レイジングループ 高評価レビュー/感想 ”夜更かしは避けられない?!これぞ傑作ADV”

ケムコの傑作テキストアドベンチャーと称される『レイジングループ』はこれまで多数のプラットフォーム(Nintendo Switch/PS4/VITA/Steam/iOS/Android)で展開されていますが、Switch本体にニュース配信されている『ユーザーオススメのタイトルのランキング』等でその高い評判を見たことがある…という方も多いのではないでしょうか。

私も本作の評判の良さからかねてから気にはなっていた作品なのですが、一回遊んでお終いのテキストアドベンチャーでなおかつダウンロードソフトにしては強気な価格設定(定価3,000円)はハードルがやや高いなと躊躇してしいまして…結局2019年まで本作をスルーし続けていたのですが、Nintendo eShopのセールを折見てようやく今回ダウンロードをしてみることにしたわけです。

そしたらもう…ストーリーが面白くて先が気になって…眠れなくなるレベルで…

なんでこんな傑作をスルーし続けてきたんだ…!という後悔すらも感じさせられる程の満足度の高い作品でした。

本作は何分ストーリーの面白さが全てみたいなものなので、なかなかレビューの難易度が高いですが極力ネタバレなし!で進めていきますので、今後プレイするかもしれないと考えている方も安心してどうぞご覧いただければと思います。

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怪奇にどこまで理屈で抗うことができるか…その挑戦こそが本作の核

本作は主人公房石が『休水』という寂れた農村に迷い込み、いつ隣人に殺されるかもわからない疑心暗鬼と恐怖の『人狼ゲーム』※にまきこまれてしまうところから始まります。

※人狼ゲーム=多人数参加型の推理ゲーム。人に紛れた狼はその正体がばれないように昼間立ち振る舞い、夜中に人を襲い減らしていく。一方で人は狼を推理して処刑していく…そうして最終的にヒトかオオカミどちらか残った側が勝利となる。

人狼ゲームと言えば普通は合コンや友達同士でキャッキャするようなただのお遊びですが、どうやら休水の人狼ゲームは命を奪うガチな伝統行事なのです…うん、実に恐ろしい。

▲この中にオオカミが隠れてヒトの命を狙っている。ならばそのオオカミを見つけて処刑せねばならない…疑心暗鬼の中オオカミ探しの心理戦が繰り広げられる。

本作では主にこの狂ったリアル人狼ゲームの心理戦を戦い抜き、生存することを一つのゴールとして物語を当然進めていくのですが、人狼ゲームから生き残ればめでたしめでたし!という単純なものでないのが一つ大きなポイントです。

そもそも、なぜ人狼ゲームで実際に殺し合いをしなくてはならないのか?…という理由としてあるのが村に起きる怪奇現象の存在です。

▲村を覆う不可解な霧の発生に、普段快活にジョークを飛ばす千枝美も顔色を変えてしまう。

霧に囲まれて決して村の外には出られないとか、オオカミを見つけて処刑しないと本当に殺されてしまう…そういったオカルトじみた理由に対して、論理的で好奇心の塊のような主人公房石を通して「人狼ゲームの裏側」にある真実を突き止めようというのが本作の核なのです。

▲伝承として伝わってきたリアル人狼ゲームはそもそも一体なぜ行われるのだろうか…そういった数々の謎に房石は立ち向かうことになる。

しかし、そんな房石を見透かしあざ笑うかのようにやってくるどんでん返しや予測不能な事態の連続は雪崩れ込むようなスピード感で次々と謎が謎を呼び、見ているものを惹きつけていきます。

果たして人狼ゲームを促す怪奇現象に大して最終的にこれはトリックだと理論で否定できるのか?それとも怪奇現象が全て事実なのか?あるいはもっと他の何かが…

本作は大体クリアまでに7時間程かかると思いますが、物語は息切れすることなく面白さを持続させ最終的な結末にはお見事と言わざるを得ないカタルシスたっぷりな展開が待ち受けています。

ただ一つ注意点としてあるのが血なまぐさい残酷な描写やホラー描写も多いので、そういったものが苦手な方はご注意された方が良いと思います。(私はそういうのは得意な方ですが、夜暗い部屋で一人でいる時にちょっと怖くなった時がありました)

▲実際のゲーム画面には「自主規制」の文字はないのでご安心を。血の描写や表現等グロい部分もあるので苦手な人は注意。

ただ、最終的にこの重苦しさを振り払い「レイジングループ最高だったな!してやられたわ!あ~もっと早くやればよかった!」と清々しい気持ちでスッキリ終れる作品であったのは本当に良かったですね。

終わり良ければ全て良し!道中は割とへこむシーンも多かったので、最後にもやもやが残るよりは満足感がしっかり残る方が個人的には嬉しいですね。

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記憶を保持できるループだから筋が通っていて面白い

本作は多くのテキストアドベンチャーが用いている分岐型のストーリー形式を用いておりますが、バッドエンドにたどり着いた場合や自分が戻りたいと思った場合に、好きなところからストーリーをやり直したり分岐を選びなおすことができます。

これ自体は特段珍しくもなんともないありふれたものですが、面白いのは私たちプレイヤーと同様に主人公がバッドエンドのルートの過程の記憶を持ち越したまま別のルートをやり直せるというところにあります。

主人公自身がバッドエンドの記憶を持ち越せるという事によって新たな選択肢を選べるようになったり、主人公がその経験を糧に思考を広げたりして、バッドエンドからのやり直しがただのリセットにならなくなるわけですね。

▲過去に経験したバッドエンドルートの選択肢にはどくろマークが。バッドエンドでカギを入手したことで選択肢が選べるようになることも。

このおかげで房石が選択をやり直して正解に進むことに説得力がありますし、プレイヤーも主人公も過去の失敗を知っているというところに共感を持て、物語に没入しやすくしています。

ただ、主人公の房石は非常に頭の切れる男という事もあり選択肢を求められる場面も全体のボリュームから見ても少ないですし、的確なヒントを教えてくれる「ひつじ」もいたりして、あまりプレイヤーが悩むことはなく進むため、分岐ものでありながらもほぼ1本道のシナリオをになっています

▲房石がバッドエンドを迎える度に登場し、ヒントをくれる謎の『ひつじ』のお陰で選択肢はほぼ迷うことはない。

様々なグッドエンディングを見たり全く違う方向性で完結していくマルチエンディングもゲームならではで面白いと思いますが、濃密なストーリーがある場合はこういった1本の答えに向かってしっかり読んでいくというのも良いものです。

ただ、この辺りはテキストアドベンチャーに何を求めるのか各個人の好みがあるので、一概に全ての人に私の主張が正しい!と言いきるのは難しいですが、房石陽明という主人公を通してこの濃密な物語を読み解く面白さと没入感は「ストーリーをとにかく楽しみたい」と最優先にしている人には間違いなく合っていると自信をもってオススメできます。

 

実は個性の際立ったキャラクター達

本作の登場人物のデザインをみて最初感じたのは…

「なんだか平凡なキャラクター達ばかりだな。モブキャラ集めてきたみたいで主人公もなんか普通過ぎる…」

…と、正直言ってあまり良い印象ではなかったのですが、実際にプレイをしていくうちにこの印象がどんどん変わっていきましたね。

▲最初主人公の房石と千枝美すらはじめはモブキャラに見えるが、その個性が物語を追うごとに焼き付けられていく。

本作の登場人物は皆言葉を一言二言発すれば癖や個性を感じますし、偏屈な人間もいれば良識的な人間もいたりと多種多様で、更には普段の表の部分とは別に本音の自分や腹に抱えた複雑なものを持っています。

大人しい人がここぞという時に意外な力を発揮して見直したり、優しい顔してそんなエグイこと良く思いつくね…なんて驚愕したり、そういった隠れた内面が人狼ゲームの心理戦や危機的状況下でどんどん掘り下げられていくため、登場人物に対して抱く印象が物語を追う度に変化していきます。

▲隔離された田舎の村で冷ややかな目線で見られるよそ者の房石がどうやって村民たちの信用を得ていくかというのも見どころ。

中には親睦を深めてちょっとしたラブストーリーな展開もあったり、驚愕の事実を知っってしまい全く関係が変わってしまうというパターンもありますが、そういった人間関係の変化も本作の見どころだったりします。

▲初めは蝋人形のような不気味さを感じさせていた登場人物、李花子も内面を知っていくうちに意外と人間らしい部分が垣間見えてそのギャップにファンになる人も多いだろう。

クリアまでに本当に色々あって誰を信じるべきか疑うべきか…徹底的に悩まされましたが、最終的には「皆面白いキャラだった…とりわけ主人公房石陽明は最高なやつだ!」という結論に至ったことも良かったですね。

『女たらしの房石』と村の女性たちの関係の行方についても、なかなか見られないようなクレイジーな方向で完結していきますので(笑)これからプレイする人は是非ご期待ください。

 

体験版でガッツリわかる面白さ

ここまでのレビューを見て頂いて少し興味が湧いてきたという方や、なんとなく良さそうだな(けど決定打にはならない)という方は、是非とも体験版を遊んでみてください。

面白いかどうかお前のレビューじゃ伝わってこね~よという人も…騙されたと思って(笑)体験版をダウンロードしてみてください。

配信中の各プラットフォームのストアには体験版があり、物語のボリュームとしてはゲーム全体の1/3近く体験できますので、そこで本作が自分に合うかどうか十分判断することができます。

平和な序盤(開始から15分くらい)は少し退屈かもしれませんが、そこから一気に物語が展開して面白くなっていき最後まで走り抜けていく物語に夢中になってしまう可能性は大です。

 

Switch版は最適解ではあるが他のハードでも全然OK

冒頭で述べた通り本作はNintendo Switch/PS4/VITA/Steam/iOS/Androidという複数のプラットフォームに出ておりますが、最後に複数のハードを所有している場合どのハードで遊ぶのが良いのか選ぶ上での判断基準をご紹介します。

▼価格重視の人
iOS/Androidは家庭用ゲーム機版と比べてかなり安いので値段を優先する場合オススメです。
▼パッケージ派の人
PS4のみパッケージが販売されていますので問答無用ですね!(ゲームの内容についてはSwitch版と同じものになります。)

▼兎に角快適に遊びたい派の人
家庭用ゲーム機版はフルボイス、追加の画像等iOS/Androidから追加されたデラックス版と言える仕様となっています。(その分お値段は高くなっていますが)

中でもSwitch版に関してはボタン操作だけでなく液晶のタッチパネルで操作できたりと操作系統に関しては各ハードの良いとこどりですし、片手のジョイコンだけで全操作ができます。(左手は完全フリーなのでお菓子やお茶を飲みながらどうぞ)

ダウンロード版しかないのが残念ですが、プレイし出すと7時間くらいは文章を読むゲームですし、折角名作を遊ぶなら是非一番快適でデラックスなSwitch版を…という事で個人的に強くオススメします。

因みに、完全読本やサントラも発売していたりします。こういったものが販売されているところからも根強い人気のある作品だという事がうかがえますね。

 

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