「ネコ」+「メトロイド1」=「ネコロイド」
このワードに惹かれて当ページを開いたのなら、あなたは『Gato Roboto(ガト ロボット)』でハッピーになれる素質があります。
任天堂のゲームの中でも、際立ってシリアスな『メトロイド』をオマージュした作品でありながら、なぜか猫がパワードスーツに乗り込んで戦うというシュールな設定。
そんなコメディタッチで愉快な世界観もそうですが、
駆け抜けるようにサクサク快適で、気持ち良いプレイフィーリング!
という個性で、メトロイドともちゃんと差別化を持たせた作品でもあります。
本日はそんなネコロイドな本作のどんな所が面白いのか、気になるポイントはどんな所なのかを語っていきましょう。
価格:820円
メーカー:Devolver Digital
ジャンル:アクションアドベンチャー
プレイ人数:1人
オンライン:なし
流血表現:なし
メトロイドのパクリかと思えば意外と独自性を持っていて驚き。そしてネコが兎に角可愛い!ゲームもサクサク進むし、探索アクション入門したい人やコアなゲームに疲れた人に良さそう。ボリュームは少ないけど、テンポよく終わるゲームとして完成されている感あり!
ネコが活躍するコメディ版メトロイド
これが本作の主人公『キキ』です。
ドット絵の猫…可愛いですね!
このゲームはドット絵で描かれる猫のキキが主役の、2D探索アクションゲームです。
キキは宇宙船の船長と共に、とある惑星へとたどり着くのですが、不時着の際に船長が怪我をしてしまいます。
そこで、キキは船長を助けようと惑星を探索するのですが、惑星では様々な危険生物の脅威や厳しい環境が待ち構えています。
当然猫であるキキはそれらに抗うこともできず、ただ逃げ回るのみ。
しかし、惑星の研究所らしき場所で出会った、パワードスーツによって状況は一転します。
キキは非常に賢い猫で、パワードスーツに乗り込んで操作ができます。
主人を救うためパワードスーツをまとい、ビームやミサイルを武器にして戦う。
ネコ戦士キキとしての戦いの火ぶたは、こうして切って落とされたのです。
物語はこん感じでスタートするのですが…まぁなんとも、絵面が実にシュールですよね。
可愛い猫が無表情でミサイルぶっ放して、危険生物を倒す様は何とも言えないカタルシスを感じさせます(笑)
因みに、冒頭で触れた本作の元ネタとなっている『メトロイド』。
こちらはサムス・アランという女性が、銀河を脅かす脅威と戦うために惑星を探索するシリアスなストーリーが描かれています。
惑星を一人で探索するところや、パワードスーツの腕から発射するビームで戦う様を見れば、明らかに本作がメトロイドをオマージュしているという事がお分かりいただけるかと思います。
また、2Dのマップを探索していく中でどんどんパワードスーツをパワーアップさせていき、行ける場所が広がって行くというのも類似している点ですね。
二段ジャンプで高い場所に進めるようになったり、ミサイルで岩を吹き飛ばしたり、メトロイドのネタがこういった所にもふんだんに取り入れられています。
メトロイドのゲームスタイルを取り入れたゲームを俗に『メトロイドヴァニア』と呼びますが、本作もそこに属するゲームである事は間違いありません。
スナック感覚で遊べる
メトロイドヴァニアのじっくりジワジワと探索範囲を広げて行くゲーム性が好きだという方は多く、特にインディーズでは人気のジャンルです。
ここ1年くらいの作品だと、『Hollow Knigt(ホロウナイト)』は多くのゲーマーも賞賛した素晴らしい作品でしたね。
しかし、こういったメトロイドヴァニアのゲームには、遊び応えや達成感がある反面、時として重たく感じる所があります。
その重さを感じさせる最たる理由としてあるのが、複雑なマップデザインです。
こんな風に複雑なドかいマップの中を、何度も行き来して遊ぶ。
ここに心ときめく人がいる一方で、うんざりしてしまう人もいると思います。
私もたまに1作遊ぶなら十分楽しめる口ですが、連続してガッツリとメトロイドヴァニアを遊ぶのは正直言ってキツイですね(苦笑)
しかし、その点本作は メトロイドヴァニアにしては異様な軽さを感じます。
兎に角テンポよくゲームが進みますし、ボリュームもコンパクト。
サクっとメトロイドヴァニア的なゲームをやりたい人にはピッタリです!
私も本作をプレイしたのが、丁度重たいシングルゲームに疲れていたタイミングでしたので、このゲームの軽さはホント良かったです。
マップも分かりやすく、サクサクと楽しめるスナック感覚のメトロイドヴァニアです。
ゲームが数時間でクリアできるというのは、人によって不評を買うかもしれません。
しかし、本作は1000円もしないロープライス!
私個人的には、価格的にも妥当という事で納得できます。
ゲームに時間がさけないという人にとっては、ある意味優しいゲームではないでしょうか。
また、メトロイドヴァニアのゲームを始めてみたいという人にも、手軽に遊べる本作をオススメしたいですね!
視認性が良くない
本作を遊んでいて一つ気になったのが、白黒のモノトーン特有の見づらさです。
「このゲームボーイ風の雰囲気が良いんだよ」という意見もあると思いますが、敵や背景、自分の攻撃の区別がつきにくいんですよね。
ミサイルの爆風や破片で画面が見づらくて、敵に接触してしまうという事も珍しくないので、慣れるまで若干ストレスです。
同じくモノトーン系の『Downwell(ダウンウェル)』みたいにアクセントで、攻撃には色付けするといった配色はした方が良かったのではないかなと思いますね。
乗り降りによって飽きさせない
キキはバトルスーツにいつでも乗り降りが可能です。
キキの生身状態であれば細い通路を通れますし、俊敏に垂直に立った壁を登ることもできます。
更には水中の泳ぎも!
猫は水が苦手な動物のはずですが、キキは色んな事が出来てしまいます。
そして、バトルスーツ同様に潜水艇に乗ることもできます。
ホント有能すぎる猫(笑)
乗り物の乗り降りして探索するところは『メトロイド』というよりも、『ブラスターマスター』からの影響を感じさせますね。
乗り物によって、プレイ感覚に変化を与えてくれるというのは個人的にはグッドです。
キキの生身状態、バトルスーツ、潜水艇…どれも触っている感覚やできる事が違います。
操作しててマンネリ感を感じにくくさせる工夫ですね。
そして、このゲームのテンポの良さと、適度にバトルスーツを乗り降りするアクセントが上手くあっていると思います。
どこで乗り降りするかもわかりやすく作っていますし、めんどくさいという感じも一切ありません。
ボリュームやモノトーンの見た目は人によって賛否分かれる部分ですが、この点に関しては恐らく多数の人が、ポジティブに評価するポイントではないでしょうか。
まとめ
可愛くもシュールにまとめ上げた世界観や、サクサクと遊べる軽さはオマージュ元のメトロイドからしっかりと差別化ができた作品。
メトロイドを知っている人ならクスッとできるところもありますし、オマージュ作品としては十分成功していると思います。
ボリュームが少ない事については軽くて良いと思うのか、物足りないと思うかはその人の価値観によって大きく変わる部分かもしれません。
個人的には、このロープライス帯にしてはゲームも全体的にまとまっていて良くできていますし、コスパ的にも良い作品だと思いますね。
メトロイドヴァニアにはちょっと食傷気味だけど軽いものならやってみたい、メトロイドヴァニアをこれから初めてやろうとゲームを探している…
ネコロイドはそんな人にオススメしたくなるゲームですね。