマホ版と比較してどう違うのか?

その辺りも踏まえて色々本作の内容と本作についてお話していきたいと思います。

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半放置系経営SLG

本作は冒頭でも述べた通り経営シミュレーションのジャンルに属するゲームですが、実のところ放置系的な側面も強い作品です。

放置系とはプレイヤーが操作せずとも自動的にどんどん進行していくようなゲームの総称で、スマホのアプリで定着しているジャンルの一つです。

完全な放置系というほどほったらかしで遊ぶわけではありませんが、

基本的に 敷かれたレールに乗ってボタンを押していけば誰でもクリアできるゲーム です。

他の経営シミュレーションみたいに限られたリソースを上手くやりくりして乗り切っていく達成感や、

ガストの『アトリエシリーズ』のようにキャラを育てていくRPGのようなゲーム性を期待しているとがっかりしてしまうかもしれません。

本作はそういった戦略性や育成要素が濃いものとはまた方向性が違っていて、言うならば…

ちょっと紅茶を飲みながらTVを付けて

のんびり「ながら」でゆる~く遊ぶようなゲーム

なんですね。

これを知らず『経営シミュレーション』という言葉に惹かれて購入してしまうと…

「何このゲーム…全然ゲーム性ないじゃん!失敗した!」という事になりかねませんので、

購入を検討されている方には、まず最初にそこをしっかりお伝えしたいポイントになります。

 

スマホ版との違い

元となったスマホ版との違いは大きく分けて3つあります。

一番大きいのは価格面ですが、Switchのゲームではゲーム内広告で基本無料というのができないようですし、全体的に手直ししている部分も多いのでこれは仕方がないでしょう。

価格スマホ:無料(課金で広告非表示化)
Switch:1200円(課金なし)

画面構成スマホ版は縦画面限定だったのでやや窮屈な印象がありましたが、Switch版はワイドで広々と表示できるようになり見やすくなっています。デザインやUIも画面に合わせて最適化しているので、移植でもリメイクに近い手間を掛けている印象がありますね。

内容の改善Switch版はスマホ版よりもゲームスピードが全体的に早くなっており、テンポよく遊ぶことができます。ちょっとしたオート補助機能など便利なシステムも所々に追加されており、Switchで快適に遊べるように最適化されています。

 

料理で借金返済!

本作の主人公は王宮の料理アドバイザーで、王国が抱えた借金を返すために世界樹のマルシェ復興の任に着くところからゲームは始まります。

主人公の性別と容姿は固定

マルシェは借金の担保にされているので、このまま行くと人の手に渡っていまいます。

そうなる前に仲間となる6人の個性的なシェフと協力し、

料理をマルシェで売って稼いで借金を返済しましょう!

というのがゲームの最終目標となっています。

借金返済から始まるのは…この手の経営シミュレーションではすっかりおなじみのパターンですね(笑)

このゲームでお金を稼ぐためにする事はシンプルで…

  • 仕入
  • 開発
  • 販売

この3つの行程を行っていくのですが、それぞれの行程を少し掘り下げてご紹介していきましょう。

1. 材料を仕入れに行く

何はともあれ材料がなければ料理は作れませんので、6人のシェフのうち1人と同行して仕入れに行きます。

キャラによって採れる食材が異なる

面白いのは材料集めは自分達の手で行わず、料理で釣ってスライムたちに集めさせるという事ですね。

スライムが向こうから食材を持ってきてくれる

ワラワラとスライムが食べ物のご褒美欲しさにどんどん食材を持って集まってきます。

操作と言えば、稀に素材を大量に調達できるレアスライムが登場した際に、ボタン連打やタイミング押し程度のボタン操作が求められるくらいで…

プレイヤーはほとんど眺めているだけで終わります。

最初のうちはスライムが可愛いのでそれを眺めていてほっこりしていましたが、

これといってゲーム的な変化もないので1時間もやってると見飽きて、途中からネットを見ながら食材を集めていましたね(笑)

やってる事は滅茶苦茶単調なので 作業感は正直言って強い ですが、「ながらプレイ」であればこれぐらいがちょうどいい塩梅かもしれません。

2. 料理を開発する

食材を手に入れたら、料理アドバイザーとして材料を組み合わせて、レシピ開発を行います。

本作で一番頭を使うのはこのパートで、ゲームのハイライトとも言えますね。

レシピは自分で自由に開発することも可能ですが、CPというポイントを使って食材の組み合わせヒントを見る事ができます。

というか、初見だとほぼヒントを見ないと料理作れません。

なにせこのゲームで作る料理は『ネオ料理』と言って、一般的なセンスでは想像できない料理ばかりですからね(笑)

バナナとチョコを入れたおかゆ(笑)

見ていて「おいおい!こんなもの食えるかw」って突っ込み満載です(笑)

因みにヒントの内容は結構露骨に答えを教えてくれる感じで、ヌルめですね。

それがゲームが進んで料理のグレードが上がっていくとヒントの内容も…

「食物繊維が多い野菜」や「ウサギの大好きなもの」といったように、段々とぼかしたものになっいきます。

そうやって徐々に難しくなって連想クイズ的になって少しずつやりがいが出てくきて…

「お、このゲーム、クイズ要素出てきてようやく頭を使うようになってきたな!」

となるのですが、その頃にはもう既にゲームクリア手前だったのが少し残念ですね。

3. 料理を販売してもらう

開発した料理を実際にシェフに作ってもらい、キッチンカーで販売をしてもらいます。

シェフそれぞれに販売目標という「この料理を〇〇個売ってください」というミッションがあるので、

できるだけそれに合わせてお店に料理を並べていくと効率的にゲームを進行することができますね。

ゲームが進んで行くとマルシェの人気も上がっていってお客さんもどんどん増えていきます。

また、ある程度販売していくとゲージが堪って『フィーバータイム』が起きます。

どんどんお客さんが料理を買い求めるように押し寄せてきて…

食材を切らさないように準備は大事

ジャブジャブとお金が入ってくるのはかなり壮観で気持ちが良いですね!

そして、当然料理が売れる度に食材は減るので

どんどん仕入れて、どんどん作って、どんどん売る!

このサイクルを続けて借金返済のためのお金を貯めていきます。

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心あたたまる物語

本作は上記の通り、深いゲーム性や戦略性などを追いかけず誰でものんびり気軽に遊べるゲームとして作られています。

なので、私の様に普段対戦ゲームなどで闘争を求める人間がゲーム性だけを見ると…

色々物足りない!もっとゲームさせて欲しい!

そんな印象を抱きます。

ただ、「このゲームを買って損したか?」というとそんなことはありません。

何が良かったというと、ストーリーの中で 「仲間との絆」というテーマがブレることなく描かれていている という事です。

このゲームには「仲良し度」というパラメーターがあって、一緒に行動することで仲良くなっていき…

彼らの秘密や知られざる過去を徐々に打ち明けられていきます。

人間関係の構築が丁寧

そうやって主人公と仲間の信頼関係を徐々に構築していく流れとゲームの進行リズムもマッチしていて、

クリア前にはいつの間にか感情移入して「お前ら!皆ずっと仲間だから!」なんて思わず目頭が熱くなることも…(笑)

全体的にほのぼのとした雰囲気の中で、くだらない会話も沢山あったのですが振り返ってみるとそういう何気ない会話とかやり取りも良かったなと思います。

先の読める様な凄くシンプルな話なんですけど…

素直なキャラクター達、素直なストーリーに結構じわっと温まりますね。

なのでこのキャラクター達の雰囲気とかほのぼのした世界観が好きで興味があるという人は結構好きになれるゲームではないかなと思います。

 

最後に

こうして振り返ってみて、スマホ版の圧倒的な高評価に改めて思うのは…

「スマホで無料というのは大きいな!」というのが正直な感想です。

というのはSwitchをはじめとする家庭用のゲーム機で今まで感じてきた遊び応えとかワクワクした体験の記憶とどうしても比較してしまうんですよね。

本作の様な半分放置系のゲームはそれらと比べると、やること考える事が少ないのでかなり刺激が弱い です。

ぼーっと片手間で遊んでると「これ別にSwitchじゃなくていいよね…」なんて思う瞬間も正直多々ありました。

1200円という価格は作り込に対して妥当な値段設定だと思いますが、もうちょっとお金を出せばSwitchにはもっとゴリゴリに遊べるゲームが色々ありますからね。

見た目だけでなく、しっかりと中身も描かれていたキャラクター達や全体的に丁寧に作られた世界観も凄くイイので決して悪いゲームではないんですけどね。

Switchのゲームとして出す以上は もうちょっとゲーム性を持たせても良かったのでは? と思います。

この辺りは「どんな体験をSwitchでしたいか」という個人の考えもあるので、人によって変わってくるとは思います。

のんびり緩くSwitchでゲームを遊びたいという人には割とハマるタイプかもしれませんね。

ゲーム自体は6時間くらいあればクリアできるボリュームですし、誰でもクリアまで行ける幅広い人が遊べるゲームというのは間違いありませんので、ご興味ある方はプレイしてみてはいかがでしょうか。

スマホ版も基本的な部分は一緒なのでそっちで試してみて気に入ったのなら、Switch版を購入するっていうのもオススメですね!

 

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