どこまで走り続けられるのか?売上データからこれからのNintendo Switchを占う

先日ファミ通が毎週出している集計を年間のランキングでまとめているサイトを見つけたのですがそこで見てびっくりしたのが、2018年ゲーム売り上げランキングのTOP10の面子です。

驚く事に上位からずらっと目を通していくと2位のモンスターハンターワールド、9位のマインクラフトを除き、それ以外を任天堂のゲームが占拠しているのです。

元々任天堂は日本で人気のゲームを沢山販売していますが、ここまで圧倒的にランキング上位を占めるというのは過去に見たことがありません。

そこで、今回は2018年の家庭用ゲーム機市場の売上データに基づき、なぜ任天堂のゲームがこんなに売れているのか、そして、これから日本のSwitch人気はこれから一体どうなっていくのかを考察していきたいと思います。

スポンサーリンク

 

2018年の年間ランキングから読み取れるもの

まずは冒頭でお話ししたファミ通の集計による2018年のランキング(2018年1月1日~12月30日)を元に考察を進めていきましょう。

引用元:Game Compass

※上記売上の単位は万本

このランキング表を見て皆さん色々と思うことはあると思いますが、いくつか注目するポイントを分けて考えていきます。

1.Switchの圧倒的な勢い

機種の欄でNintendo Switchを赤く色分けしていますが、2位の『モンハンワールド』(PS4) 以外は全部Switchで真っ赤です。去年は『ドラクエ11』(3DS/PS4) や『モンハンXX』(3DS)もTOP10に名を連ねておりましたがSwitchが発売して1年と9ヶ月程度で日本の家庭用ゲーム機市場の上位はSwitchのゲームの独占状態になっています。

日本は元々携帯ゲーム機が家庭用ゲーム機市場を引っ張ってきていましたが、2018年になり3DSからハイブリッドゲーム機のSwitchに完全にバトンタッチされたと言えるでしょう。

また、Switch本体においても任天堂史上最も売れた据置機Wiiよりも販売推移を上回っているという事で、ソフトの勢いによってどんどんハードが売れているという状態になっていることが分かります。

2.過去作が新作以上に売れている

タイトルの欄で黄色く塗っているのは2017年に発売されたタイトルですが、ランキングの半数をそれらが占めています。(Mincraftは2018年にパッケージが発売されましたが、2017年にダウンロード版が配信されていますので去年のタイトルとしてみています。)

日本の家庭用ゲーム機市場はその年に発売された新作のゲームが基本的にはTOP10に来ることが多いのですが、過去に発売された定番のタイトルが異様に根強く売れ続けていますね。

その顔触れを見ると『スプラ2』や『マイクラ』のようにアップデートが継続されてゲームが拡張され続けていたり、マルチプレイによって長く遊べるゲームが並んでいます。例外的にマルチプレイもなく、アップデートも終わったゼルダが2018年も売れたのは他を寄せ付けない圧倒的な評価の高さによるものでしょう。

3.圧倒的な任天堂の強さ

緑色に塗られた欄は任天堂及び㈱ポケモンでTOP10の8割を占めています。㈱ポケモンは任天堂のグループ会社なので、ほぼ1社で日本の家庭用ゲーム機上位を占めているという事になりますね。

元々任天堂は毎年の年間ランキングを見るとTOP10の半数を占めることはざらではあるのですが、2018年のように圧倒的なのは珍しい光景です。

スポンサーリンク

 

日本のゲーム機のトレンドはSwitchに

このランキングを見てはっきりとわかるのは「Switchが今のゲーム機のトレンド」になっているということですね。それともう一つは「任天堂のゲームが未だかつてないほど人気を高めている」という事です。

例えばスマブラの最高売上は『大乱闘スマッシュブラザーズ for 3DS』の累計約250万本ですが、最新作の『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』はわずか3週間ほどで既にその累計売り上げに肉薄しています。

『スプラトゥーン2』は前作の1.5倍ほど売れておりますし、マリオとゼルダにしても過去作の最高売上を、『マリオカート8DX』に至っては移植+αなのにWiiUに出た無印の二倍は余裕で売れそうな勢いです。

『スーパーマリオパーティ』もここまで売れているのは久しぶりで最高売上のDSのマリパを超える可能すら見えています。

▼なぜこんなにSwitch・任天堂のゲームが人気なのか?

これは諸説あると思いますが、私が思い浮かぶだけでも少なくと6つはあります。

1.かつてDSや3DSでゲームを遊んでいた子供が成長しゲームを自分で買う世代になった。

2.FCやSFCで育った親世代にとって任天堂のゲームは子供と一緒に遊べて手を出しやすい。

3.任天堂のゲームの評判が良い(話題性が高い)

4.任天堂のゲームはSNSやYoutube等とも相性が良く広まりやすい。

5.据置・携帯の両方を合わせたSwitchのお得感。

6.オンラインやマルチプレイによりソフトの寿命が長寿化している。

理由を考え出せば他にも幾らでも出てきそうですが、要するに今まで任天堂が地道にやってきたことが積み重なってきたのと、Switchというハードと任天堂のゲームが今の時代の流れにうまくフィットした結果このような状況になった…という事が考えられます。

▼サードパーティの影響力が低下している?

任天堂が上位を独占しているという事はサードパーティが弱体化しているという事とも取れそうですが、今のところ判断が難しいですね。

サードパーティの多くは任天堂とまたちょっと事情が違っていて、コナミやバンナムのようにスマホに主軸を置いている会社も増えていますし、家庭用ゲーム機のソフトの開発に3年4年と当たり前にかかるようになったことで昔の様に大作ゲーム…特に予算をかけた新規IPを作れなくなっています。

家庭用ゲーム機よりもスマホという大きなゲーム市場がある今、昔の様に意欲的に家庭用ゲーム機にどんどん予算を使って沢山ソフトを出して日本のランキング上位に食い込むという事をソフトメーカーもあまり考えてはいないのかもしれません。

 

任天堂はこの人気を2019年以降維持できるのか?

気になるのはSwitchと任天堂がこの圧倒的な強さをどこまで維持できるかというところですよね。

今のところ任天堂は2019年の『ポケモン完全新作』、『どうぶつの森新作』、『ルイージマンション3』、『ファイアーエムブレム風花雪月』と年間ランクTPO10に入ってくるであろう強力なタイトルを用意しています。(ヨッシ―クラフトワールドもここに入ってくるかもしれません)

これらが延期でズレれば分かりませんが、計画通り発売されるなら間違いなく2019年は安泰でしょう。

また、2019年のSwitchには任天堂のタイトル以外にも『妖怪ウォッチ4』や『ドラゴンクエスト11S』等の人気タイトルも発売されますので、それらサードパーティの人気作と2019の任天堂タイトル、そしてこれまでに発売された定番タイトルによる相乗効果で大きく躍進する可能性はかなり高いです。

その先2020年からは今記事を書いている段階では何もわからないので正直どうなるのか読めませんが、やはりキーとなるのは『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』や『スーパーマリオオデッセイ』、『スプラトゥーン2』という2017年に発売した人気作のSwitch2作目となるものがいつ発売できるかという事ですね。

それに加えて、Switchが2020年以降拡大するためにはこれまで任天堂が作ったゲームとは違うものを提供して、任天堂のゲームでは訴求できなかったゲームユーザーを呼び込むことも今後重要になってくると考えられます。

▲マーベル人気作品が集結するアクションゲーム『MARVEL ULTIMATE ALLIANCE3』。コーエーテクモの開発でSwitchに2019年発売予定。

既に発表されているタイトルで言えば『ベヨネッタ3』や『DAEMON X MACHINE』、『真・女神転生5』、『MARVEL ULTIMATE ALLIANCE3 』…これらのように他機種では遊べないもので尚且つ任天堂の作るものとは違う毛色のゲームをどれだけ用意できるのか…その辺りを今後は特に注目していきたいですね。

 

スポンサーリンク