Nintendo Switch/Playstation4にて2019年5月23日に発売する『Assassin’s Creed Ⅲ(アサシンクリード3)リマスター』。
そちらに先駆けて発売されている、PC版の評判調査&レポートをしていきます。
オリジナルはWiiUのロンチタイトルとしても発売された作品で、私も当時プレイした記憶がありますが、なにせ発売されたのが2012年…7年前のゲームです。
しかもアサクリシリーズ自体が毎年のように出ていて、何作も遊んでいると今やどれがどんなものだったのか頭の中はもうごちゃごちゃ(笑)
流石にストーリーもシステムも殆ど覚えていないという事で、当時の記憶を呼び戻そうとオリジナル含め色んな機種のレビューを色々と見て参りました。
そこで見つかった本作の特徴や評価点…あるいは注意点はどんなものなのかを見て、購入検討の参考に頂ければ幸いです。
価格:5,184円
メーカー:UBIソフト
ジャンル:アクションADV
プレイ人数:1人
オンライン:なし
暴力表現:あり(R18)
本作の概要
本作の評判の話をする前に、どんなゲームかを少しだけ簡単にご紹介します。
アサシンクリードシリーズは本編だけでも実に11作と沢山の作品がリリースされていますが、5作目にあたる本作で既にシリーズ伝統となる要素が多数登場しています。
ある種アサクリらしさともいえる、4つの要素。
こちらをササっと流し見で、追っていきましょう。
大昔が舞台のオープンワールド
アサクリと言えばまず思い浮かぶのが、「再現された大昔の都市を自由に歩き回れるゲーム」という所でしょう。
作品ごとによって時代や国は様々ですが、本作はアメリカ独立戦争時代のボストンを舞台にしています。
今から200年以上も前のアメリカですから、高層ビルや車などは当然なく…
レンガ造りの街並みや、馬車を使って人々が移動をしていたり、腰にサーベルを差している兵隊が歩いている…
そんな歴史の教科書や何かの映画で見たような風景の中を、実際に暗殺者の主人公となり自由に探索することが可能です。
パルクールで初めから自由なアクセス
アサクリシリーズの主人公は皆驚異的な身体能力を持っていますが、本作でも身体能力を活かした自由な探索が楽しめます。
建物の壁を登り、屋根から屋根へと飛び移る…果ては高所から飛び降りるイーグルダイブまで!
移動の自由度の高さはオープンワールドの中でも屈指で、まるで猫や猿になった様に人間ではたどり着けない場所を探索したり、移動ルートを選んだりすることができます。
後に発売された『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』はアサクリからのインスパイアを強く感じさせますね。
簡単操作でスニーク&無双
主人公は暗殺者なので、当然敵に見つからないようにこっそりと立ち回る事になりますが、時には集団を相手に闘う時もあります。
この手のスニーキングゲームは主人公が弱めで、集団戦はすぐにボコボコにされるイメージがあるのですが…
本作では時代劇のチャンバラの様に、敵がこちらに忖度しながら攻撃してくれるので無双できます(笑)
操作も非常に簡単で、タイミングに合わせてボタンを押しているだけで、まるで映画の主人公の様なアクションシーンをプレイすることが可能です。
海戦も楽しめる
アサクリシリーズで初めて大型帆船を操縦して戦えるようになったのが本作です。
地上での暗殺や戦闘と打って変わって、巨大な船に大砲をドッカンドッカン打ち込む派手な戦いは爽快で、ゲームのアクセントにもなっていますね。
お金を使って船を改造することもできるなど、RPG的な要素もある海戦はその後のシリーズにもたびたび登場しています。
海外メディアの評判
🔗Metacritic🔗のPC版メタスコア※は 75点 と…特別良くもなく悪くもなくといったところですね。
※世界中のレビューの点数を集計し、平均値化した数字。
因みに、オリジナル(PC/WiiU/PS3/Xbox360)は80~85点と良作と言える点数を叩き出しています。
なぜ数字が下がっているのかというのを各レビューで追って見ると…
細かなゲームの調整を褒める一方で、古臭いモーションや戦闘システムを指摘する声が多く、評価をオリジナルよりも下げている事が分かります。
こういったフォトリアルなAAAタイトルは、当時基準で最高峰の映像がひとつの大きな売りなゲームという事でもありますので…
年月を経てどうしてもオリジナル当時よりは下がってしまうのは仕方のないことでしょう。
リマスターの追加要素について
オリジナルとの違いは、VITAに出た『リバティシティ』とDLCの全部入り、グラフィックの向上の他に、メカニックの追加や変更があります。
レビューで言及されていたものだと以下の内容が確認できましたが、細かい部分に手を入れている事に好感触を持っているレビューワーは多いですね。
・装備のクラフトが可能になり、武器の入手バランスが改善された。
・ステルスに関わるアクションが追加され、より遊びやすくなった。
・武器選択などUIを見直し使い易くしている。
▼以下レビューの一部抜粋
Millenium 80/100ステルスのメカニズム、装備のクラフトを含めたゲームバランスが見直されている。グラフィックやフレームレートなど映像部分も改善されており、オリジナルをプレイしなかった人に是非オススメしたい。
WCCftech 50/100本作にはVITA独占だった『リバティーシティ』が同梱されているが、本編のボストンよりも遥かに面白い場所で、キャラクターも個性的。不安定な操作や古臭い戦闘という基本的な問題はあるけれども、簡単に遊べてて良かった。本編に関してはその後に登場したより魅力的なシリーズ作とどうしても比較してしまう。シリーズの歴史的には重要なゲームではあるが、現代にもう一度プレイする必要はない。
ユーザーの評判
古臭さに目を瞑れば今でもそこそこ良作…といった印象を受けるメディア評価に対して、ユーザー評価はかなり荒れていますね。
🔗Metacritic🔗のユーザースコアは、なんと3.8/10.0点です…。
0点を付けているユーザーが7件中5件と過半数を超えており、最悪と言っていいでしょう…(泣)
理由は明白で、「オリジナルには無かったフレームレート※の制限を設けてしまった」という所にあります。
※フレームレート=1秒間に表示するアニメーションのコマ数。パラパラ漫画で言うと60フレームは1秒間に60枚分の絵をめくる事になる。
PCのオリジナルはスペックに余裕があれば60fps以上出せたのが、リマスターではロックされていくらハイスペックでも60fpsで遊ばなければならないと。
それに怒ったユーザーが怒りのレビューを投稿しているわけですね。
ただ、この件に関しては、60fpsが上限のSwitch版では気にすることではないので、無視をしても良いでしょう。
続いて、🔗Steamストアのレビューも参考に見てきたのですが…
残念ながら、こちらも決して良いとは言えない評価でした(苦笑)
悪いと評価する比率が多く、Steamの判定では「ほぼ不評」です。
理由はバグ関係と、高精細の映像になったことでポリゴン臭さ(マネキン・蝋人形に見える)を訴えている声が多数を占めています。
▼不評レビューの一部抜粋
・見えない壁にハマったり、フリーズ等多数のバグが残っている。リマスターでここまでバグを残しているのはユーザーへの侮辱だ。
・マルチプレイがない。
・バグでNPCがどこにも現れないとか、フリーズも多くて失望した。グラフィックも綺麗になったが、それ故に滑稽に見える。
・これはエイプリルフールか?ゲームの一部分は寧ろオリジナルより悪化してて、まるでプラスチックや蝋人形みたいだ。
・UBIは真剣にこれに$40出させるのか?古いゲームだからパスをオススメする。
逆に、少数派ではありますが、本作を「良い」と評価した人が、どこを評価しているのか見ていきますと…
不評の声を上げていた人とは打って変わって、バグやグラフィックへの不満は殆ど無く、ストーリーやゲームメカニックを褒めています。
運よくバグを回避したパターンや、映像はそこまで期待していなかった人は割とポジティブにゲームを楽しんだ印象がありますね。
▼好評レビューの一部抜粋
・グラフィックがリマスターされて美しくなっている。
・当時アメリカで起きた事件や戦争の渦中に飛び込んでいくストーリーが壮大。
・海戦が面白い
・主人公が住む村を発展させられるミッションにやり込み甲斐がある。
・伝統的なアサシンクリードを楽しめる。
・ストーリードリヴン型のゲームで、素晴らしいプロットが評価できる。
まとめ
評判調査という企画をはじめて11作目となるのですが、メディアとユーザーでここまで票が分かれたのは初めてです。
メディアだけの評判を見れば「ちょっと古臭い所もあるけどなかなか面白いよ」という印象を抱きますが…
ユーザー評価を見ていると「バグやショボいグラフィックで期待外れ」なんていう、怒りの声がたくさん寄せられていて驚かされますね。
私が思うに、Switch版はPCとは違ってグラフィックにそこまで五月蠅く言われることはないと思いますし…
携帯モードでアサクリができる!という大きなアドバンテージもありますので…また違った評価になるように思えます。
しかし、バグが多いのは機種関係のない部分なので、そこを目を瞑って遊ぶか…あるいはバグの多い少ないを確認してから購入するほうが良いのかもしれませんね。
では最後に…これらのポイントを踏まえ、調査の結論を出して当記事を締めたいと思います。
古臭さを指摘される部分もあるが、携帯モードで伝統的なオープンワールドの代表作の一つであるアサクリが遊べるというのは魅力的。グラフィックの向上、細かな調整やシステムの追加等しっかりと手を入れているのは好感が持てるが、PC版で散見されているバグがSwitch版でも取り切れていないリスクも知っておくほうが良いだろう。