Switch版『Dead Cells』(デッドセルズ)レビュー・感想 ~なぜここまで面白い?止まらない中毒性~

今回ご紹介する『Dead Cells』は「ローグヴァニア」というジャンルを謳っている作品で、毎回ステージ構成や手に入れるアイテムが変わる「ローグライク」と枝分かれしたダンジョンを探索して踏破する「メトロイドヴァニア」※を混合したようなゲームです。

※探索要素の強い2Dアクションのジャンルの総称で、それらの代表作である「メトロイド」と「キャッスルヴァニア」(邦題:悪魔城ドラキュラ)のようなゲームとして「メトロイドヴァニア」と呼ばれている。

難易度も高めで老脈男女をフォローするような万人向けではないですが、中毒性の非常に高いゲーム性はゲーム好きな人の心を捉えて離さない様な強烈な魅力を持った超オススメ作品です(個人的には今年発売のゲームではトップクラスに面白いゲームです)。

本作がどんなゲームなのか、どういったところが魅力的なのかこれからじっくりと語っていきますのでどうぞ最後までお付き合いください。

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シリアスな世界観を陽気な主人公が突き進むゲーム

先ずは最初に軽く主人公からご紹介します。

本作の主人公は死者の身体を乗っ取る細胞で、敵に倒されるたびにまた新たな身体へと乗り移りゴールを目指すという設定です。

色んな人間の身体にとりつくという設定からその都度能力値の違う身体になったり、違う場所からスタートするのを私は想像していたのですが実際にはそうではなく、毎回同じ場所から同じ能力、同じ忍者の様な格好をしてゲームをスタートことになります。

▲倒される度いつもここで身体にとりついてからスタート。能力見た目は毎回一緒。

設定から見るとなかなかなダークな内容ではありますが、この主人公は陽気な性格をしていて重々しさというよりもユニークな雰囲気を醸し出しています。

無声映画のようにジェスチャー激しく「俺に任せろ!」と親指を立てるしぐさ等彼の行動はゲームの雰囲気とのギャップがあって見ていて楽しくなりますね。

 

絶妙なバランスで融合された「ローグライク」x「メトロイドヴァニア」

冒頭で述べました通り本作は「ローグライク」と「メトロイドヴァニア」を掛け合わせたゲームです。

「ローグライク」はゲームオーバーの度にステージの形が変化し、アイテムや敵の種類や配置もランダムというという気まぐれで一期一会なゲームです。

▲Switchにも「ローグライク」のゲームが多数配信されており、人気も高い。当サイトでも上記三作品のレビューを掲載。

「ローグライク」には敵に倒されてしまうとアイテムやお金どころかこれまで得たキャラクターの経験値迄失ってしまうものも多く、緊張感あるゲーム性にもとても人気があります。

 

それ対し「メトロイドヴァニア」は緻密に設計されたステージやアイテム配置が用意されており、それをプレイヤーが探索して紐解いていく事に面白さを感じるゲームが多いですね。

▲Switchに配信されている「メトロイドヴァニア」は総じて質が高く今年は特に『Hollow Knight』の出来が素晴らしい。当ブログでも上記3作品のレビューを掲載。

新たな能力やアイテムを手に入れることで前は通れなかった場所が行けるようになり行動範囲が広がっていく楽しさは「メトロイドヴァニア」ならではです。

 

でも実はこの二つのジャンルは正直言って なんですよね。

それぞれのジャンルとその内容を比較した表にしてみるとそれがよくわかります。

ランダム要素を緊張感や偶発性として上手く利用した前者と緻密に練りに練ったデザインを売りにした後者、この二つの相反する特徴を持ったジャンルですが…

 

「完 全 融 合!!」

本作は見事に混ぜ合わせています!

 

例えばステージの構成にしても、基本的には「ローグライク」のように自動生成でゲームオーバーになるたびに毎回その姿形を変えますが…

その中でも無条件で行けるルートと「メトロイドヴァニア」のようにキーとなるアイテムや能力を使って進められるルートが生成されるようになっています。

▲同じステージ内で無条件で行けるコースもあれば…

▲特定の能力を身につける事で初めて行けるようになる分岐ルートも生成される

 

イメージを図にするとこんな感じです↓。

因みに、このゲームは基本的な武器や装備類はゲームオーバーの度にロストするのですが、「分岐ルートを進めるためのキーとなる能力」は失いません。

ですので何度もゲームオーバーを繰り返しゲームを進めていく中で、行ける分岐ルートがどんどん増えていき「メトロイドヴァニア」のゲームが持つような探索範囲の拡張の楽しさも味わうことができるのです。

▲分岐するステージは多種多様。繰り返し遊ぶゲームスタイルにありがちなマンネリ化を感じさせない工夫としても成功している。

分岐先によってそれぞれの敵や罠等傾向が異なりますので自分が得意なルートを選んで攻略したり、逆に訪れていない分岐先のステージでキーになりそうなものが見つからないか探して見るのも楽しいですね。

本作はこのように「ローグライク」の偶発性の楽しさや毎回ステージの形が変わる新鮮さを残しながらも「メトロイドヴァニア」の探索の広がりの楽しさを共存させることに成功し、「ローグヴァニア」という両者の良いとこ取りなゲームとして完成させているのです。

…素晴らしい!

 

一期一会なアイテム入手はプレイを続ける度に豊かになる

「ローグヴァニア」の良いとこ取りはステージの構成だけではありません。

アイテムの入手や成長要素もその絶妙なブレンド具合で良いとこ取りです。

 

本作はXボタン・Yボタンにそれぞれメインである武器を、ZLボタン・ZRボタンにサブ武器を装備できます(これらは全てオプションでボタン配置をカスタマイズもできます)。

▲メイン・サブ以外にLボタンに回復が割り当てされている。それらの上にあるアイコンはステージ間に現れる人物に付与してもらえったスキルを表記している。

メイン武器は何度も連発できる通常攻撃用で、サブ武器の方は罠を仕掛けたり爆弾を投げる等特殊な攻撃を行いますが使用後に一定のリロード時間が必要で連発ができないという違いがあります。

これらは初期装備以外はランダムでステージ落ちているものを拾ったり宝箱の中から入手したり、お金を払って購入もできますが、やはり…敵に倒されてしまうと全部失ってしまいます

▲宝箱には大方アイテムが入っているが…稀に迷惑なものが入っている可能性も…。

これは正に「ローグライク」の特徴ですね。

 

因みに、それぞれのアイテムにはメインの性能以外にランダムで付いてくる特殊効果があります。

▲緑の字で書かれているのがランダムで付与される特殊効果。気に入らなければとある場所で他の効果と付け替えることもできる(自分で好きなものを選べはしないが)。

例えば同じ名前の弓でも矢を射ると地面に火柱が立つものや、倒した敵に毒をまき散らさせる等ユニークな特徴があったりするので毎回戦略が変わってきます。

この辺りは「ローグライク」や「メトロイドヴァニア」というよりも『Diabloシリーズ』の様な「ハック&スラッシュ」のゲームからの影響が垣間見えますね。

▲一時期Switch版の発売が噂になった「Diablo3」。ランダム性能のアイテムを集めてキャラクタービルドする中毒性から世界中に根強いファンがいるシリーズ。

もう次はいつ会えるかどうかわからない一期一会なアイテムとの出会いが好きな人にはたまらないゲームです。

 

さらに本作ではステージ中で「アイテムの図面」を入手する事が出来ます。

初めは数種類しか出現しないアイテムも図面を入手してアンロックしていく事でどんどんステージ中に登場する種類が増えていくので何度もプレイしたくなりますし、より良いアイテムをアンロックする事で前よりも攻略しやすなります。

▲豊富に存在するアイテムは図面を拾うだけでは使えない。ルーンというポイントを使ってアンロックをしていく

ただしこの図面はステージ間に居るある人物に渡して初めて登録がされるもので、その途中に敵に倒されると地図をロストしてしまいます。

特に「奇跡の○○」というレアな図面を拾った時は敵に倒されないように冷や冷やのスリルが味わえます(笑)

中にはネタ武器とも言える変なものや癖の強いものもありますが、アンロックした武器もステージ中での出現は全てランダムなのでたまには使いどころの難しい武器を使わざるを得ない時もあります。

しかし、意外と使ってみると強かったり他のアイテムとの相性が上手くハマったり等新たな発見があるのも本作の面白い部分ところですね。

どんどんアイテムをアンロックして色々と試したくなる仕様はゲームへのモチベーションを高く維持させ、このおかげで中毒性もかなり高くなっています。

この手のアンロックにハマる人は時間泥棒の被害にあうのでご注意ください(笑)

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滑らかな操作性はストレスが少なく延々と触りたくなる

「メトロイドヴァニア」の良作にある共通点として挙げられる部分として…キャラクターの操作性の気持ちよさ…というものがあります。

例えば代表格の「メトロイド」で言うと主人公サムスは作品によってばらつきがあるものの総じて同じ任天堂のキャラクターである「マリオ」や「リンク」よりも運動神経も良く、俊敏にチューニングされています。

▲任天堂のアクションゲームの主人公は皆超人的運動神経だがサムスは特に突出している(但しカービィには及ばないが)。

これは「メトロイド」というゲームが『マリオ』や『ゼルダ』以上に上に登ったり下に下りたりとステージを何度も行き来する事や、その二作品よりも攻撃的な敵とのバランスを考えた結果なのではないかと私は考えています。

 

本作もそれは同様で操作のなだらかさや操作感の気持ちよさにはかなり気を使って作られており、この手のゲームの中でもトップクラスに操作性が良いです

百聞は一見に如かず、実際に動画を見て頂きましょう!

これはゲームを開始して2時間くらいにキャプチャーした動画ですが、シンプルな操作性でアクションゲームを遊んでいる人ならすぐに慣れて軽快な動きができるようになります(もっと上手い人が操作したら凄い動きをしそうですね)。

ゲームの最初から二段ジャンプが可能で、Aボタンの回避行動は滑るようなローリングでなだらかに前後の動作と繋がり、機動力もかなり高いです。

腰ぐらいの高さの段差ならジャンプしなくてもそのまま方向キーを入力していればそのままスルっと自動で登ってくれて非常に楽ですね。(これは他のゲームでも是非採用していただきたい!)

また、ジャンプ中に↓Bボタンで繰り出す急降下して地面を叩きつけるアクションはとても重要で、敵に当たればピヨらせることもできます。

▲急降下で叩きつけられた敵は頭上に星マークが現れ少しの時間行動不能になる。これを上手く使えるとかなり気持ちいい。

そしてなにより敵と接触してもダメージを受けずすり抜けてくれるお陰で遠慮なく敵中に思い切って突っ込んでいけますので、慣れてくると非常に疾走感のあるプレイを楽しむことができます。

中毒性のあるシステムにこの気持ちの良い操作感は非常に相性が良く、止め時を失うのを助長させているのは間違いありません。

 

高難易度のためじっくりと遊び続ける根気は必要

ゲームの進め方というのは人それぞれに個人差があると思いますが、「ローグライク」や「メトロイドヴァニア」のゲームは比較的難しいゲームが多いため、じっくりと進めるスタイルの方が多いのではないでしょうか。

本作も何度もゲームオーバーにさせられる「死にゲー」の様な難易度で中々苦労が絶えないゲームです。

特に感じるのはボスの強さで、理不尽ではありませんがかなり強いチューニングがされている為やすやすと進めさせてはくれません。

▲ボス戦は『ロックマン』の様に小部屋で戦うガチ勝負。相手の攻撃を見極めるのもそうだが持っているアイテムもかなり重要。

回復アイテムの所持数を増やすなどで段々と攻略を楽にする要素はありますが、結局のところ能力やアイテムについては毎回リセットされるためプレイスキルと運の良さもかなり重要なゲームなのは変わりありません。

ですので正直アクションゲームが苦手な人は少し辛めで投げてしまう人もいるのかもしれないな…と思う節もあります。

ゲームデザイン的にも一気にクリアを目指すというよりも他のゲームと並行して遊び続けたり気長にアイテムをアンロックし続けてそのうちクリアする位の構えで挑むのを想定して作られている印象ですね。

 

スピードランの遊びも許容する懐の深さ

本作は面白い事にローディング中に「焦らずゆっくり進めると事が大事」とプレイヤーに提唱している一方で、スピードランの遊びもちゃっかり盛り込ませています。

例えばステージ中には制限時間を設けた扉が出現し、時間内にたどり着かなければ扉は閉ざされます。

扉の奥にはより多くのお金など報酬がしっかり用意されていますのでそれを目当てに急いでステージを駆け回るというのも一つの遊び方として楽しめるようになっています。

▲急いで来た甲斐あってザクザク報酬がゲットできる。

 

また、ある特定の条件をクリアすると「デイリーチャレンジ」というモードが解放されタイム&スコアアタックを遊べる様になります。

こちらはステージは毎日日替わりで入れ替わるステージを制限時間内に攻略するというモードで構造やアイテム、敵の種類や配置などは固定です。

▲左上の制限時間内にクリアを目指す。

▲時間を過ぎればチャレンジ失敗。エンドコンテンツ的なものなのでメインモードよりも難しい。

ノーペナルティで何度も挑めますのでアイテムや敵の配置を覚えていかに効率よく進められるか考えたり、スコアを他のプレイヤーとオンラインランキングで競いあうなど本編とはまた違った遊び方ができるモードですね。

前述したように本作は操作性が気持ちいいゲームなのでこういったスピードラン的な遊びとも相性が良くかなり楽しいです。

じっくり遊んでも楽しいし、急いで遊んでも楽しい…この両方を満足させるような懐の深さも中々珍しいですよね。

 

敢えて苦言を呈するとすれば…

本作に苦言を呈する部分があるとしたら、たまにコマ飛びする現象が起きる等のバグが見られるところとアクションゲームが苦手な人への救済措置が不足しているという事でしょうか。

前者は早めに開発者の方には対応していただきたいですが、後者についてはこの様なコアなゲームにアクションが苦手な人が手を出すケースは少ないと思うので大丈夫そうですね。

 

Dead Cells の総評

本作は「ローグライク」と「メトロイドヴァニア」というどちらも尖ったジャンルを上手く融合させた「ローグヴァニア」として見事な出来です。

難易度は高めですが、操作感が非常に気持ちよく何度もトライしたくなるような発見やチャレンジがプレイの度に現れて止め時を失う恐ろしい魔力を秘めたゲームなので、好きな人は本当に延々と遊べてしまいそうですね。

進行スピードは遅めで何度も何度も繰り返すゲームなのでその辺りをどう受け止めるかでその人の評価も変わってくるところもあるかと思いますが、「ローグヴァニア」というキーワードにピンと来て興味を持たれた方にはかなりオススメです。

価格は2500円弱とややDL専用タイトルにしては高めではありますが、プレイした感想としては値段以上の楽しさに大満足!

現段階では個人的な今年のインディーズゲームオブザイヤーはこの作品に決まりそうです。


『Dead Cells』任天堂公式サイト


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