こんにちは、管理人のにぃどです。
私は今まで色んなスマホゲームを遊んできましたが、今主流の基本無料系ゲームが肌に合わないタイプの人間です。
テレビを見ながら片手間で遊ぶとか、デイリーボーナスをもらうためにオートでクエストをこなすとか。
そういう惰性的なプレイになりがちなゲームではなく、ちゃんとゲームと向き合って熱中したり、頭を使って何かを達成したい気持ちが強いんですよね。
ガチャ前提でゲームバランスがとられていて、ゲームの面白さ=ガチャみたいな構図になっているものが多いのもあまり好きではないです。
そんな、ややアンチスマホゲー寄りな私が今回プレイしたのは、スマホ向けパズルゲーム『ドクターマリオワールド』です。
本作は、典型的な基本無料、ガチャありのゲーム。
正直言って「任天堂」「ドクマリ」というブランドがなければ、プレイしていなかったでしょうね。
ただ、このゲームに関して率直な感想を言うと、
基本無料のスマホゲーなのにゲーム性が高く、かなり熱いゲームなんですよね。
配信開始からのこの4日間でクリアしたステージは100を超え、ドハマり状態になっています。
悔しいですが、Switchのゲームそっちのけでスマホアプリに興じてしまっていて、ブログ名を「Need for Smartphone」にしそうな勢い(笑)
今回はそんな本作について、以下の3つの内容を中心に語っていきたいと思います。
1.家庭用ゲーム機のドクマリとの違い
2.一人用と対戦モードのサイクル
3.任天堂が課金に本気な件
価格:基本無料
メーカー:任天堂
ジャンル:パズル
プレイ人数:1~2人
オンライン:あり
暴力表現:なし
目次
家庭用とは全く異なるドクマリ
ドクターマリオと言えば、ファミコンから続く伝統的な「任天堂の落ちものパズル」です。
テトリスの様に、上から落ちてくる色付きのカプセル。
このカプセルを、画面内にはびこる細菌に対して、同じ色で3つ以上並べて駆除していく。
超シンプルなルールが誰にでも楽しめるゲームとして、昔から根強い人気がありますね。
ただ、本作はこれまでの一般的なドクマリのイメージとは大きく異なった内容になっています。
ファミコンから続くクラッシックなドクマリではなくどちらかというと、3DSでダウンロード配信された、タッチペンで遊ぶ『細菌撲滅』に近い感じですね。
SNS等を見ていても、イメージとは異なる別物っぷりに戸惑う声も多く、
「こんなのドクマリじゃない!」
「スマホのは別物…でもこれはこれで面白い!」
といったように意見は賛否様々です。
任天堂はこれまでも、「どうぶつの森」や「ファイアーエムブレム」などの人気IPを、家庭用ゲーム機のものとは大きく差別化した内容で、スマホにリリースしてきました。
今回のドクマリも同様で、ある意味任天堂らしい「スマホに合わせたゲームとして別物に作り直す」という姿勢を感じますね。
では、具体的に本作はどのように従来とは別物仕様のパズルゲームになっているか、まずはご紹介していきましょう。
落ちモノではなく浮きモノパズル
画面上の細菌を全て消滅させるという基本の部分は従来のドクマリと同じで、カプセルをタッチで回したり動かしたりと指で直接操作していきます。
そして、これまでのドクマリとの明確な違いとしてあるのが、「カプセルが落下ではなく浮上する」という事です。
なぜこのように下から上にという形になっているかというと、答えは明白。
本作はスマホを縦持ちでプレイする様になっていますので、上からカプセルをタッチ操作すると指で画面を隠してしまうからですね。
カプセルを置くべき箇所が指で見えなくなってしまうので、上下ひっくり返そうというシンプルかつ大胆なアイデアと言えます。
詰み将棋系のゲームデザインに
ドクマリと言えば「次々と自動でカプセルが投入される中で、いかにして冷静な判断を下せるか」というのが面白さの一つでした。
しかし本作では、カプセルは自分で投入しない限り、カプセルは手元に待機したままです。
ですので、じっくりと一手一手を考えながらプレイすることが可能です。
その代わり、ステージ毎に使えるカプセルの数が決められているので
「できるだけ無駄なく効率よく細菌をいかに消滅させられるか」
という事が求められるゲームと言えますね。
急かされてパズルを解くというのが苦手な私には、この仕様が物凄くマッチして楽しいですね。
中には時間制限のあるステージもありますが、苦手な人はスルーすることも可能です。
スマホといういろんな場所で触るデバイスだけに、常に急かして遊ばせるという所を脱却させたのは正解でしょう。
そういったスリリングな遊びがしたい場合に、シングルモードとは別の対戦モードが用意されているというのも抜かりないですね。
ギミックを盛り込んだ遊びに
本作では、ストイックに細菌を消し続けるものだけでなく、様々なギミックを用いてステージデザインがされています。
例えば、滑って横一列を消す甲羅や、周りの細菌やブロックを爆発で巻きこむ爆弾といったように、上手く利用することで効率的に細菌を消滅できるものがあります。
逆に、障害物となるブロックが置かれていたり、カギを開けないと開けられない保護の檻などもあるステージがあったり、プレイヤーにとって不都合なものも当然あります。
これらのバリエーションが豊富なお陰で、私は100ステージ程遊んだ今でも全然飽きを感じていないんですよね。
これまでのドクマリにはない新鮮な感覚を感じさせる、大きな要因の一つとも言えますね。
個性を持ったキャラクター
本作では、マリオやピーチといったお馴染みの『スーパーマリオシリーズ』に登場するキャラクター達を、デッキの様に組んでプレイします。
それぞれのキャラクターには、必殺技や対戦時に適応される能力が差別化されおり、どのキャラを使うのかは重要なポイントになっていますね。
特に対戦では、キャラの性能や使い勝手が戦法にそのまま直結します。
例えば、クッパは相手に妨害を他のキャラよりも沢山送り込めるけれど、他のキャラよりもゲージが貯まりにくい。
ピーチはゲージが貯まりやすく、どんどん妨害を送り込めるが、1回のインパクトが小さい。
それぞれに、こういった個性付けがされているおかげで、キャラを集めるのがただの単純なコレクションで留まっていない所は良いですね。
「ガチャ」で自分に合うキャラをゲットできたときは非常に嬉しいです。
好循環を生む一人用と対戦のサイクル
本作は、一人用の「ステージモード」と対戦の「VSモード」という、二つのモードの両輪で構成されています。
基本的に「VSモード」を遊びたくない人は、ひたすら「ステージモード」で遊んでいても良いですし、逆も然りです。
ただ、どちらか片方だけではなく、両方をプレイする方が効率的になっていて、
「多くのプレイヤーが、ステージとVSの両方を行き来する」
そんなゲームとして意図してデザインされているんでよね。
サラッと何気なくやってのけていますが、このように各モードのバランスやサイクルが上手く成り立っているのは、あまり類を見ないかもしれません。
多くのゲームは「ソロよりも対戦ばっかりやっている」「ソロは楽しめたけど対戦はつまらなかった」といったように、どちらかが犠牲になっているパターンが多いですからね。
ソロで遊んだら次は対戦、対戦を遊んだらソロ…といったように別々のモードをとっかえひっかえして遊ばせることは、ゲームを飽きにくくさせる効果もあると感じます。
あと、中毒性も…ですね(笑)
では、「ステージモード」と「VSモード」がそれぞれどのような仕組みになっているのか、どのように両者がサイクルしているのかを、ここで少し掘り下げていきましょう。
膨大なボリュームのステージモード
ステージモードでは『スーパーマリオ』の様に用意されたマップを、ステージ1から順番にステージをクリアしていくスタイルです。
途中に脇道の高難易度ルート(時間制限ありルール)もありますが、基本的に1本道ですね。
冒頭で私がサラッと100ステージクリアしているとお話ししましたが、今配信されている全体のボリュームで見ると1/4も到達していない序盤です。
暇さえあればやり続けているので、少なくとも15時間以上は遊んでいるはずなのに…(笑)
画面をスクロールして先を見てみると
「これ全部クリアするのにどれだけ時間がかかるんだろう…」
と絶望感を与えるくらいのステージ数が存在していますね(笑)
スマホのゲームの立ち上げ初期は、どのゲームのボリュームもそこまで大きくないものです。
ゆえに、あっという間にコンテンツを消化してしまったプレイヤーが続出して、同じことを繰り返すマラソン状態になりがちです。
しかし、本作に関しては、その心配はなさそうですね…。
パズルゲームとしては結構歯応えがある難易度になっているので、相当長く楽しめるようにできています。
※ただし一部のスーパープレイヤーや廃課金者は除く。
因みにステージモードをプレイすることで、コインやチケットなどを手に入れることができます。
これらはガチャを引くために必要なものなので、おのずと必死にクリアを目指す事になります。
成績によって星三段階に分かれていて、「☆1は50コイン」「☆2は100コイン」…といったようにステージを高評価でクリアするメリットもちゃんと用意されていますね。
熱すぎる対戦モード
本作は、近くの人だけでなく、オンライン上で1vs1の対戦が可能です。
基本的なゲームルールは「ステージモード」と同じものですが、決定的に違うのは「相手と戦って潰しあう」という事です。
1人用の「ステージモード」では、あくまで自分との闘いで、じっくり考えながら遊ぶことが許されます。
しかし、対戦モードでは、相手に勝つために「素早く細菌を処理して相手を妨害する」ということが何よりも優先になるんですよね。
細菌を消していくと溜まるゲージが満タンになると、相手にお邪魔攻撃!
ガンガン細菌を消しまくれ!
このスピード感あるバトルは「ステージモード」とは全く異なる体験を提供しています。
また、オンラインのVSモードでは、勝敗によって上下するレートがあり、腕の近い人とマッチングするようになっています。
腕の近い人たちと競争し合い、勝ち進めばリーグ1、リーグ2と昇格していく(負ければ降格もあり)ので、戦いはいつも真剣勝負!
リーグの初昇格の他に、7回勝利すればゲットできる報酬もありますので、やりがいも非常にありますね。
また、「VSモード」ではステージモードの様な制限はなく、いつでも好きなだけプレイできるところも良いですね。
ただ、集中力を凄く使う対戦なので、長時間プレイをするのは相当タフな人でないと厳しいかもしれません(苦笑)
より効率的にコインを得るために、二つのモードを交互に遊ぶ
「ステージモード」と「VSモード」を繋ぐ存在が、「ガチャ」です。
ガチャを引くために必要なのは、各モードをプレイしてゲットできるコインか、リアルマネーを払って購入するダイヤが主です。
札束で物を言わすプレイヤーはさておき、やはり多くのプレイヤーが「ガチャ」を引くために積極的に二つのゲームモードを遊んでコインを集める事になるのではないでしょうか。
コインは「ステージモード」「VSモード」どちらでも入手が可能ですが、できるだけ無課金で遊ぶというスタンスなら、両者を交互に遊ぶのが効率的になっています。
では、なぜ両者を交互に遊ぶのが効果的なのか。
それには、それぞれのモードで仕掛けられたバランスが理由としてあります。
・ステージモードだけを遊んでいるとハート(俗にいうスタミナ)が枯渇する。
・VSモードは間を開けないと効率的にコインが貯まらない。
つまり、どちらか二つのモードを連続して遊んでいると、コインの入手がすぐに頭打ちになります。
しかし、
「ステージモードを遊んでいるうちに、VSモードの報酬が得られるチャンスが来る」
「VSモードを遊んでいるうちに、ステージモードのハートが貯まる」
といったように二つのモードをプレイすると、適度に二つが循環する様に遊べるようになるんですよね。
ついに課金に対して本気になった任天堂
任天堂がこれまでリリースしてきたスマホアプリはどれも「課金の必要性」というものが、他のものよりも薄かった印象があります。
その理由としてあるのが、課金してゲームが有利になる「Pay to Win」の感覚が薄かったからなんですよね。
「特定の期間限定キャラクターが欲しい!」といったような、趣味の問題で課金をせざるを得ない所はあります。
しかし、純粋にゲームプレイ部分において「課金したことで明らかにゲーム部分で優位に立てる」という所があまりなかった。
それよりもキャラクターをコツコツ育てたり、長くプレイすることが大事というイメージですね。
しかし、本作は今までと打って変わって、堂々とした課金者優遇な「Pay to Win」のゲームとしての在り方を貫いています。
任天堂はSwitchなど家庭用ゲーム機を収益の柱にしていましたが、今後はスマホももう一つの柱にしたいという事を掲げていることからも、意図的にそうしているのでしょう。
では、本作がどのようにして課金者を優遇しているのかという話ですが…
簡単に言うと「課金するほどステージが次に進みやすくなる」「課金するほど相手よりも強いキャラクターを使えるようになる」という事です。
本作では、既に持っているキャラをガチャで引く事によって、キャラのレベルが上がるという仕様になっています。
ですので、課金して沢山ガチャを引いたり、ガンガンステージを突き進めてコインを収集した方が有利になる、という訳なんですね。
この先バランスがどうなるか分かりませんが、VSモードで上位のリーグに上がるならガチャを積極的にやった方がいい、というのは恐らく多くの人が理解しているのではないでしょうか。
中にはこのことに対して「任天堂がPay to Winのガチャに走った」という批判をする方もいらっしゃると思います。
ただ、これに関しては「スマホゲームユーザーのニーズがそうさせてしまった」という部分があると思うんですよね。
任天堂がスマホで買い切りの『スーパーマリオラン』を発売した際に、沢山の人から以下の様な批判を沢山受けました。
「スマホのゲームをプレイするだけなのに、お金を取るのはおかしい!」
「他のゲームはプレイするだけならタダなのに!1500円とか高すぎる!」
こういった民意にいきなり直面した任天堂は、以後のゲーム全てを基本無料のスタイルで提供しています。
更には、スマホの事業での収益を上げようとなった今、課金をすることの意義をゲームの中に盛り込んでいくのは避けられません。
普段は己の信じた道を進む良くも悪くも頑固な任天堂が、ボキボキに折れて世の中の流れに迎合せざるを得なくなった。
ここには、いち任天堂ファンとして同情する部分もありますが、同時にゲームプレイヤーとして残念に思う気持ちもあります。
ゲームの出来は良いんだから、それこそSwitchでも出せばいいのに…。
そんな事をふと考えさせられるゲームですね。
まとめ
それでは最後に、本日お話しした内容を簡単にまとめて、総括していきます。
・これまでのドクマリとは異なる仕様を沢山盛り込んで、ドクマリワールドならではの体験が楽しめる作品としてしっかり仕上がっている。
・1人用モードと対戦モードの両方を遊ばせるメリットを与えることで、プレイヤーを飽きさせず、熱中させることに成功している。
・露骨な「Pay to Win」は純粋にゲームの腕を競い合う対戦を求めると、複雑な心境になる。
任天堂とLINEというパズルゲームを得意とする二社が組んで開発しただけあって、非常に出来が良い。従来のイメージとは大きく異なる仕様が沢山盛り込まれているので最初は混乱する。しかし、固定概念に捕らわれないパズル好きな人ならどっぷり病みつきになるだろう。課金を促すデザインは個人的に残念ではあるので、Switch等で買い切りでの発売も望みたいところだ。