Nintendo Switch/Playstation4にて2019年5月30日発売『Va11 hall-a(ヴァルハラ)』の評判調査&レポート記事になります。
本作は近未来都市を舞台にしたサイバーパンクな世界観と、カクテル作りを取り入れた独特のゲームシステムが特徴のテキストアドベンチャーです。
日本のアニメやゲームからの影響丸出しな作風でありながらから、実はベネゼエラのインディーズデベロッパーが開発している…というユニークな出自でも話題になった作品ですね。
既に配信されている海外や他機種ではかなり高く評価されている作品ですが、具体的にどんなところが面白いのか、あるいは注意した方が良いポイントなのかを調査レポートでお届けしていきます。
価格:パケ3,480円/DL2,000円
メーカー:PLAYISM
ジャンル:テキストADV
プレイ人数:1人
オンライン:なし
暴力表現:なし
本作の概要
本作の公式動画に書かれている説明文を見ると何やら『サイバーパンクバーテンダーアドベンチャーゲーム』と書かれています。
「サイバーパンク?バーテン?何のこっちゃ」という感じですよね(笑)
噛み砕いて説明しますと…このゲームはサイバーパンクな近未来都市で、バーテンダーとして働く主人公のテキストアドベンチャーゲーム…という事になります。
主人公ジルはバーテンとしてはお店に来たお客さんにカクテルを提供し、お喋りで相手をする。
そしてその稼ぎで家賃を払ったり、アイテムを買うなどして日々の生活をやりくりしていく…というゲームになっています。
基本的には会話をひたすら読むテキストアドベンチャーですが、実はユニークなシナリオ分岐システムを採用しています。
それは「お客さんの要望を聞いて、提供したカクテルによってシナリオが変化する」というものです。
このゲームでは、お客さんに提供するカクテルを自分で自由にブレンドしてカクテルを作れます。
自分次第でお客さんの要望ピッタリなものもできれば、全く外れたカクテルを提供することができてしまうわけですね。
余りに外れたものを提供し続けるとクビになり、家賃のアパートが払えなくなるので要注意です。
しかし場合によっては、お客さんが自分自身で気付いていなかった、本当に欲しかったものを提供できる…なんていうパターンも。
サイバーパンクの世界で登場する個性的なお客さんとの会話を交わし、しっかりと相手の気持ちを汲み取るスキルが求められる…
本作はオリジナリティの強い『サイバーパンクバーテンダーアドベンチャーゲーム』となっています。
海外メディアの評判
🔗Metacritic🔗のSwitch海外版メタスコア※は 85点 と…かなりの高得点を叩き出しています。
※世界中のレビューの点数を集計し、平均値化した数字。
人気ジャンルである3Dのアドベンチャーゲームでも年に1,2本しか出ないような点数ですね。
しかも、今の時代にスーパーファミコンレベルのグラフィックのテキストアドベンチャーですから。
これだけの高得点をたたき出せるのは、結構とんでもない事です!
共通する評価ポイント
各メディアのレビューの共通恬として、以下3つの評価ポイントがあります。
- サイバーパンクな世界観と設定
- ユニークなキャラ達との会話
- サウンドトラック
🔗本作のPVを見ると何となくこれらの部分に惹かれるところがありますが、PVを見て感じた期待にしっかり答えてくれるゲームだというのが分かりますね。
Switch固有の要素について
Switch版は他機種と差別化されている部分(HD振動やタッチパネルなど)で、他機種版よりも評価を上げているところがあります。
レトロスタイルなグラフィックという事もあって、PS4やPCなどよりスペックの高いハードの物よりグラフィックやローディングが劣るといった差も無いようですしね。
賛否が分かれるポイント
自分で配合したカクテルで物語の進行が変わる与えるシステムは概ねユニークで面白いと感じた人が多いようですが、不要だった…あるいは面白くないと感じた人も中にはいますね。
▼以下レビューの一部抜粋
Game is a Geek 100/100全てのプラットフォームで問題なく機能しているが、Switch版はこのゲームの体験に最適といえるバージョンだ。その理由にあるのは、タッチパネルの対応による快適な操作性、カクテルを注ぐときのHD振動という付加価値が備えられているから。モーションコントロールにも対応しているが、そちらはイマイチだが。ゲームの進行や魅力的なキャラ、サウンドトラック…本作の進行は非常に興味深く素晴らしい体験だ。
RPG Site 80/1001周目で大体11~13時間ほどのプレイ時間を要する。私が見た限りでは6つのエンディングが存在するが、幸いなことにどれも楽に進める事が出来た。カクテルのシステムについてはクドさは無いが、機械的で面白みに欠ける。しかし、各キャラクターとの会話は良くできていて、本当に楽しい時間を過ごしていると実感出来るゲームだ。
※スキップ機能はあるが未読既読問わず飛ばされてしまう。
ユーザーの評判
🔗Metacritic🔗のユーザースコアは2件しか出ていないので、🔗Steamストアのレビューを参考に見ていきます。
Steamでは9割を超える人達がこのゲームは良いと評価する「圧倒的に好評」の判定が出ています。
レビューの内容がポジティブな内容一色で、大絶賛と言っていいでしょう。
ユーザー評価の中で特に目立っているのが「雰囲気の良さを評価する声」です。
サウンドトラックや世界観…それらで構成されたゲーム全体に漂う雰囲気に対して多くの人がクールという声を上げています。
また、抒情的で粋な表現で書かれているレビューも多く見られ、プレイヤーの感性に訴えかける様な文学的な面白さのようなものを汲み取ることができますね。
グラスを傾けほろ酔い気分で楽しむ「大人のためのゲーム」というワードもチラホラ見られ、寝る前のちょっとした時間に遊ぶというのにも適していそうです。
ローカライズについても好評で、肝であるテキスト部分にも安心して良いでしょう。
▼以下レビューの一部抜粋
・ヴァルハラは正に人生。ドラマチックな奇跡を見るような展開はなく、家賃の支払いに対する不安や愛情などもっと日常的なものを感じる。
・各キャラが抱えた問題を自ら積極的に解決する事はない。しかし、バーテンとして話を聞いてあげる事が、時として力になれる事を実感できる…そんなゲーム。
・クールな雰囲気と素晴らしいサウンドトラックを高く評価したい。
・この世界の雰囲気に浸るだけでも何となく楽しい。
・翻訳に関しては完璧と言っていいレベル。
・格差社会、人と人とのぬくもり…そしてギャグと感動!
・雰囲気の良さは文句なし。
・コンプリートは攻略情報なしではほぼ無理だろう…。
・おつまみとお酒を用意して遊ぶには最適な大人向けのゲーム。
・性的な話題(LGBTや性行為など)で、割と生々しい表現が多用されているので、そこを理解してのプレイをオススメする。
まとめ
メディア、ユーザーに共通して兎に角「世界観」「キャラ」「サウンドトラック」…この三つに関してはほぼ全員が褒めたたえているという所に驚きましたね。
サイバーパンクだったり、少しアニメっぽいデザインは人を選ぶイメージがあるのですが、レビューを見ていると、寧ろそれらを上手く生かして魅力的な作品へと仕上げているという印象を感じさせますね。
一方で、メディアのレビューではカクテルのメカニクス的にはあまり面白みがないという意見もあり、意見が少し分かれるところがあります。
また、ユーザーレビューで性的な表現や下ネタはも多いので人を選ぶという意見もありますね。
この辺りのポイントを踏まえ、最後に調査の結論を出して当記事を締めたいと思います。
🔗本作のPVを見て雰囲気に惹かれた、あるいはサイバーパンクな世界のテキストアドベンチャーを楽しみたい!という人の期待に沿える作品。カクテルづくりのシステムや性的な表現など好みによって欠点となる部分もあるが、それでも多数の人を納得させるだけのパワーを持っている傑作だ。