クソゲーメーカーをぶっ壊す!
みなさんこんにちは。
クソゲーからSwitchユーザーの皆さんを守る党代表のにぃど(@switch_for)です。
※そんな党はありません。
2019年8月22日に発売を控える『鬼ノ哭ク邦(おにのなくくに)』。
SNSでは体験版を遊んだ人の感想の声が出ていますが、結構賛否が分かれていますね。
世界観が好き、死生観が面白いなど、ポジティブな意見もありますが、割と辛辣な批判意見が目立っています。
私も少し気になっていたゲームなので、体験版を実際にプレイしてみたのですが、「これは賛否分かれるのも仕方ないな…」と言う印象を持っています。
クソゲーと言えるほど悪いゲームではないけど、叩かれるだけの理由は十分あるなと。
そこで今回の記事では「なぜ本作が低評価を下されるのか?」という問いに対して、私なりに感じた4つの理由についてお話していきます。
ジャンル:アクションRPG
プレイ人数:1人
オンライン:なし
流血表現:なし
あの頃のRPGと言う免罪符
「あの頃のRPGを取り戻す」
これは、本作の開発元であるTokyo RPG Factory(以下、TRF)を、スクエア・エニックスが設立したときに掲げたテーマです。
「あの頃のRPGを取り戻す」という言葉の意味とは何なのか。
それはきっと「かつてスクウェアが作っていたような輝きのあるRPGを現代に蘇らせよう」という意味なんだろうと、私はこれまで考えていたんですよね。
しかし、それは間違っていたと、本作をプレイして改めて確信しました。
開発者の方達の意図は分かりませんが、結果的にTRFの作るゲームのコンセプトは
「そこそこコストを抑えて作るのに都合が良い、あの頃のRPGを模倣したゲームを作ろう」
というものになってしまっています。
なんとなくTRFの1作目『いけにえと雪のセツナ』や2作目『ロストスフィア』を遊んでいて、薄々それは感じていたんですけど…。
この3作目となる本作の体験版でトドメを刺した感じですね。
え?気付くの遅いって?それは失礼しました(苦笑)。
奇しくも「昔のRPGの輝きを現代に」という同様のコンセプトの『オクトパストラベラー』というゲームがスクエニから昨年発売されています。
製作したのはかつて『ブレイブリーデフォルト』や『光の4戦士~ファイナルファンタジー外伝~』を作ったスクエニの浅野プロデューサー率いるチームです。
このゲームは、スーパーファミコン時代に人気があったドット絵のコマンドRPGをベースにして、懐かしさを全面的に出しているんですよね。
しかし、その一方で私達現代人が「こんなの初めて」という要素も大々的に取り入れています。
HD2Dというドット絵に現代的なグラフィック表現を加えた、今まで見たことがない映像。
『ブレイク』『ブレイブ』というリソース管理の面白さを際立たせたオリジナリティのある戦闘システム。
ただ過去の模倣をするだけでなく、しっかりと『温故知新』のゲームとして作ったわけですよ。
きっと『あの頃のRPG』にも、当時基準でこのような「見たことがない奇麗な映像」や「新しいバトルシステムの新鮮さ」などの感動や喜びがあったはずです。
『オクトパストラベラー』を作った人たちはそれが分かっていて、ゲームにもしっかりとそれを盛り込んだ。
その結果「昔のスクウェアのRPGの輝きを思い出させるゲーム」と評価されて、ビジネスとしても成功できたのだと思います。
しかし、残念ながら本作を含め、TRFの作るゲームにはそのどちらもありません。
映像はライティングやテクスチャ、ポリゴン数を減らせば、前世代の携帯機3DSやVITAでも余裕で動きそうな印象を受けます。
本作の目玉システムである『鬼ビ人』に関しても、2017年に発売された『ゼノブレイド2』のシステムに類似しています。
他のゲームを真似たり、類似したシステムを取り入れることはゲームで往々としてある事なのでそれ自体を責めるのはナンセンスとは思います。
ただ、それは改良や上手いアレンジがあって初めて受け入れられることだと思うんですよね。
このゲームの『鬼ビ人』のシステムは、言ってしまえば単純に武器やスキルが切り替えられるだけです。
『ゼノブレイド2』のように、ブレイドを切り替えていく事で流れるように攻撃が連携していく楽しさもありません。
いわば、2年前に発売されているゲームの表面だけをくり抜いただけのようなシステムを売りにしてるんですよね。
流石に今これを評価するのは難しいです。
せめて『鬼ビ人』が独立して行動してくれるとか、右スティックで位置取り変えれます、なんてことができれば、全く違った印象だった気がしますね。
どこかで見たような&据置のフルプライスのゲームにしてはパッとしない映像。
どこかで見たゲームシステム。
このゲームってどんなゲームなの?ってもし聞かれるなら私はこう答えます。
低予算とオリジナリティの薄さを、『あの頃のRPG』という免罪符を付けてごまかしているゲーム。
ちょっとお前それ言い過ぎじゃね?って思う方もいらっしゃると思いますが、敢えてそこははっきり主張させていただきます。
理不尽さを感じるアクション
本作では見下ろし方のアクションRPGのスタイルを採用しています。
古くはゲームボーイやファミコンの時代から今日まで続いている、伝統的なゲームスタイルです。
なので、良くも悪くも予想を裏切らないゲームになると、私は大体想像していたんですよね。
しかし今思えば、その認識が甘かったと言わざるを得ません。
本作のゲームデザインに対して色々と思う部分はありますが、これはキツイなと思う事が一つあります。
それは何かというと、ゲームの調整がプレイヤーにとってストレスがたまる仕様になっているという事ですね。
例えばこのゲーム、自分が攻撃している最中に敵に攻撃されると、基本的に回避できません。
攻撃アクションの硬直がキャンセルできない上に長い!
なので、ある程度相手の予備動作に気付いていても、回避行動が間に合わないんですよね。
敵が拳を振り上げているのに気づいても、硬直したまま殴られる。
他のゲームだったら余裕で回避できるのに…!
何ともモヤモヤしたストレス感情が残りますね。
中ボスサイズ以上の敵と戦うときは、更にそこに拍車をかけます。
敵のデカい体でキャラが隠れて見えなくなるので、自分の操作しているキャラがどうなっているか分からなくなるんですよね。
ただでさえ攻撃が硬直で咄嗟に避けれないのに、操作するキャラも隠れて見えないなんて事が頻繁に起きてしまうなんて。
それこそ昔の『聖剣伝説2』とか大昔のアクションRPGなら分かるんですが…今の時代にこれはキツイですね(苦笑)。
もしくは1000円、2000円のインディーズタイトルなら分かります。
あぁこれは昔のゲームっぽいバランスを再現してるんだよねって。
そういうのを求めている人が世界にどれだけいるか分かりませんが、二ッチとしてそういうゲームがあってもいいと思います。
しかし、仮にも大企業のスクエアエニックスの名前で6000円近い値段を取るゲームですよコレ。
だれもこのゲーム調整に指摘をしなかったんでしょうか。
ネットではこのゲームを「モッサリしている」という事で批判している意見も多いですが、私が思うに、そもそも”このゲームは根本的に気持ち良く遊べることを目指していない”と思います。
その理由は分かりませんが、ひょっとしたらここでも『あの頃のRPGを取り戻す』というキーワードが関係してくるのではないでしょうか。
「昔のゲームはこういう風だったから、それをならいました」みたいな(苦笑)。
それぐらいしか敢えて今時このような仕様にする理由が見つかりません。
仮にもしそんな安直な理由でやっているなら、『あの頃のRPGを取り戻す』はさっさとやめて『今面白いRPGを作る』に方向転換すべきだと私は思います。
暗い雰囲気にアンマッチな3Dキャラ
体験版で遊んだ限りですが、本作はかなり暗い雰囲気とストーリーのゲームですね。
PVを見てもそういった印象があるので、恐らくゲーム全体でも変わらないのでしょう。
私はこういった雰囲気の暗いゲーム自体は悪くないと思うんですよ。
『ダークソウルシリーズ』とか 『バイオハザードシリーズ』とか、最近だと『SEKIRO』みたいな、陰鬱とした世界が持つ独特の良さを表現しているゲームもありますし。
むしろもっと暗い雰囲気のゲーム出ても良いんじゃないの?とも思っています。
ただ、本作で引っかかるのが、雰囲気や設定でど~んと重たい空気を漂わせているのに、キャラがやたらと可愛らしくデフォルメされたデザインになっているという事です。
シリアスなイベントシーンを見ていても、4頭身のキャラクターが人形劇をやっている感じでイマイチその雰囲気の良さが伝わってこないんですよね…。
割とショッキングなシーンを見ても「あ、お人形さんがやられた…」みたいな、どこか冷静な目で見てしまいます。
こういった4頭身、3頭身キャラは、シリアスなストーリー重視のゲームで使うには、一番中途半端なデザインだと思うんですよね。
苦しそうとか悲しそうとか、そういった感情が人形っぽいキャラクターでは、上手く伝わってこない。
かといって描写としてある程度必要なものは全て描かれているので、2Dのドット絵のイベントシーンみたいに妄想・想像でシーンを補完するという事もない。
それなら、もうちょっとキャラクターに合わせた明るい世界観にするか、世界観に合わせて頭身の高いアニメっぽいキャラクターにするか。
あるいはドット絵にいっそのことしてしまった方が、雰囲気の良さが伝わったのではないかなと思いますね。
因みに、キャラクターのデザイン画は暗めの世界観や物語にピッタリ合っているんですよね。
このデザインをある程度忠実にゲームの3Dモデルに落とし込めば、もっとストーリーに感情移入できそうな気がします。
こういった所からも「このゲームの世界観を上手く表現する為には、お人形ポリゴンが必要だ!」っていう理由が見えてこないんですよね。
じゃあ何でお人形ポリゴンを使っているのかと言うと、やっぱり予算の都合くらいしか思い浮かばないんですよね(苦笑)。
『あの頃のRPG』はお人形ポリゴンだったし、許されるよねって。
無駄に読みにくい単語の多用
本作のタイトルもそうですが、このゲームではわざと読みづらい単語を好んで使うんですよね。
例えば、『逝ク人守リ(イクトモリ)』。
普通の感覚で読めば『イクヒトマモリ』って読みますよね。
『鬼ビ人(オニビト)』は『オニビビト』だし。
『迷イ人(マヨイト)』は『マヨイビト』。
思春期辺りの年代の人であれば、こういうのを「(厨二感漂っていて)カッコいい!」と思うのかもしれません。
でも、TRFの作るゲームって『あの頃のRPGを取り戻す』というコンセプトで昔風のゲームを作っているわけじゃないですか。
となると、どちらかと言うと今の思春期の人というよりも、『あの頃思春期だった人』がターゲットのゲームですよね。
果たしてその年代の人たちに、このような読みにくくさせた単語を並べて喜んでもらえるのかなっていう疑問を強く感じますね。
「クッ…俺の右手が疼きだした…逃げろ!」みたいなセリフを様式美として入れるのはまだわかります。
「そうそう、こういうノリに昔燃えたんだよね!」っていう再確認というか、懐かしさみたいなものを得られますから。
でも、わざわざ読みにくい、覚えにくい単語を使うメリットってどこにあるんでしょうか。
『鬼ビ人』じゃなくて『鬼人』の方が分かりやすくてええやんと(笑)。
これは不必要に名前を覚えにくくさせてる分、寧ろゲームとしてはマイナスだと思うんですよね。
言葉の覚えやすさよりも、字体が出す雰囲気やカッコよさを優先するところは、ある意味スクエニらしいですけど。
プレイしていると頭に入りにくい、読みづらい単語を使うのは、ユーザーにとってあまりメリットがないのでやめませんか?スクエニさん。
まとめ
というわけで、本作が低評価の理由について全部で4つを挙げてみました。
1.表面的な過去のRPGを模倣に終わり、オリジナリティや目を引くものに欠ける。
2.プレイヤーにとって気持ち良くないアクションの仕様。
3.お人形キャラモデリングが物語や雰囲気に合っていない。
4.無駄に読みにくい単語はユーザー目線とは言えない。
こうしてみて見ると、本作はユーザーに反感を持たれやすい要素を色々と持っていますね。
それに加えてマイナスポイントを跳ね飛ばせるオリジナリティや熱量が足りないのも、批判意見を目立たせるひとつの理由だと思います。
個人的には2000円くらいのダウンロード専用ソフトなら全然アリですが、流石にこれで6,000円は払えません。
今ならインディーズで2000円くらい出せば、これ位のクオリティのゲームが遊べてしまいますからね。
しかし、TPFさんはコレで3作目となりますが、次回作も作らせてもらえるのでしょうか。
前回作った『ロストスフィア』も全然売れなかったみたいですし、恐らくこれも…。
願わくば、これまで作った3作に寄せられている皆さんの批判をしっかり受け止めて、良いゲームを作っていってほしいですね。
まぁ、あまり考えすぎると悲しくなってくるので、今日はこのぐらいにしておきます。
もし、このゲームはそんなもの覆すほど面白いぞ!お前は分かってない!と言う方がいらっしゃいましたら、下にTwitterアカウントリンクがありますので、遠慮なくご教示頂ければと思います。
最後までご一読ありがとうございました。
明日からは、いつも通りポジティブネタでNintendo Switchを全力応援していきます!
Written by にぃど(@switch_for)