車でサッカーを遊ぶ、そんなシンプルかつユニークな多人数対戦スポーツゲーム、ロケットリーグは世界中で大ヒットし今もなおプレイヤーを熱狂させている。
任天堂もこの人気タイトルをいち早くSwitchに出して欲しいとPsyonixに要請した結果昨年年末にDL配信がスタートした。
急造でSwitchへの最適化が行われておらずフレームレートの不安定さや解像度の荒さ等他機種から見劣りするものだったが、それでも携帯性を持つSwitchとの相性は抜群で評価も上々、北米のe-shopのランキング上位の常連となっている。
そして本日、最適化アップデートが配信されSwitch版ロケットリーグは再スタートを図る。Switchに合わせて最適化されたロケットリーグについて今回はレビューする。
こんな人におススメ!
・競技性のあるオンライン対戦ゲームをやりたい人
・シンプルにどんどんテクニックを突き詰めるのが好きな人
・PCとXbox Oneのクロスプラットフォームでオンライン過疎の心配がない
・気持ちのいい操作性と車でサッカーをする不自由さが合わさる楽しさ
・拡張され続けるアップデート、期間限定のオンラインイベントも開催
・フェアなゲーム性
・ひたすら対戦をするゲームなのでクリアの概念がない
・入手できる車や装飾パーツは豊富
・オンラインプレイにハマればゲームに終わりはない
・シンプルな対戦ゲームで豊富なシングルプレイは期待しない方が良い
・参加人数が少ないゲームなので一人一人のワンプレーの責任が重い
・車の種類は豊富だが性能差はほぼない
シンプルで不自由だから楽しい、車でサッカー
ロケットリーグは最大4vs4で車を操作してサッカーをするゲームで、よりシンプルに誰にでもわかりやすくそしてユニークにサッカーを再構築させている。
サッカーゲームは今でも根強い人気があるけどやや複雑化しており初心者が入りにくい世界になりつつあるという一つの問題があると思う。
フェイントやらシュートの回転やらリアルを再現するためにやれることが増え過ぎて初めてプレイする際にうんざり…慣れてる人はいいんだけど。
ロケットリーグは超シンプルな操作性でちょっとしたチュートリアルで基本的な操作を覚えられるので、サッカーゲームの様なめんどくささがなく面白さに触れるまでの手間がない。
大きなボールに車でボン!っとタッチする感覚やドリフトでフィールドを駆け巡る気持ちよさはサッカーの面白い部分を凝縮して分かりやすく感じさせてくれる。
このロケットリーグの分かりやすさが沢山のユーザーを魅了させている理由だと思う。
車を使ってサッカーをするのは人間が足でボールをけるよりも不自由だ。ボディの当たり所によって飛ぶ方向が変わってくるのでサッカーの様な的確なパスワークは到底できない。
故にみんなでワチャワチャと入り乱れるような展開と面白さが産まれるのだ。
初心者の頃は子供のサッカーみたいに好き勝手に動いて楽しいゲームという印象だが、ロケットリーグはちゃんと奥深さも持っている。
ブーストを上手く使えばまるで宙を舞うように飛べるし、強くシュートを打つコツや車の当て方、さらには戦術面を工夫する事でどんどん強くなれる。シンプルかつ底なしの深さは素晴らしい。
私はロケットリーグをスマブラみたいなゲームだと思う。
スマブラはかつてマニアックになり過ぎた格闘ゲームをシンプルにして再構築した結果沢山の初心者を受け入れて、尚且つその奥深さでE-Sportsとしても定着した。任天堂がSwitchに出して欲しいと直訴するのも納得だ。
パーティ的に遊ぶには条件がある
これは競技性の高い対戦ゲームには絶対に付きまとう話だけど、ロケットリーグもやっぱり初心者と上級者の試合はお話にならないレベルで差がついてしまう。
一応このゲームもレートがあるのでオンラインで腕の近い人と競い合えるので普段はさして問題がないと思うけど、友達と遊ぶ際は腕の良しあしが前面に出てしまうのであまりパーティゲー的な遊びには向いていない。
ただ、割と腕が近い人たちやバランスがとれるチーム分けができる人たちなら相当面白いのは間違いない。
この条件が揃えばフィールドでみんなでワイワイボールを追いかけまわし、声を掛け合う滅茶苦茶楽しいパーティーゲームへと変貌すると思う。
壁に当たった時自分で強くなる方法を調べる力が試される
このゲームはチュートリアルはあるけど後は自分でどんどん試合して上手くなってねっていうわりと突き放したスタンス。
なので人によってはゲームを遊んでいるうちに行き詰る壁が数時間遊んでいると出てくると思う。
かくいう私も初めて2,3日経ったくらいにちょろちょろと地面を必死で走っている上を他のユーザーたちがまるで車ではない空飛ぶ乗り物に乗って遊んでいるような格差を感じさせられた。
『これがロケットリーグの本当の世界か…』唖然とした私は早速ネットでどうやって彼らが飛んでいるのか調べてみると出てくるわ出てくるわ、ロケットリーグ初心者講座の動画が。
動画を見たところ車体を上向きに傾けブーストするとどうやら空を彼らのように飛べるらしい。
他にも守備の重要性やいかにして早くボールにタッチするか等色んなテクニックがあり、それらを研究している人たちに圧倒される。
他のゲーム、例えばスプラトゥーンやマリオカートもゲームが直接教えてくれない色んなテクニックがあり上位に行く人はそれらを習得して戦っているわけなんだけど、ロケットリーグはわりと脱初心者の早い段階でそれがやってくる印象だ。
車の種類は沢山あるけど実は性能差はほぼなし
ロケットリーグをやってみて驚いた点が一つある。
このゲームには色んな車が登場するのだけど実はどの車も基本的なスピードやコーナリングなど性能は一緒なのだ。
あるのはボディの形状によるボールの当たりやすさとか飛び方が変わってくるという事くらい。
以前に鉄拳シリーズを作っている原田氏が『究極のバランスを考えるとキャラは一体にすればいい。』と発言していたが、ロケットリーグは車の形状に違いがあるとはいえ、他の対戦ゲームと比べて圧倒的にバランスが取れたフェアなゲームになっていると言える。
ここら辺は個人の価値観にもよるけど個性同士のぶつかり合いが好きな人はちょっと寂しいかもしれない。
私も多少ピーキーだったり弱キャラでも愛せるキャラとかいれば一生懸命そいつを使って頑張るタイプなので。
車の性能のせいにできないというのもある意味ストイックでもあるし、優秀なゲームの一つのステータスではあるのでそういう公平性のあるゲームを求める人にはロケットリーグは素晴らしいゲームだ。
ユーザーファーストの姿勢が伝わるゲーム
当初TVモード720p60fpsだったものが4/4の最適化アップデートで900p60fpsに底上げされた。
PS4の1080pと比べると720pはかなりぼやけて見えるものだったが900pまで行けば正直そこまで見劣りしないレベルだ。
また、オプションにグラフィック優先設定が追加され、フレームレートが30fpsにはなるが解像度を他機種同様の1080pに上げ光源処理をリッチにすることもできる。
画質優先か動きのなだらかさを優先するかを選べるのはファイアーエムブレム無双にも採用されていたが、家庭用ゲーム機のソフトでは珍しいのでもっと色んなゲームに取り入れた欲しい。人によってどちらを重要視するのかは違うし。
ロケットリーグは60fpsに拘る人多そうだけど。
動画撮影も対応しておりSNSでスーパープレイ、珍プレイを投稿するのも同日のアップデートで可能になった。
これでようやくSwitchのロケットリーグは『プレイする分には特に問題なく遊べる状態』から『Switchにフィットさせたベストなロケットリーグ』へと進化したといえる。
ロケットリーグは携帯モードとの相性も非常に良く、練習やカジュアルなオンラインプレイをサクっと楽しめるので毎日ちょっとだけ遊ぶという人はSwitchロケットリーグはお勧めだ。