原作リスペクトが兎に角見どころ!『映画:名探偵ピカチュウ』ネタバレなしレビュー

GW映画の話題作『名探偵ピカチュウ』を公開日初日に早速観に行ってきましたのでレビュー・感想を述べていきます。

ポケモンをまさかのハリウッドで実写化⁈と世界中の人が驚かされ、公開前から様々な物議を醸した本作ですが、

実際に映画を観て感じた印象をまずはザックリと言葉にしてみます。

「ポケモン好きは実写再現が凄くイイので観に行った方が良い!ただしストーリーはオマケだと割り切るべし!」

あくまでポケモンファンに限れば、十分見る価値はアリです!

アニメやゲームの実写化した映画は誰も得しない黒歴史になるパターンが多々ありますが、本作どうやらそこの仲間入りは回避できているのかなと少しホッとしましたね(笑)

この後本作の良かった点とそうでなかった点を色々お話していきますが、これから映画を見ようと考えている方に少しでも参考頂ければ幸いです。

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丁寧に再現・アレンジされたポケモン

本作はサプライズ的にトレーラーと共に電撃発表されたわけですが、突如現れたフォトリアルなCGデザインのポケモン達に違和感を強く感じた方も多いのではないでしょうか。

ポケモンは長年アニメ調の映像で続いてきた作品ですし、そのデザインに対する思い入れが強い人も多いですからね…。

とんでもなくリスキーな挑戦に「黒歴史になるのは覚悟すべきか」と私もかなり不安視していましたし、半ば失敗作であろうという覚悟で劇場に足を運びました。

しかし、実際に映画を通しで観てみるとどうでしょう…

思った以上に原作の特徴を生かしながら、実写にポケモン達を上手く落とし込んでいるではないですか。

Youtubeより出典。物語のキーとなるミューツーは特に見事なリアルCGで表現されており、一見の価値あり!

基本的にピカチュウやフシギダネ、ゼニガメなど原作でも可愛いらしいポケモン達はそのしぐさを込みで見ていると不思議なことに愛らしく思えます。

ゲッコウガやミューツーなどが見せる動きの激しいアクションも、全く違和感を感じない所からも、原作をかなり研究して映画に落とし込んだことが分かりますね。

また、この映画では「ポケモンと人間の共存」を無理なく丁寧に描いている所や生態系を掘り下げているところにも好感が持てますね。

Youtubeより出典。バーで歌を披露するプリンとその歌で眠る客。随所に原作を生かした描写があり、ファンは二ヤリとさせられる。

例えば、消防隊員とゼニガメが一緒に消火活動をしていたり、ウインディが警察犬のように警察官と一緒に街を歩いていたり、至る所に人間と一緒に生活をしているポケモン達の姿を見る事ができます。

映画ではポケモン達はパートナーだったりペット(あるいは家族)の関係に近い存在として描かれていて、

どちらかというとポケモンが戦うための存在として強調されている原作やアニメにはないポケモン達の一面にファンなら終始ニヤニヤしてしまう事でしょう。

こういった細かい部分もそうですが、製作者たちのポケモンに対する愛情は作品全体から伝わってくる映画です。

「きっと現実にポケモンがいたらこんな世界になっているはずだ」というものを作り手と観客で共有・共感ができる映画としてとても上手くできています。

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流石ハリウッドな映像作品!

『アベンジャーズ』や『バイオハザード』、『トランスフォーマー』のようにアニメやゲームが原作でも成功している映画は潤沢な資金を投入し、アクションエンターテイメントとして単純に楽しめるように作られています。

本作も同様で、ハリウッドらしいビックバジェット(巨大な予算)を投入し、豪華でド派手な映画に仕上がっていますね。

映画全体に予算を惜しんでいる気配が全くありません。

ポケモン自身ののCGの作り込みやアニメーション、アメリカと日本を混ぜ込んだ近未来風の都市の背景からギミックで動くホチキスといった小道具のすべてにまでポケモンっぽさが徹底されています。

この世界観の構築だけでも一体どれだけのデザイナーが投入されて、それを映像化するためにどれだけのスタッフを投入したのだろうか…考えるだけでもゾクゾクしますね。

アクションシーンも満載で、凶暴化したポケモンから主人公ティムが逃げるシーンやピカチュウが戦うポケモンバトルのシーンなどをハリウッド映画らしい爆発や放電が散るド派手な演出で盛り上げています。

本作は探偵ものっぽいタイトルですが、寧ろアクションの方がメインじゃないか?っていうくらいアクションシーンに関してはとても力を入れていますので、そこはガッツリ期待して貰っても大丈夫です。

それ以外にもピカチュウの口から出るアメリカンジョークの数々に観客の方々から何度もクスクスと笑い声が聞こえるシーンもあったり…

劇場の雰囲気は正にハリウッド映画鑑賞しているそのものという印象を強く感じましたね。

 

ストーリーは微妙

『名探偵ピカチュウ』というタイトルやプロモーションを見てミステリーなストーリーに期待している人は今すぐそれを投げ捨ててください。

本作では主人公のティムがピカチュウと「死んだ父の謎を追う」という事を主軸にストーリーが進んで行くのですが、はっきり言って話の筋は滅茶苦茶です。

Youtubeより出典。主人公ティム(左)は父の死の謎を追いかけていくうちに巨大な陰謀と立ち向かうことになる。

全体的に話の展開が強引なご都合主義でどんどん進めていくので、物語の場面が進むたびに置いてきぼりにされそうになります。

一応一貫したテーマとして「ポケモンとの絆」「親子の絆」というものも描かれています。

しかし、ポケモンを避けていた主人公が途中で「君は大事なパートナーだ!」と相棒として認識するようになるその経過もかなり急で雑な印象です。

物語のフックとしてどんでん返し的なものも用意されていたり、謎を解くシーンもありますがどれも浅くて驚きを感じる事もなく…

難しい話でもないのにとっ散らかったストーリーはお世辞にも出来が良いとは言えないでしょう。

子供向けだからストーリーはご都合主義でも強引でも良いんだよという意見もあると思いますが、子供が退屈しそうなドラマ的な会話中心なシーンがあったりもしますし…

一体この映画のストーリーは誰をターゲットにしているのか、何を伝えたいのかが掴めないんですよね。

結局、2時間程度の尺の中で「原作再現」「探偵もの」「アクション」「ヒューマン」「大人が楽しめる」「子供が楽しめる」…

これら全部を突っ込もうとして話の展開に色々無理が出ている印象を抱きます。

中途半端に探偵要素を入れないとか、もっと分かりやすくポケモンのバトル物としてストレートなものにするなど…

ストーリーを誰向けにするのかを絞って作った方が作品にまとまりができて結果的に良かったのではと思いますね。

 

まとめ

本作は作り手のポケモン愛やリスペクトを強く感じさせられるところに好感が持てますし、ハリウッド映画らしい豪華な映像で表現されたポケモンを見るという事だけでもポケモンファンには一見の価値あり!と言えます。

ただ、巨額の予算をかけている分大勢の人に食いついてもらえるようにしなくてはならないという商業的な理由を察してしまうような、あれもこれも色んな要素を入れてまとまりのないストーリーには目を瞑る必要がありますね。

ポケモンのファンでも何でもない映画好きな人が見た場合、精々50点と評されてもおかしくはないストーリーラインですから…

そこは期待せず割り切った上で見て頂いた方が良いと思います。

因みに劇場では子連れの人の他に20代以上の大人だけで来ている人もたくさん来ていましたね。

中にはおばあちゃんの手を取って観に来ている人がいたりと、ポケモンは本当に幅広い年齢層の方に愛されているIPだというのを改めて実感させられました。

これだけ幅広い層に愛されるIPを実写映画化するというのは相当なチャレンジだったと思いますが、

「ブランドイメージを傷つけない映画」「少なくともファンは喜ぶ映画」というものに仕上げた事だけでも考えてみると奇跡なのかもしれませんね。

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