2018年のNintendo Switchの年末商戦はスマブラSPやポケモン…あるいはマリオパーティなどで大変活況ですが、ダウンロードソフト市場では『ふたりで!にゃんこ大戦争』が12月20日の配信後からスマブラSPを抑えてトップに君臨しておりその存在感を示しています。
実際に本作を私が遊んでみて感じたのは、”誰でも遊べる簡単なルールで老若男女問わず楽しめるゲームでありながら、適度なスリル感と収集欲を満たすゲームデザインでゲーマーな人にもちょっとした息抜きとしてオススメできる…正に万人向け”という印象を持ち、その人気ぶりにも納得の作品です。
元となったスマホ版『にゃんこ大戦争』で4000万DLを達成しただけでなく、3DS版『とびだす!にゃんこ大戦争』は買い切りながら60万本以上の大ヒット作という事もあり既にどんなゲームかご存知の方も多いと思いますが、今回はじめて名前を聞いたという方にもその面白さをしっかりご紹介できればと思います。
にゃんこ大戦争のゲームルールは簡単に言うと、CPUを相手にした対戦型タワーディフェンスのゲームで、基本無料のスマホ版とは異なり課金要素はありません。(その代わり勿論ゲームソフト代999円は必要ですが)
非常にシンプルなゲームですので、ここから実際のゲーム画面を見ながらサクッと一連の流れを紹介させていただきます。
まずゲームを立ち上げるとネコ基地と呼ばれるメニュー画面が立ち上がります。
ここは編成やアイテム管理等を行い、戦闘の準備をする場所です。
一番上の『戦闘開始!!』を選ぶとステージの選択画面が出てきますので、遊びたいステージを選択していきます。
ここで注目していただきたいのは赤枠で括った「統率力」という数字で、統率力は各ステージを遊ぶ度に消費するポイントです。(統率力が足りないとそのステージは遊べません。)
この統率力はいわゆるスマホゲーによくある『スタミナ』みたいなもので、時間経過によってのみ回復します。(スマホゲーの様に課金での回復はなしです)
なので、一気にゲームを連続して遊んで終わらせたいという人は注意が必要です。
なぜ買い切りのゲームでスタミナ性を取り入れているのかは不明ですが、他にもログインボーナスがもらえたりとスマホのゲームデザインが所々残っていますね。
因みにこのゲームはステージクリア型で先に進むとどんどん難しくなっていくのですが、『日本編』『未来編』『宇宙編』『レジェンド』など複数章に分かれており、ステージ数は3DS版よりもボリュームアップをしていますので相当長く遊べます。
では、続いて戦闘画面を見ていきましょう。
左側にあるのが敵のタワーでこれを破壊することでステージクリアとなります。
右側に置かれている砲台は自軍の拠点で、これが壊されるとミッション失敗になります。
なので、お金を払ってキモカワな『にゃんこ』たちを次々と自陣から派遣して攻撃&防衛をしていきます。
当然相手も同様にタワーを守り、こちらの砲台を攻めようと様々な刺客を送り出してきますので、次々とにゃんこたちを送り出しバトルが始まります。
ですが、戦闘はオートなのでプレイヤーはあくまでにゃんこ達を送り出す事だけを考えればOKで押し寄せる敵をなぎ倒してもらい、最終的にタワーを破壊までいけばステージクリアです。
こんな感じで基本的にやることはにゃんこ達を選んで送り出すだけと非常にシンプルなゲームデザインなので、普段ゲームを遊ばない人でもすぐにルールを理解できて遊べる…そんな敷居の低さが本作の大きな特徴ですね。
本作がとてもシンプルなゲームルールだというのはこれまでの説明でご理解いただけたと思いますが、ではこのゲームのどこが一体面白いのか?というところに突っ込んでお話していきます。
先ほど”にゃんこをお金を払って派遣する”と説明をしましたが、このお金の入手方法には以下の二つの入手方法があります。
・時間が経過によって自動で貯まっていく
・敵を倒すことで入手する
画面の右上に所持金のカウンター(所持金/最大所持数)がありますが、眺めているだけでどんどんお金がたまっていきます。
ただ、敵もどんどん進軍してくるのでにゃんこにお金を雇って撃退しなくてはなりません。
にゃんこ達には種類に応じて雇うための金額がそれぞれ設定されていて、強いにゃんこ程やはり雇う金額は高額になりますので、お金が貯まるまでの時間が必要です。
なので、最初はコストの低いにゃんこを送り出し敵の進軍をしのぎながら、貯めたお金で強いにゃんこを送り出し一気に敵をせん滅する…というのが基本的なこのゲームの戦略のセオリーになります。
しかし難しいステージになってくると手ごわい敵たちが進軍してコストの低いにゃんこ達がどんどん弾き飛ばされていきますので、お金を貯めて待つという行為がかなりヒリヒリと焦りを感じさせられます。
▲次々と進軍してくる敵に対抗するにゃんこを送り出さないと砲台が壊されてしまうが、できるだけお金も貯めたいジレンマとの闘い。
今か今かとこちらに進軍してくるのを見守りながらお金が貯まるまで耐えきって強いにゃんこで反撃するか、それとも少し安価なにゃんこを送り出して時間を稼ぎ…あわよくば倒せることを期待するか…決断の選択が押し迫ってくるわけですね。
この感覚はチキンレースと似ていて、『どれだけ我慢できるか』というスリル感の楽しさがこのゲームの面白さの一つだったりします。
▲ステージによっては強力なボスが登場し苛烈な戦いを強いられることも。
ただ、このゲームは強いにゃんこをある程度送り出せれば後はガンガン押せ押せになるので、そこからはかなり爽快感のあるゲームになります。
より強力なにゃんこ達で敵を薙ぎ払い、敵陣をあっという間に潰していく感覚は「ポン!」とシャンパンのコルクをぬくような効果音の連発も相まってかなり気持ちが良いですね。
これはお金を貯める我慢があったからこその解放感です。
グッとこらえて冷や汗をかきながら我慢に我慢をして一気にドカーン!と攻める気持ち良さが癖になってついついプレイを続けてしまう…そんな魅力がこのゲームにはあります。
無限に遊べるなら中毒の様にずっとやり続けそうな気もしますし、スタミナ性が採用されていたのは正解だったかもしれません(笑)
本作では色んな種類のにゃんこが登場しますが、にゃんこの入手の方法は基本的にガチャによって行います。(中には特定のステージをクリアすることで入手できるものもあります)
▲ガチャには複数シリーズがあり、シリーズごとに激レアのにゃんこが存在する。
ガチャはゲーム中に入手できるネコカンやチケットというアイテムを消費して行います。(課金でガチャすることはできません)
なので、欲しいにゃんこをなかなか手に入れられないジレンマはありますが、その分激レアのにゃんこが出たときは嬉しさも倍といったところでしょう。
特定のステージクリアで強いにゃんこが手に入ったり体感的には最高ランクの激レアもかなり出やすくなっていますので、多くの基本無料のスマホゲーの様に”なかなか強いレアキャラが出なくてゲームが進まない”という事はないので安心してください。
にゃんこごとに得意な敵がいたり守りに強いなどそれぞれの個性をもっていますので、にゃんこを集めていくたびに編成の幅、戦略の幅が広がっていくところもこのゲームの楽しみの一つですね。
▲シュールなにゃんこも多数登場し、クスリと笑わせられる。
また、にゃんこ達はステージクリアによって得た経験値を与えることで成長させることが可能で、レベルをどんどん上げていくと進化し、姿を変えて強くなります。
▲中には第3形態まで進化するにゃんこも存在する。
経験値はにゃんこの育成以外にも統率力を上げたり、お金の堪るスピードや上限を上げるなど戦闘をより有利にするため使うこともできます。
それ以外の成長要素としてあるのはステージクリア後に稀に入手できる『お宝』の要素があります。
このお宝はそれぞれのステージに存在していて、複数のお宝を集めることでにゃんこの能力値が上昇したり、お金が貯まるスピードがアップしたり色々な恩恵を受けることができますのでかなり重要な要素ですね。
▲九州地方のお宝を全部集めると発動する等、近くの地域のお宝を集めることが発動条件になっていることが多い。
お宝には金・銀・銅とグレードがありますので、欲しい能力があればお宝を集めるために何度も同じステージを攻略するという事も必要になってきます。
神経質に全部コンプリートする必要はありませんが、かなり強力な成長要素なので途中行き詰った時にお宝を集めるのが良いでしょう。(RPGでいうレベリングみたいな感じですね)
ガチャでキャラクターを入手するという点でどうしても抵抗があるという人はいると思いますが、このゲームのガチャは緩めなのもあって過剰な射幸心の煽りもないので個人的には全然アリですね。
育成方法もレベルアップだけでなくお宝集め等複数ありますし、日々毎日新しいキャラを仲間にしたり、コツコツ育てていくのが好きな人に刺さるゲームではないでしょうか。
本作ではステージをいくつか攻略していると途中にミニゲームにチャレンジすることができます。(感覚的に15分に1回くらい頻度でチャンスが訪れます)
内容は複数あってどれも非常に単純なものですが、故に息抜きとしては最適です。
どんなものがあるかというと…上から落ちてくるにゃんこ達を鉄アレイを避けながらキャッチするミニゲームや…
もぐらたたきをしたりとどこかで見たルールばかりすね。
この他にもミニゲームはありますが内容は本当に単純なものばかりです。
しかし、特典によってレアチケットや経験値が沢山もらえたりするので、これが意外と燃えるんですよね(笑)
自由に何度もプレイできるわけではないので毎回毎回が真剣勝負というのもありますし、本編がひたすら同じことを繰り返すタワーディフェンスなので、こういったミニゲームが挟まることで上手く気分転換として機能しています。
本作を遊ぶ前までは「ミニゲームは余計な要素だなぁ…」と正直私も思っていたのですが、いざやって見ると「ミニゲームを入れようと提案した人は特別ボーナス貰ってもいい」と思いましたね(笑)
本作はNintendo Switch独自要素としてスマホや3DS版にはなかった二人同時プレイが可能です。
おすそ分けで二人肩を並べて一人モードと同じステージが遊べるのですが、意外なことにステージの難易度バランスは一人モードと同じだったりします(笑)
お金も共有じゃなくそれぞれで貯まっていくので、一人の時よりも倍の効率でにゃんこを送り出せるという事で…チートモードと言っても良いかもしれません。
これに関しては賛否が分かれるかもしれませんが、一人では難しいステージを二人で遊んでクリアを目指すというのであれば必ずしも簡単すぎるというわけではありませんので、要は使いどころですね。
一人で普通にクリアできるところだとかなりヌルい難易度になるので、敢えて一人で二つのコントローラーを使ってサクサク遊ぶというのもアリと言えばアリですしね。(それが面白いかどうかは別として)
本作はスマホ版をベースにしているという事もあってスマホのゲームらしい部分(ガチャやスタミナなど)は残っていますが、コツコツ毎日遊べるゲーム性はSwitchの携帯モードとかなり相性が良く長く遊べることは間違いないですね。
Switchの独自要素であるおすそ分けプレイによる二人モードやミニゲームなども適度に緩くて、全体的に色んな部分で敷居の低いゲームなっていますので老若男女問わずオススメできるゲームとなっています。
なによりキモカワイイキャラクターたちが多数登場し、敵を吹き飛ばしていく姿に妙なカタルシスや爽快感を感じさせれ結構スカッ!とするところが良いですね。
スマブラSPやスプラ2等対戦ゲームを普段遊んでいる人には負けてイライラしたときの気分転換ゲームとしても一押しです(笑)