本日はNintendo Switchにて2019年5月23日発売『biohazard HD REMASTER(バイオハザード HD リマスター)』の評判調査&レポートをしていきます。
本作のオリジナルは2002年にゲームキューブで発売された作品で、初代バイオハザードのリメイクです。
産みの親である三上真司氏直々に当時の技術によって磨き上げられたリメイクは、当時非常に高く評価され傑作として語り継がれる作品となりました。
そして今回、SwitchにもHDリマスターが改めて移植されることになったわけですが、何分相当昔のゲームです。
やっぱり気になるのは「今遊んでも面白いゲームなのか?」あるいは「元々の遊んだことないけど楽しめるのかな?」という所ではないでしょうか。
そこで今回、発売に先駆けて現行他機種のレビュー・感想を元に、現代のSwitchユーザーでも十分楽しめるのもなのかを探っていきたいと思います。
価格:3,300円
メーカー:カプコン
ジャンル:アドベンチャー
プレイ人数:1人
オンライン:なし
暴力表現:あり
本作の概要
評価の話をする前に、まずは本作がどんなゲームなのかをこちらで改めてご紹介しましょう。
本作のキャッチコピーは「そこを歩く、という恐怖」です。
先の曲がり角の向こうに何かがいるのではないか?と震えあがる恐怖感。
手持ちの弾薬やアイテムが尽きてしまうのではないか?と常に漂う緊張感。
初代のバイオハザードが持っていたそれらの特徴を、徹底的に磨き上げた作品となっています。
最近のバイオハザードと本作では全くゲームシステムが異なっています。
まず、ぱっと一目で分かるのがカメラです。
各部屋、各シーンで固定されたアングルの俯瞰視点になっています。
昔懐かしい感じがしますね。
俯瞰視点なので細かく照準を合わせて狙うような、シューティング要素もありません。
敵の方を向いて攻撃ボタンを押せば、敵に攻撃を当てられます。
最近のシリーズ作から見ると、かなりシンプルなアクションのシステムですよね。
この頃のバイオハザードは、敵を倒す楽しさや達成感よりも
「いかにアイテムを節約しつつ、生存するか」
というサバイバル要素にフォーカスしていました。
敵と戦う事も時には必要ですが、あまり積極的に戦っていると弾薬が尽きてしまいます。
戦わず逃げられるのであれば、戦わないという選択を選びたい。
しかし、仮に倒さないと何度も厄介な目に合ってしまうなら、倒すべきかもしれない。
そんなせめぎあいの中で、手持ちのアイテムを考えながら、生き残る最善を尽くすというのが面白さの肝になっています。
リメイクでは、原作にはなかった要素が沢山盛り込まれています。
謎解きや建物の構造自体をデザインし直されたのもそうですが…
特筆すべきは、ゾンビを一度倒しても安心できないという不確定要素です。
本作のゾンビは、恐ろしいことに倒した後も「クリムゾンヘッド」と呼ばれる、強化されたゾンビとして復活する可能性があります。
【 ゾンビを倒した場所 = 安全な場所 】という認識がクリムゾンヘッドによって崩され、来た道を戻るのにもドキドキさせられてしまう訳ですね。
その他にも、追跡者的なクリーチャー等全く初代の原作にない要素が満載です。
元々あるものに磨きをかけるだけではない。
原作を知り尽くした人でも新しいゲームとして遊べるような施しがあったからこそ、傑作リメイクとして後世に名を残した作品である。
そう言っても過言ではないでしょう。
メディアの評価
ここからは海外のメディアが、どのように本作を評価したかを見ていきましょう。
いつものように、🔗Metacritic🔗のメタスコア※を参考に見ていきたいと思います。
※世界中のレビューの点数を集計し、平均値化した数字。
既にPC/PS4/Xbox One等複数のハードで発売されていますが、最も参考にしやすいのはレビュー数が多いPS4ですね。
そして気になるメタスコアは…
83点!
かなり古いゲームながらも、ポイントが高いですね!
他の機種でも大体80点前半で、大きくギャップが開くことはありません。
因みに、オリジナルのゲームキューブ版のメタスコアは…
91点!
その年を代表するような超高得点ですね!
8点差はとても大きいですが、やはり10年以上の年月が経ってしまっているため致し方がないといったところでしょう。
圧倒的な80点台の多さ(笑)
片寄りが凄まじいですね。
殆どの人が今でも80点台は付けても良いゲームだと高く評価しています。
・元々のゲームデザインが優れているお陰で今でも楽しめる。
・操作が改善されて遊びやすくなった。
・サウンドが改善され恐ろしさが増した。
・固定カメラのアングルが良い。
・書き込まれたグラフィックが細部まで見れるようになって美しい。
高評価レビューの多くが、「元々のゲームが良くできていて、リマスターによって現代でも通用するゲームになった」とコメントしています。
面白いのは、不評の要因になりそうな固定カメラを「映画のシーンの様」だとポジティブに受け止めている人たちがそこそこいたという所でしょうか。
・改善されたはずの操作は固定カメラと相性のせいで煩わしい。
・パズルで往復させられてめんどくさい。
・アイテムボックスの管理もめんどくさい。
・戦闘が戦いにくい
本作ではラジコン操作だったのが、アナログスティックの向けた方向にカメラが動く普通の操作でできるようになったという改良点があります。
しかし新操作の場合、スティックを傾けたままカメラのアングルが変わると、進みたい方向の向きがひっくり返ったりして、意図しない方向にそのまま進んでしまうという問題を指摘しています。
また、最近の親切なゲームと違って、色々と手間をかけさせる仕様についても言及が目立ちますね。
▼以下レビューの一部抜粋
ユーザーの評価
古さを感じる感じないで票を分けてい要る部分はありますが、概ね好評のメディアに対してユーザーはどんな反応を見せているのか見ていきましょう。
🔗Metacritic🔗のユーザースコアは…
8.3/10.0点!
メタスコアとぴったり一致です。
中身についてはメディアが概ね「現代人でも楽しめるよ」という意見が多かったのに対して、ゲームキューブ版を遊んでいない人が遊ぶのはちょっときついかもしれないという意見が目立ちますね。
それと値段が安い($20)を褒めているものが多いです。
ユーザーにとってはコストパフォーマンスも重要な評価点ですからね。
▼参考になったと多数投票されたユーザーレビューの抜粋
・元々が面白いゲームだったし、HDバージョンがこの値段!カプコンはいい仕事をした!
・難易度が高いというよりも操作が難しい。ゲームキューブ版が好きだった人は良いけど、そうでない人は微妙。ただ、『サイコブレイク』を1本購入するよりも、本作を3本買ったほうが良いのは確か(笑)
・戦闘は受け入れがたいな。固定カメラは先が覗けない怖さとか雰囲気を出していると思う。パズルもとてもよくできている。
・カメラ固定のお陰で怖さを引き出しているね。新しい操作は個人的に問題なく馴染めたよ。
・ビジュアルはギリギリだけど雰囲気やサウンドは最高。ただ古いタイプのバイオハザードを初体験する人はちょっときついかもね。クリムゾンヘッドは緊張感を失わない良い要素だと思う。
サイコブレイク1本よりも…の下りはちょっとクスッとしてしまいました(笑)
因みに、サイコブレイクは本作のディレクター三上氏がカプコンを独立後作ったサバイバルホラーです。
まとめ
メディア評価では概ね今遊んでも楽しいゲームとして評価されていますが、一方でユーザーの評価は未経験者が遊ぶにはちょっと微妙という意見が目立っています。
ゲームデザインについてはやや賛否が分かれがちなのは、もう10年以上前のゲームなので致し方がないといったところでしょう。
逆に雰囲気やサウンドなど演出についてはリマスターで強化された分メディア、ユーザと共に評価が高いです。
本作の映像や雰囲気に惹かれた人が購入する分には満足度が高そうですね。
これらを踏まえて最後に…本作の評価について結論を出して、当記事を締めたいと思います。
リマスターされたことで元々作りこまれていた映像やサウンドに磨きがかかり、現代でも抜群のホラー感を演出している。固定カメラも淘汰されたものとはいえ、これはこれの良さがあると再確認できるものがある。しかし、シリーズ初期の作品やゲームキューブ版を遊んだことがない人がプレイをした場合に、ゲームの操作やシステムに対して古臭いと感じてしまう可能性はあるので注意が必要だ。