NIntendo Switch/Steamにて配信中のローグライクRPG『Tangledeep』(タングルディープ)のファイ―ストインプレッション(平たく言うと数時間かじってみた感想)を述べていきます。
ローグライクのゲームは何度もリトライしてあそびつづけることでみえてくる部分もありますので、当記事とは別にじっくりとプレイ時間をかけて改めて本レビューを投稿したいと思っておりますが、今回は最初の5時間程度のプレイで分かったゲームのシステムやゲームの印象について語っていきたいと思います。
本作は緑豊かな地下世界を拠点にし、『Tangledeep』という名のダンジョンを1F、2F…と登っていきまだ見ぬ地上を目指すローグライク型RPGです。
ダンジョンはプレイの度に形を変えるだけでなく、敵の配置や入手できるアイテムが異なるため、普通のRPGよりもプレイヤーの判断力や運が試されますね。
しかし、マス目状になっているダンジョンでは自分が一つ行動すれば敵も一つ行動するというターン性になっており、一手一手をじっくり考えながら遊べるので焦る必要はありません。
▲マス目状のフロアは基本的に開けたマップのつくりをしている。
リスクを考えながら的確な一手を打って次の階層を目指していくことが重要なゲームとなっています。
『風来の試練シリーズ』や『ドラゴンファング』等のローグライクRPGを遊んだ方なら、それらとベースは同じものだと考えて頂ければOKです。
ですので他のローグライクRPGを遊んだ上で「何か他のローグライクやりたいな」という人が本作を手にしても大きく期待を裏切るという事はないと思います。
逆に言うと、他のローグライクを遊んで全く合わなかったという人は本作も合わない可能性は高そうではありますが…
それはこれからご紹介する本作ならではの特徴を見た上でご判断いただければと思います。
本作のユニークな点を挙げていくとまず最初に思い浮かぶのは、キャラクターに職業(作中ではジョブ)の選択があるという事です。
▲ジョブというネーミングや効果音、ウィンドウが妙にSFC時代のFFっぽい。
ローグライクというと無個性なキャラクターにアイテムを装備させたり、魔法の巻物などを拾う事で行動のバリエーションを増やしていくものが多いですが、本作は職業ごとに決まったスキルや特徴的な能力を持っています。
これは結構珍しい感じがしますね。
例えば「義賊」という職業であれば、煙幕を使って周り一帯の敵の攻撃命中率を下げたり、敵を踏み台にして逃げる等…
いかにも義賊っぽい策略的なジョブスキルを覚える事ができます。
▲貯めたジョブポイント(JP)を使って新しいスキルを覚えていく。特定のスキルを覚える事で新しいスキルに目覚めることも。
職業は全部で12種類あって、魔法が使えるものや獣を召喚できるもの、近接攻撃が得意なものとその特徴にも被りがありません。
最初に9つの職業の中から好きなものを一つ選ぶことになりますが、拠点でお金を払えば何度でも転職できますので、色々な職業を試しながら自分に合った職業を探すこともできます。
職業によってはある程度使い勝手があるのですが、その辺りも選択時に「かんたん」「ふつう」「難しい」と難易度が表示されていますね。
最初は簡単な職業から始めて慣れてきたら難しい職業に転職してダンジョンに挑むということもできます。
私個人的にこういった職業やロールみたいなのを活かして攻略するのは凄く好きなので、これだけでも結構ポイントが高いゲームですね!
本作では他のローグライク同様に宝箱や敵からアイテムを入手する事ができます。
その中身は武器や防具など能力のベースアップをするものや回復アイテム…あるいはお金ですね。
しかし、他のローグライクRPGにあるような部屋全体を攻撃する巻物や相手を混乱させる杖の様なアイテムは見当たりません。
そういった攻撃や特殊効果のアイテムがない分「武器防具で能力を高めつつ、それぞれのジョブスキルを上手く使ってどう立ち回るか」というのが、このゲームの攻略のキモになっていますね。
ジョブスキルは使用後一定のターンで回復するクールダウン型になります。
ものによってはスタミナやエナジーというポイントがないと使えないものもあるので、適当にジャブジャブ使ってるといざという時に使えないのでリソース管理も重要です。
▲敵を倒すことで入手できるスタミナ(緑)とエナジー(青)。これをリソースにしてスキルを使うことができる。
また、武器防具の性能はランダムで、レア度が高いものには特殊な効果が付いていたりします。
ですので、単純にステータスの能力値を追いかけるだけだけでなく、どんな特殊効果を持った装備で身を固めていくかも敵と戦う上では重要なポイントなります。
これらの戦闘を構成するシステムを折見るに、本作はローグライクRPGのベースにしたゲームではありますが、かなりハック&スラッシュ的な匂いもしますね。
▲ランダムで武器防具に特殊能力が付与されているものも手に入る。この防具は酸の池を生成するという変わった特殊能力が付いている。
強い装備をゲットしてキャラクターをビルドして、クールタイムを管理しながらスキルをぶん回すという流れは寧ろ既存のローグライクRPGよりも『Diablo3』などハクスラ系のゲームの影響が色濃く出ている感じがしますね。
ただでさえローグライクRPGというジャンルは何度も遊べる作りをしているのに、ハクスラ要素まで組み込んだら一体どこまで遊びこめるんだと…(笑)
職業ごとに難易度選択があるお話をしましたが、本作ではそれ以外にも以下の3つのゲームモードによる難易度選択が可能です。
・敵に倒されると全てをロストしてしまうスタンダードなモード
・初心者向けに所持金などが半分になるなどちょっとしたペナルティだけで済むモード
・拠点の拡張なども含めすべてがリセットされてしまう激辛モード
ローグライクはペナルティがきついから続かないという人も、ローグライクの一手のミスでロストしてしまうかもしれないスリルを味わいたい人も共存できるようになっているのは素晴らしいですね!
ローグライクのゲームって基本的にこのどちらかに振ることが多いと思うんですよね。
例えば『チョコボの不思議のダンジョン』や『ポケモン不思議のダンジョン』等はゲームオーバーになってもレベル等がロストされないから初心者には遊びやすいのですが、濃いローグライク体験を求めてる人には物足りない…。
逆に、『風来のシレン』や『ドラゴンファング』みたいな丸っとリセットされてしまうゲームはちょっと遊んでみようという初心者の人を谷底に突き落として這い上がれなくしてしまう可能性もある…。
じゃあその両方を選べるようにしましょうという風にしたローグライクは意外となく、本作の幅広いユーザーをフォローしようという姿勢は素晴らしいですね。
それと空腹度の概念がないので気兼ねなくダンジョンを歩き回れますし、いつでも拠点にワープして戻れることができるのも遊びやすくていい感じです。
本作にはダンジョンを上へ上へと進んで行く迷宮探索だけでなく、ちょっとした寄り道要素が転がっています。
・拠点でおばあさんからサブクエストを受ける
・ダンジョンで捕まえたモンスターを牧場で飼い、ダンジョンに同行させるだけでなく配合をする
・お金をを貯めて武器固有技を習得する
ゲームクリアに必須ではないけれど、利用するとゲームが有利になるようなやり込みコンテンツが用意されているのはやっぱり遊んでいて嬉しいものですね。
▲ゲームを進めると拠点となる村がどんどん拡張されて施設や寄り道要素が充実していく。
普通に遊ぶだけでも相当やり込めそうなのに寄り道要素まで…。
このゲーム…一体どれだけやりこませれば気が済むのでしょうか(笑)
プレイをしていて一番気になるのはSwitchの携帯モードだと全体的に画面が見づらいというところですね。
16bit風のドットの書き込みが細かいのもそうですが、文字が2~3mmくらいでもの凄く小さく細々しているので、携帯モードでプレイすると結構目が疲れます。
UIも全体的に分かりにくく、操作も独特な部分が所々に見られるので最初は色々戸惑う部分も多いです。
例えば、移動操作がかなり独特で、スティックを傾けて方向指示をしたうえでAボタンを押すと1マス移動するという操作を採用しています。
あとはメニュー画面が細々してちょっと扱いにくいとか…
そういう快適性に関わる部分に癖があって慣れるまでは割と戸惑いますね。
任天堂のゲームみたいに触った瞬間からサクサク遊べるゲームに慣れてると、ナニコレ⁈って戸惑う人も多そうです。
それと最後に…これはあくまでおまけ的な部分ですが、携帯モードの利点として使える液晶画面のタッチ操作にも不満が残ります。
Switch版は液晶パネルをタッチする事で移動したり、遠距離にいる敵を触って弓で攻撃できたりすることもできるのですがこれが中途半端なんですよね。
スキルやアイテムの使用など液晶パネルでは操作できないものも沢山あって、結局液晶タッチだけでは完結しないのでボタン操作オンリーに走っちゃいますね。
ローグライクにハクスラを上手に混ぜた上に、職業やモード、サブコンテンツもしっかり盛り込んだゲームなので充実度はかなり高いゲームという印象を感じさせます。
インディーズ系にありがちな「面白いけど難しくてゲーム初心者にはお勧めできない敷居の高さ」みたいなものはないように配慮をしつつも、しっかり骨太に遊べるようにもなっている…そういうビギナー層コア層両方の事を考えているところにも好感が持てます。
今後プレイをしていく過程で、難易度バランスの調整具合や理不尽な敵等が出てきてストレスを感じたりすることがあるのかないのかで評価の上下はありそうですが…
今のところ触った感じでは私の遊んできたローグライク系の中では上位TOP3になりそうな勢いで食い込んでくる良作です。
画面が見づらいとか操作にちょっと癖があるとか気になる部分はありますが、その辺りを除けば最終的にはかなり高評価になるという感じが今のところしていますね。
この辺りはまたしっかりプレイした後に本レビューとして報告させて頂きたいと考えておりますのでよろしくお願いします。