タイトル:ARMS(アームズ)
メーカー:任天堂
機種:Switch
Switchの一年目に鳴り物入りで登場した対戦格闘アクションゲーム、ARMS。
任天堂の新規IPであることやユニークな体感操作『いいね持ち』に注目が集まった作品だが、何度かのアップデートを経て優秀な対戦ゲームへと進化をしてきた。
大型アップデートは昨年末で一通り終わり確かに旬は過ぎた感はあるが、今年はARMSのコミカライズの予定もされており、ソフト自体もロングランで売れている為オンラインマッチングも快適とARMSを遊ぶのにはまだまだ遅くはない状況だ。
一方でネットに転がっているARMSのレビューは発売直後のもので内容もアップデートされていない(現在のARMSとはアンマッチしている)ものも多い。
アップデートで大きく拡張して発売当初とは色々な部分が変わったゲームでもあるので、当ブログでは改めて完全版ARMSとしてレビューしたい。
こんな人にオススメ!
・シンプルで奥深い対戦アクションが好きな人
・友達や家族とジョイコンを振り回しワイワイ遊びたい人
・筋肉痛上等!体を動かすゲームがやりたい人
ココが良い!
・シンプルですぐに格闘ゲームの面白さや醍醐味を味わえる
・ロードも短くオンラインのマッチングもサクサクでストレスがない
・コマンドやコンボを覚えなくても良いから色んなキャラを使いやすい
・豊富なアームをカスタマイズして戦略を練るのが楽しい
ボリュームは?
・アーケードモードは1時間もあればクリアできる
・オンラインモードのお陰でハマる人なら延々と遊べる
・収集要素のアームは42種類あり、15体のキャラごとに集める為コンプリートは大変
・上位になると体感操作派よりもボタン操作派の方が増える
・ランクマッチングは1vs1なので負けたときの言い訳はできない
・説明不足な部分もあり、初見殺し等対処が分からずイライラする可能性あり
・ランダム入手のため欲しいアームが手に入らない可能性がある
シンプルに磨かれた真剣勝負!!
ARMSの攻撃方法はシンプルにパンチのみだが考えることは多い。
自分のパンチの特性やリーチを生かして相手に揺さぶりをかけ、生まれた相手の隙を狙ってパンチを当てる…しかし当然相手も同様にして攻撃を仕掛けてくるからお互い揺さぶりあう駆け引きが展開される。
コンボや必殺技コマンドなど存在しないシンプルな戦いだけに駆け引きも際立つ…これがARMSの戦いの特徴だ。
キャラ数は全部で15体存在しているが固有の必殺技や攻撃モーションは存在しない。使えるアームも全員共通。
各キャラに与えられた個性としては動きの速さや腕の太さ等のパラメーター的な違いや空中でホバリングできたり、ガードすると回復できたりする等スキル的な特徴でどれもシンプルで感覚的に掴みやすい。
その辺りのキャラ性能を理解して後は相手がどんなアームを腕につけてくるのか、そこを押さえればいい。
アームは全42種類あって沢山ある様に思えるがある程度タイプ分けされているので特徴を覚えるのはそんなに苦ではない。
勿論相手は二つのアームを組み合わせて戦略を立ててくるので一筋縄ではいかないのだが。
ARMSはこのように覚えることを少なくシンプル化されており、他の格闘ゲームにあるようなコンボ等のテクニック的な要素や膨大な量のキャラ対策の手間が排除されているため、純粋なその人の戦略の上手さや戦いのセンスが前面に出した勝負になるゲーム性を持っている。
パーティーマッチはサクサクカジュアルに!期間限定のパーティジャックでフィーバー!
賑やかなデザインやジョイコンを振り回す体感操作でパーティーゲームの様な雰囲気を見せているARMSは勿論カジュアルな楽しみ方もできる。
家族や友達と一緒にジョイコンを振って殴り合う対戦ゲームとして遊ぶのも盛り上がるだろう。
パーティマッチモードは同じルームに集まってサクサクとマッチングしていくのでストレスが少ない。
オンラインで友達とタッグを組めるし、多様なルールをガンガン回してアームをゲットするためのお金を溜めていこう!と軽いノリで遊べる。
それぞれのルールに関しては好みがあると思うが個人的に好きなのは強敵ヘッドロックをみんなで協力して倒すルールで、相手がNPCだからあまりストレスがなく遊べる。やはり協力プレイは誰も傷つかないカジュアルさの極地。
逆に私が厄介だと思うのは3人デスマッチのルール。
このルールは敵二人に集中的に狙われてしまうとどうにもならないのでそれをやられたら萎えてしまいがち。
デスマッチならではの駆け引きが上手く働けば面白いけど、これを最初にやられちゃうとリンチされたみたいで気分が良くないと思う人は多いと思う。
因みに、パーティーマッチは不定期だが毎月の様に期間限定でパーティージャックというイベントが開催される。
これは大型アップデートで去年の秋ごろに追加されたのだが、初期の段階から実施していたらもっと盛り上がっていたと言い切れるぐらいパーティマッチが楽しくなる。
パーティジャック中は指定された二人のキャラとアームがあり、それらを使うとポイントがたまりやすくなったり、ポイントを貯めて期間限定バッジを貰える。
よって多くの人がそのキャラやアームを使って参戦してくる。自分の持ちキャラでなければ練習の機会になるし、同じキャラと連戦して戦える絶好の機会になるのだ。
しかもルールが少し特殊になっていてワンパンチで決着がつく物やラッシュが打ち放題、アームがランダム等いつもよりも激しくいい意味でやり過ぎなARMSを楽しめる。
15分おきに起きるボーナスタイムでは試合で得られるポイント上昇がフィーバー!ぐんぐん溜まっていくポイントを見ているとアガるアガるw
パーティージャックは終わってしまうと普段のパーティマッチが味気なく感じるのでもっと頻度を増やしても良さそうだが、あまりやり過ぎるとくどくなってしまうし祭りの後感を感じながら次を楽しみに待ついい塩梅なのかもしれない。
どちらにしてもARMSのパーティーマッチはパーティジャックの追加で劇的に魅力を増していているのは間違いない。
ランクマッチはガチのガチ!言い訳の許されない真剣バトル
複数人の対戦ルールやアイテムが転がるパーティマッチとは異なりランクマッチはよりルールをシンプル化している。
イレギュラー的要素はなく腕こそが全て、負ければレートが下がり勝てば上がる真剣バトルはかなり熱い。
中にはガン逃げプレイやワンパターンなプレイヤーもいたりしてたまにイラっとすることもあるけど、このゲームは何度もアップデートを繰り返して調整されたこともあってやけにバランスが良く、これをやればいいというような圧倒的に強い行動がない為かどの試合もやっていて理不尽さを感じることは少ない。
使いやすさだったり、分かりやすさや見た目などで人気キャラや不人気キャラというものは確かにあるけど、大会や上位ランカーを見てると上手い人たちでも色んなキャラやアームを使っているのを見る限りでは対戦ゲームとしてのバランスは非常に良くできているのだろう。
パーティーマッチは敗因を仲間のせいや運のせいにできても、このランクマッチは自分の負けに言い訳できない厳しい世界だが、最終的にはここで自分が納得がいくまで腕を競い合うというのがこのゲームの到達点として機能するようにちゃんとファイトマネーが貯まり易いというメリットを持たせてるのも上手い。
~ARMS JGP14 全国決勝大会~
いいね持ちは最強か?あっけなくついてしまったその決着
ARMSのプロデューザー矢吹氏が最強説を唱える『いいね持ち』。それに対するは通常のコントローラー操作。
『いいね持ち』はパンチの軌道を左右自由に曲げられるメリットがあるが、通常のコントローラー操作の方が正確にアクションしやすいという甲乙つけがたいもので、当初ネットではどちらが最強か熱く論議されていた。
しかし発売後に行われた大会でその論議にあっけなく決着がついてしまう。
大会参加者の上位の殆どが通常のコントローラー操作で参加していることが判明し、ユーザーの民意は大きく傾いてしまった。(矢吹氏はそれでもいいね持ち最強説を曲げておらず理論上最強説とも考えられるが)
実際の所私も通常のコントローラーの方が長い目を見れば遊びやすくて良いと思う。携帯モードで遊ぶときはいいね持ちをするわけにいかないし。
ただ、ゲームを楽しく遊ぶという点においては『いいね持ち』は確かに熱くなれるし、なまった体で一時間遊べば筋肉痛になれるくらいの運動にもなるのでそれはそれで価値はあるのも確かだ。カジュアルに人と遊ぶときは確かにこっちのほうが楽しいかもしれない。
これから始める人への注意点
ARMSにはちゃんとしたチュートリアルがあって基本動作もそれですべて覚えられるし、トレーニングモードも充実しているがオンラインに挑むとすぐに壁にぶち当たると思う。
特に初心者殺しの『投げ』を連発されて痛い目に見るという事は最初のうちに何度も遭遇するだろう。
『投げ』は途中で調整が入ったのもあって、ある程度ARMSに慣れた人には冷静に対処すればなんてことはない隙の多い攻撃アクションで多用は禁物なのだが、初心者体が多いレートでは連発するプレイヤーも多いので対処法は早めに知っておくといい。
逆に『投げ』を連発していくスタイルは脱・初心者になったユーザーにボコボコにされるので注意。
なので操作やルールにある程度慣れたら下の公式動画『こうすれば勝てる脱・初心者の道』を見ておくことをお勧めする。
『投げ』の対処や攻撃の隙等を説明していて、これを見るだけでARMSの理解力もかなり上がるし、楽しく遊べるようになるので是非チェックして欲しい。