Nintendo Switchの成功の裏には任天堂苦難の10年あり

こんにちは、NIntendo Switch大好きマンの管理人にぃどです。

私はSwitch発売日からこの2年と数か月の間に、Switch向けのゲームを50本以上は購入しています。

中にはめちゃめちゃ面白くないゲームもあったりして「何やこのク〇ゲー!」と投げ出したものもありますが、面白いゲームがSwitchには沢山あるんですよね。

トータルで見るとSwitchは過去に出たDSやWii等のどの任天堂のゲーム機よりもはるかに満足度の高い体験を与えてくれているゲーム機だったりします。

そういったこともあって私は今こうして「Switchイイゾ!」とブログで猛プッシュしているわけですが、実は任天堂がここに至るまでには決して順風満帆ではなく「ゲーム機としての価値」について模索に苦しみながらようやくたどり着いたという歴史があるんですよね。

そこで本日は任天堂ウォッチャーである私が、この10年ほどの間に任天堂がどのような道を歩みSwitchにたどり着いたのかという事をお話していきたいと思います。

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はじめに

まず歴史のお話をする前に最初に申し上げたいのは、ここで言うゲーム機の価値とは何ぞやというお話です。

例えばビジネスでどれだけ儲けたとか、後世にどれだけ影響を与えたかとか、色んな物差しで価値は測れると思いますが、そんなものは正直ユーザー我々にはどうでもいいことですよね。

それよりも「いかに面白いゲームが遊べるゲーム機であるか」これが私たちユーザーにとってとても重要なポイントではないでしょうか。

私もそうですが、多くの人がゲーム機を買う理由として「○○(ゲームソフト)が面白そうでたまらないから」というのがとても大きなウェイトを占めていますよね。

実は、この考えは私たちユーザー側特有の考えという事ではなく、ゲーム機メーカーである任天堂も同じ認識を持っています。

かつて任天堂の会長であり世界的企業に育てた故山内博氏が「ゲーム機というもの、ゲームソフトを遊ぶために”仕方なくお客さんに買って頂くというもの”なんです。」と言っていたのは有名な話です。

山内氏の思想というのは今の任天堂を築いている土台のようなもので、元社長である故岩田聡氏を中心に、多くの開発者や経営者の発言から多大な影響を受けているという事が伺えます。

こういった所からも私達ユーザーとメーカーである任天堂との間で「いかに面白いソフトを遊べるかが重要なんだ」という点において、はっきりと合致しているわけですね。

しかしややこしいのは、私たちユーザーが求める面白いゲーム、良いゲームというものは、千差万別であるということです。

例えば、あなたが大学に通うために一人暮らし(あるいは仕事で単身赴任)を始めたばかりだとします。

そんな時に「家族と団らんで楽しめる最高のゲームができました!」なんて言われても、全く響かないですよね。

そんなものよりも「1人で夢中になれる最高のゲームができました!」と言ってくれた方が、グッとくるわけです。

これは逆も然りで、家族とコミュニケーションをもっと取りたいという人に、一人で100時間プレイできる超大作を差し出しても意味がないんです。

しかも、人間っていうのは日々環境が変わっていくじゃないですか。

今年高校1年生の人は3年後には大学生や専門学生、あるいは社会人等になる。

大人になっても、転職したり、結婚したり、子供が生まれたり。

3~4年も経てば多くの人の生活環境とそれに伴った価値観の変化が訪れます。

そういった所からも「日々変化していく環境や価値観を持った人々に対応できるような、多種多様なゲームを揃える」というのも、良きゲーム機として世間に認知される上で非常に重要なポイントになるわけですね。

ですので、当記事では「ゲーム機は、特定の人が面白いと喜ぶだけでなく、多種多様な人が喜ぶゲームを揃えているかどうかが重要」という事を一つのベースにして、お話していきたいと思います。

 

覇権ゲーム機の裏に隠された弱点

「日々変化していく環境や価値観を持った人々に対して、多種多様なゲームを並べる」

ここ10年くらいの任天堂のゲーム機はそれができていなかった、私はそう考えます。

代表的なのがWiiです。

Wiiは世界累計1億3000万台以上を売り上げた、間違いなくビジネスとして大成功したゲーム機として歴史に名を刻んでいます。

ただ、Wiiはかつてのスーパーファミコンやプレイステーションの様にゲームファン全てに愛用されたゲーム機とはまた少し違ったものだったんですよね。

その頃の任天堂は「ゲーム人口の拡大」というのをテーマに上げていて、兎に角今までゲームに触れていなかった人を引き込もうと、様々なゲームを「親切で直感的にできるもの」にするという方向に兎に角舵を切っていました。

そして、今までゲームなどをまったくやったことがないような人も巻き込んで、みんなでゲームを遊ぶという文化を広げることを見事に実現したゲーム機なんですよね。

ゲームに全く関心がなかったどころか敵意に近いものを持っていた人も、ゲームで笑顔にしたわけですから。

これは本当にとんでもない話です。

しかしその一方で、元々ゲーム機に夢中になっていた人に関しては、あまり重要視されていなかったんですよね。

勿論『ゼノブレイド』や『零~月蝕の仮面~』と言ったような、コアなゲームファンが喜ぶ名作もありました。

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一見カジュアルゲーマーよりに見える『マリオギャラクシー』だって、物凄く丁寧に作られていて歴戦のゲーマーでも納得できるだけのクオリティはしっかりと持っていました。

しかし、任天堂自身は常にWiiと言うゲーム機を「ノンゲーマー、カジュアルゲーマーファースト」のポジションに立って大々的なコマーシャルを打っていたんですよね。

それが結果として「ノンゲーマーファーストのやり方では物足りない人たち」を遠ざけてしまった。

もっとハッキリいってしまうと、Wiiは昔から熱心にゲームを遊んでいるユーザーのに対してフォローするようなCMなどは殆ど打たなかった。

その結果、彼らに「自分たちのニーズを満たしてくれるゲーム機じゃない。」と見放されたという事なんです。

実際、私の当時のゲーム好きの友人の何人かは「リモコン振るとか無駄に疲れるでしょw」とか「浅そうなゲームばかり」なんて皆固定観念を持っていて、Wiiを完全にシャットアウトしていました。

私は任天堂のゲームが大好きだったので、その時はとても悲しかったです。

いつかこの人たちに「マリオギャラクシーって遊んでみると楽しいんだな」とか「任天堂のゲームってカジュアルに見えるけど奥が深いね」っていう事に気付いて欲しい。

そんな想いをずっと抱き続けていたような気がします。

私がこうしてブログで任天堂を応援しているのも、その時に抱いた悲しさや悔しさというものが頭のどこかに残り続けていて、それが後押ししているのかもしれませんね。

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時代とズレ始めた任天堂

WiiだけでなくDSのビジネス的な大成功をした任天堂ですが、後に発売された3DSやWiiUに対しても同じようなスタンスを貫いていました。

CMもひたすらファミリー、キッズ、ファミリー、キッズ推しですよ。

しかし、もうその頃にはWiiやDSのメイン顧客層であったファミリー層だったり、ノンゲーマー、カジュアルゲーマーはスマホという新しいムーブメントに飛びついて夢中になっていました。

子供達も初めて遊ぶゲーム機が、親が古くなって使わなくなったスマホだったりと時代が大きく変化しています。

その結果どうなったかというと、3DSとWiiUは前世代のハードから大きく販売台数を減らす事になります。

特にWiiUは国内でも300万台しか結果的に売れず、大失敗と言っていいでしょう。

Wiiは1300万台以上売れたのに、WiiUは300万です。

3DSは国内でこそ2000万台という大きな数字を出していますが、海外では5000万台くらい。

DSでは1億台を余裕で超えていたのが、3DSでは半分以下です。

ハッキリ言って完全に衰退してますよね。

日本に関しては3DSは圧倒的に売れている国民的ゲーム機ではあったのでそれほど実感はありませんでしたが、任天堂がWiiとDSの成功を引きずったままどんどん弱り始めている。

今振り返るとそんな暗雲が立ち込めていたような気もします。

WiiUは完全に失敗というのが早い段階で露呈し、3DSもピークを過ぎてこれから晩年に差し掛かるという事もあって、2014年辺りから投資家を中心に「ハード事業やめてソフト専門でやれ」という声も大きくなっていきました。

任天堂のゲーム機を愛用していたいちユーザーの私も当時は「このままだと本当に任天堂はダメになる」という危機感が正直ありましたね。

もちろん、そんな状況でも任天堂の出すゲームは相変わらず面白いんですよ。

丁寧で、ロジカルで、誰でも楽しめる。

こんなゲームは他所の会社じゃなかなか作れないと思います。

では、なぜその任天堂の面白いゲームが人々から訴求力を失っていったのか。

それは、簡単に言うと時代のニーズとズレた所があったからです。

WiiUが発売して半年後に出た『ピクミン3』はその分かりやすい例です。

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前作である『ピクミン2』はボリューム感もしっかりあってやり込みも楽しいゲームとして好評だったのですが、『ピクミン3』ではボリュームは削ってコンパクトにして、何度もゲームを繰り返してタイムアタックをするというストイックな方向性に変えてしまったんですよね。

加えてオンラインマルチプレイには対応しておらず、対戦も隣で肩を並べて遊べる環境のある人しか楽しめないようになっています。

当時は既にオンラインマルチプレイで、『バトルフィールドシリーズ』が32vs32でドンパチ撃ち合っていたわけですよ。

そんなオンラインゲームがワイワイにぎわっている横で「お家で肩を並べてゲームをしましょう!それがベストな楽しみ方なのでオンラインはついてません!」って。

正直言って、めちゃめちゃ時代遅れですよね。

「オンラインで遊びたい」とか「ソーシャルな機能が欲しい」とか、どんどん新しく追加されていく(多様化していく)ゲームファンのニーズに対して、全く応える気はないのかと。

今時タイムアタックをする人って、RTM勢のような本当にコアな人たちで、そんな二ッチなニーズよりオンラインで対戦を遊ぶ人の方が圧倒的に多いでしょって(苦笑)

このように折角ベースが良いものを作っているのに「なんで今どきこんな仕様にしているんだよ…」という事がWiiUのゲームに感じる事がとても多かった気がします。

そういうのもあってWiiUのゲームって友達になかなかオススメできなかったんですよね。

逆にWiiUを持っている友人からWiiUのゲームをオススメされたことも、殆どありません。

この時期の任天堂のゲームはファンとしても納得・擁護できないものも多く、私は「任天堂の暗黒期」と呼んでいます。

 

暗雲を塗り替えたイカ

WiiUが出て3年目あたりにになるころには「任天堂はポケモンだけのゲームメーカーになってしまうのか」という諦めムードに近い所まで私の任天堂熱はダウンしていました。

兎に角明るい材料がなくて、これからの時代はもはや海外で爆発的に売れているプレイステーション4が握っているぞって感じでしたしね。

しかし、この任天堂の暗黒期を打破するあるゲームが、私達任天堂ファンの前に突如現れます。

それは2015年の夏休み前に発売されました『スプラトゥーン』という名のゲームです。

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このスプラの何が凄かったって言うと、これまでの任天堂が頑なに守っていたものをことごとくぶち壊したゲームだったという事です。

例えば、ほぼほぼオンライン対戦に特化したところもそうですが、「発売当初は少なめのコンテンツで展開して、徐々にアップデートで拡張していく」という手法をを取り入れています。

私の知っている限りでは、それ以前の任天堂は「可能な限り完成品をユーザーに発売日に送り届ける」という所に強い拘りを感じていましたから、本当にびっくりしましたね。

更に面白いのが、インクを地面に塗るというユニークさで隠れていますが、ゲームの文脈が完全に現代のゲーマーが大好きなゴリッゴリのオンライン対戦シューティングだという事です。

それは、よりシンプルで幼児からおじいちゃんも含めた誰でも参加できるゲームを目指すという、それまでの任天堂のスタンスとは違うものですね。

このように、それまでの任天堂が築き上げてきたパターンを破ったスプラですが、多くの方がご存知の様に見事に大成功をおさめました。

実際、私の周りに一人しかいなかったWiiUのユーザーは、スプラ発売後に一気に5人くらいに膨れ上がりましたからね。

その中にはかつて「Wiiのゲームは子供向けのゲームだからやる気が起きん」と言ってたような人もいます。

当時全盛期に近かったニコニコ動画でも挙って実況プレイ配信されていて、最初の頃はそれこそ小学生くらいのキッズが盛り上がっているというよりも、もう少し上の10代後半の若者中心のムーブメントと言う感じでしたね。

それがどんどん若年層にも降りて行って正に社会現象というレベルへと成長。

あれよあれよと国内累計本数は150万本を超えて、スプラはWiiUのナンバーワンヒットタイトルになったわけです。

因みに、スプラはどういった方々が作ったかと言うと、元々『どうぶつの森』を作っていたスタッフの中でも若手の人たちを中心に集めたチームです。

Youtubeより出典。スプラとどうぶつの森という二大タイトルを手掛ける野上プロデューサー。今では任天堂を引っ張っていく重要なキーマンに。

宮本茂氏やゼルダの青沼氏のような、それまでの任天堂を引っ張ってきた人から見たら、新世代のクリエーターにあたる人たちですね。

そんな人たちがこれまでマリオやマリオカート、スマブラというブランド力の凄いゲームを出しても全然燃え上がらなかったWiiUに、全く得体のしれないイカでインクを撃ち合うという新規IPを作って燃え上らせたわけです。

こんな熱い展開って早々ないですよね。

これまで活躍してきたゲームクリエーターを思い浮かべてみても、ファミコン、遅くとも64や初代プレイステーションの時代から活躍している超ベテランばっかりじゃないですか。

宮本茂、堀井ゆうじ、小島秀夫…もう初老に差し掛かっているおじいちゃんや中年の後半に差し掛かっているおっさんばかりですよ(笑)

そういう人たちには絶対作れないような「ファッショナブルで今風のフレッシュなゲーム」にどデカいスポットが当たったわけですから。

これはもう、任天堂どころか家庭用ゲーム機に新しい時代が来たなと。

ただ、よくよくスプラを遊んでいて気付いたのですが「これまで任天堂が長年磨き上げてきたノウハウ」というものもしっかり詰まっているんですよね。

徹底的に磨かれた気持ちの良い滑らかな操作性ですとか、ユーザーを迷わせないかつ物足りないと感じさせない物の並べ方とか。

そういう大事な部分から細かいところまでも、任天堂のベテランの人たちがこれまで模索して掴んだものがしっかりと反映されているんです。

私はこの時に「スプラのようなゲームや手法が今後の任天堂の柱」になると予感したんですよね。

もし、スプラのような若さと成熟が絶妙に上手く交じり合ったゲームをこれから何作も積み重ねれば、絶対任天堂は復活できると。

その予想は皆さんご存知の通り、任天堂はNintendo Switchで再び家庭用ゲーム機の雄として盛り返したという事で当たったわけですが、その辺りの話は後程詳しくお話していきましょう。

 

第二の柱へ

スプラのヒット以降、任天堂関係でまた一つ大きなムーヴメントが起きます。

2016年と言えばそうです、『ポケモンGO』のリリース開始ですね。

スマホの位置情報を使って現実世界を歩き、ポケモンを捕まえる。

このゲームはもう大ヒットとか社会現象のレベルじゃなくて、世界規模でとんでもないうねりの様なものとして広がっていったのを、多くの方が実際に体感したのではないでしょうか。

最近でも10億ダウンロードされたという話も出ていましたが、とんでもない数字ですよね。

リリースからもうすぐ3年経ちますが、最近でも私の家の近くの公園に、レイドバトルをするためにワラワラと沢山の人が集まってくるのを目にします。

まぁ個人的に一番びっくりしたのが、自分の会社の社長(50代後半男性)も遊んでいたっていう事なんですけどね…それもかなり熱心っていう(笑)

滅茶苦茶忙しい生涯仕事人みたいな人が、新しいポケモンがどうのとか楽しそうに喋るのを見る度に「凄い時代になったなw」と思うわけです。

兎に角ポケモンGOによって、世界中の幅広い人種や年齢を超えた人々にポケモンと言う存在が受け入れられたわけですが、実はポケモンGO自体は任天堂が作ったゲームではないんですよね。

ナイアンティックという会社が実際は運営していて、任天堂はそこにライセンスを貸しているというのが実情です。

一方任天堂自身としてはスマホアプリを2016年からリリースし始めたわけですが、最初の頃の『Miitomo』や『スーパーマリオラン』を出していた時点では、正直アレアレ?という感じで決して幸先の良いスタートではありませんでした。

マリオランはゲーム自体に関しては良くできていたのですが、1500円で買い切りというマネタイズがスマホのメイン客層にに受け入れられなかったっていう残念なところもありましたけどね。

しかし、その後から続く『ファイアーエムブレム ヒーローズ』や『どうぶつの森 ポケットキャンプ』、『ドラガリアロスト』、『ドクターマリオワールド』と1年に2本ペースで基本無料のタイトルを増やしていく中で安定感を見せます。

この中で特に『ファイアーエムブレム ヒーローズ』は、日本だけでなく海外で人気を上げたことによって任天堂の稼ぎ頭として物凄い利益を上げていますね。

ファイアーエムブレムと言えば、任天堂の中でも割とマニアックな方のゲームです。

それが任天堂のアプリの中でもトップリードしているって言うのは本当に意外でした。

こういった成功例もあるわけですが、家庭用ゲーム機で無双しているイメージが強すぎるせいか、パズドラやモンスト、FGOという列強に上位を抑えられているスマホ事業はあまり成功してないんじゃないかという見方をする人もいると思います。

しかし、任天堂が強いのは日本だけでなく、海外の欧米やアジア諸国でもそれなりに人気があるという所なんですよね。

それこそアメリカなんかは、ドラゴンボールのドッカンバトルが向こうで定着しているくらいで、パズドラやモンストなどは日本と比べてかなり大人しい印象です。

そういう国にも任天堂はファイアーエムブレムなどのアプリで、存在感を出していけるというのが非常に大きいですね。

現に日本のスマホゲー市場で王者の様に活躍しているサイゲームスも「海外でアプリを展開したい」という事で任天堂と共同開発で『ドラガリアロスト』を作っていますから。

因みに、任天堂がこのようにスマホ事業を展開したことによって、家庭用ゲーム機ファンに対して二つの恩恵があったと考えます。

ひとつは「カジュアルゲーマーやゲーム初心者」というのをある程度スマホ向けに、任天堂自身が割りふれるようになったという事にあります。

これまでの任天堂は、DSやWiiのように家庭用ゲーム機の中で「普段ゲームをやらない人を含めて誰でも遊べるゲーム」というのを提供してきたわけですが、幸か不幸かそういったゲーム初心者やカジュアルゲーマーというのはスマホに今大多数流れています。

ですから、家庭用ゲーム機に対しては「より本格的なゲームを楽しみたいよねっていう人に割り切って作れるようになった」と私は考えます。

現にNintendo Switchのゲームの多くが、少し前までの任天堂から比べるとかなりゲーマー受けを意識したような作りにもなっているんですよね。

勿論カービィのような小さい子でも遊べるようなゲームも用意しているんですけど、例えば任天堂の象徴でもあるマリオですら、よりコアなゲームユーザーが楽しめるようなメカニックを取り入れたりしています。

この結果「ライトユーザー重視」「キッズ重視」「ファミリー重視」という偏ったイメージが薄れていきます。

それともう一つ、スマホ事業によって得た恩恵と言うと、スマホアプリで得た利益や人気増加によって家庭用ゲーム機のゲーム制作に更に投資できるようになったという事ですね。

最近発売された『ファイアーエムブレム 風花雪月』が正にその例です。

開発者曰く「スマホアプリの成功のお陰で今まで以上にリッチに作る事ができた」とインタビューでも語っていますが、スマホで稼いで、家庭用ゲーム機に還元という事が実際に行われているという事です。

これは私を含む家庭用ゲーム機派の人には、実に理想的な展開ですよね。

ヒーローズの課金者の皆さん、ありがとうございます!(私は無課金派です!w)

しかも、海外ではSwitch人気とアプリ人気が合わさって、風花雪月の売り上げは爆伸びしているとか。

風花雪月は今海外で出ている情報だと、イギリスやスペインなど欧州諸国では前作『ファイアーエムブレム if』の2倍以上の売れ行き!

アメリカに至ってはここ数年見られないような深刻な品薄状態になっており、完全に任天堂の想定していた以上の需要が発生しているようです。

スマホ事業を任天堂が始めた当初は「スマホに追いやられて仕方なくやる事になった」というようなイメージがありましたけど、こうして3年ほど経った今、任天堂のゲームを広めていくためにスマホは重要なものであるとポジティブなイメージへと変化していってますね。

スマホとSwitchの両輪が上手く回り始めたというのを、最近はひしひしと感じ始めます。

 

Switchで任天堂が復活したワケ

ここまでお話しした流れをいったん整理していきましょう。

元々任天堂は10年ほど前から「ゲーム人口の拡大」をテーマに「普段ゲームをやらない人ファースト」でゲームを作ってきました。

それは計画以上の大成功を収めたわけですが、その一方では「従来のゲームを熱心に遊んできた人たち」に反発された現実もあったわけです。

そういった課題点を抱えたまま、次世代機のWiiU3Dの時代に進むわけですが、それまで任天堂が主要顧客としていた「カジュアルゲーマーや普段ゲームをやらない人達」がスマホに流れていきます。

任天堂はその流れにかじ取りが間に合わず、かと言って「従来のゲームを熱心に遊んできた人たち」に振り向いてもらえるゲームを作れていたかと思いきやそうではありませんでした。

そんな苦しい状況の中で、登場した『スプラトゥーン』が旋風を巻き起こしたことで、任天堂はオンラインとの付き合い方や今のユーザーが何を求めているのかというものを見出します。

また、スマホ事業がスタートしたことで「カジュアルゲーマーや普段ゲームをやらない人」に対してはそちらでアプローチするというスタンスを確立。

任天堂はこうした変化の中で、次のステップとしてNintendo Switchという新しいプラットフォームを展開する事になったのです―

これが今までお話してきた流れになりますが、ようやくここから Nintendo Switch を主役にしたお話になります。

ここまで来るのに随分と長くなってしまってスイマセン(苦笑)

Nintendo Switchは久しぶりに日本だけではなく世界的に盛り上がっている任天堂のゲーム機ですが、その盛り上がりの要因として冒頭で申し上げた、

「日々変化していく環境や価値観を持った人々に対して、価値のある多種多様なゲームを並べる」

というのが一つ大きなポイントになっていると考えます。

Switchはやれ「AAAの超大作がない」だの「任天堂のゲームしか売れない」といった所に、ウィークポインとがあるという意見をメディア含めてチラホラ見かけます。

しかしながら、今まで色んなゲーム機を持っていた私から見る限りでは、こんなに色んなジャンルやタイプのゲームに人気が分散しているゲーム機ってなかなか今までなかったと思うんですよね。

それこそ今のPS4とかXbox Oneを見れば分かるのですが、大体他のゲーム機をけん引しているゲームソフトは剣を振り回したり、銃をぶっ放すアクションゲームまたはシューティングゲームです。

Switchはそういったゲームだけでなく、ポケモンのような収集型RPGですとか、ファイアーエムブレムのようなシミュレーションRPGですとか、2D横スクロールのマリオですとか、皆でワイワイ楽しむマリオパーティですとか…。

もう多種多様なゲームが人気ゲームとして並んでいるわけですよね。

どれも任天堂のゲームですが、任天堂のゲームと一口に言っても滅茶苦茶なくらい色んなジャンルのゲームを作っている会社なんです。

勿論ソフトメーカーの超大作ゲームが沢山出るに越したことはないと思いますが、一番大事なことはそれよりも「任天堂がどれだけ多様なニーズに応えられるように沢山ゲームを出せるか」という事ではないかなと思うんですよね。

WiiやWiiUではそれができませんでしたが、携帯ゲーム機と据置ゲーム機で分散していた開発をSwitchに集約した結果、色んなゲームを出して様々なニーズに対応してきています。

一つ一つのゲームの中身に関しても、先ほどお話ししたスプラの成功によって得た「時代にあったゲームの作り方」を取り入れる事で、任天堂のゲーム全体が若返っています。

その結果として、多くのゲームが過去作の売上や評判を塗り替える勢いを持っています。

例えば『ARMS』や『マリオテニス エース』等はすぷらにならってオンラインイベントや定期的な拡張を重ねてコンテンツを増やしていくスタイルを採用しています。

『スーパーマリオメーカー2』では今までタブーの様に避けてきたオンラインマルチが遂に搭載されましたし、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』に対してもスプラでやったような大規模のゲーム大会を任天堂自身が開催して盛り上げています。

こうやってスプラの若さと勢いを他のゲームにならわせることで、随分と任天堂のゲームは活気を取り戻しています。

それだけでなく、「普段ゲームをやらない人」「カジュアルゲーマー」をスマホアプリでアプローチするという割り当てができたことで、家庭用ゲーム機を欲しがるようなややコアなゲーマーにも訴求できるようなゲームも作りやすくなったわけです。

確かにサードパーティのAAAタイトル(超大作)が不足しているというのはどうにも拭えない弱点であるのは事実です。

しかしその代わりに、インディーズタイトルや中小規模のゲームは今沢山リリースされていて、ゲームの発売本数だけを見れば他のどの家庭用ゲーム機よりも豊富になっています。

インディーズのゲームも、少し前までは「どこぞやの素人が作ったゲーム」みたいな偏見がありましたが、今や下手な大手のゲームよりも売れているものも沢山ありますからバカにできません。

『マインクラフト』はその筆頭になりますが、他にも『ショベルナイツ』や『アンダーテイル』などのように世界で何百本という規模でインディーズゲームが売れる時代になっています。

私が最近インディーズのゲームでビックリした話で言うと、6歳になった甥が「今は警察のゲームを遊んでいてすごく楽しい」って言うので何のゲームのことかよくよく聞いてみたんです。

そしたらどうやら『ヒューマンフォールフラット』のことらしく、警察の格好をしたキャラクターで遊んでいたという事だったんですよね。

昔で言うとこのくらいの年齢の子供やカジュアルなゲーマーの人は、殆ど大手の有名なゲームしか選択肢になかったと思います。

それが今の時代はインディーズのゲームも視野に入っているんだなと。

実際、大手家電量販店のゲームコーナーに行くと「インディーズゲームをSwitchで遊ぼう!」みたいな広告が貼られたりしてるんですよね。

それだけじゃなくて、よゐこの実況動画や低年齢向けの動画番組『ネコマリオタイム』でインディーズの魅力を紹介していたりして、積極的に面白いゲームは大手の大作だけじゃないんですよって大々的にアピールもしています。

そういった任天堂の施策が、結果として大人だけでなく小さな子に対しても効果としてちゃんと出ているんですよね。

私はこういう所でも「あぁ、任天堂って前と変わったよね」と言うのをしみじみ感じます。

決して大きなニーズがあるわけではないですが、ギャルゲーや乙女ゲーのようなものをどんどん増やしていっているのもそうですね。

今までの任天堂はこういった二ッチなゲームに対して関心が薄そうに見えましたが、『ファイアーエムブレム 風花雪月』のキャラクターデザインに乙女ゲーの有名なデザイナーを起用したりして相乗効果みたいなものを狙っている気配すらあります。

ギャルゲーメーカーの開発者の人の話で、「任天堂さんにSwitchに参入したいと話を持ちかけたら、かなり熱心に受け入れてくれてビックリした」という話も出ていましたね。

最早今の任天堂は「〇〇ファースト」というものは捨てて、「全ての人に愛されるゲーム機になるように兎に角沢山のゲームを集める」という事に突き進んでいるようにしか、私には見えません。

Switchが今後どこまで伸びるのか、はたまたどこかでつまづいてしまうのか、私のようないちユーザーには推し量れませんが、少なくともWiiやWiiUの時代の任天堂と今の任天堂は全く違うという事は分かっています。

ですので、今後のSwitchの展開は非常に興味深いですし、ファンとしてはしっかりこれからも応援していきたいですね。

 

最後に

今回お話しさせて頂いた内容は任天堂の長い歴史の中でも、ほんの一部分であり、さらにその中でもある一つの側面だけで語っています。

人によっては同じ歴史でも違った見方や意見があると思いますが、当記事を見て共感して頂いたり、あるいは「それは果たしで正しいのだろうか…」なんて考える機会にして頂けたら幸いです。

私個人的にはここ数年の任天堂の復活劇と言うのが、ボロボロになった主人公があるきっかけでパワーアップして敵を倒す、みたいな感じで単純に好きということもあって長々と語らせて頂いた次第です。

また、こういった任天堂の歴史を元に、いちユーザーの視点で考察しながら振り返るというのを別の角度からもやっていきたいと思いますが、その時も懲りずにお付き合いいただけたら嬉しいです。

長文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

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