おてがるでも本気のVR!『Nintendo Labo VR Kit ちょびっと版』レビュー

2019年4月12日発売の『Nintendo Labo VR Kit ちょびっと版(ニンテンドー・ラボ・VRキット)』を実際に組み立てて遊んでみた感想を語っていきます。

Nintendo LaboシリーズはVR Kitで4作目という事になりますが、これまでのシリーズで見せてきた「つくる・あそぶ・わかる」というコンセプトの楽しみに加えて「任天堂が提案するVRの遊び」という部分で非常に興味深いものがあります。

私自身はOculusやスマホでVRを体験しているのでVR体験自体は初めてではないのですが、任天堂のVRにワクワクする期待感一杯で挑んでみましたので、皆さんにその内容をレポートしていきたいと思います!

基本情報機種:Switch
価格:4,298円
メーカー:任天堂
ジャンル:つくる、あそぶ、わかる
プレイ人数:1~2人
オンライン:なし
暴力表現:なし
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相変わらず楽しい『つくる』

Laboの遊びは何はともあれ箱を開けてダンボールを組み立てるところから始まります。

ちょびっと版とは一体?…と思わず困惑してしまうこのデカさ!

因みに、今回私が購入した『ちょびっと版』はVRゴーグルとバズーカのセットなのですが、なぜフルセットの方にしなかったかというと…

以前にラボの『バラエティーキット』をプレゼントしたのですが…その後「使わなくなったのに子供が壊させてくれなくて置き場に困っている!」というクレームを受けた記憶がありまして…(笑)

今回のVRキットはあくまで自分のために買ったのですが、そういった場所を取ることも考えて苦渋の決断に至ったわけです、ハイ。

さて、本題の組み立て作業についてですが…これに関しては既にラボシリーズを遊んだ方やレビュー記事を見た方ならご存知だと思いますが、

Switchのうごく説明書をみながら組み立てる作業は今回も分かりやすく、そして楽しいです!

紙の説明書とは違い、組み立て工程を流れでしっかり追えるため作業に迷いがない。

ただのダンボールを折り曲げて、挿し込んで徐々に形ができていく…この流れのスムーズさも素晴らしいですが、

「このダンボールの切れ端何?」

「なんか形になってきた…」

「なるほど!この部品になるのか!」

…と、まるで自分がパズルを紐解いていくかの如く、形が見えてくるのが連続してテンポよく続く気持ち良さがあるんですよね。

任天堂の人が設計したのをただ説明書に則って作ってるだけなんですけどね(笑)

しかし、これは初めから成形されている形あるものを組み上げるプラモデルなどにはない、ダンボール工作ならではの楽しさです。

私自身、設計に携わってきた人間なので、ユーザーに迷うことなく快適に使ってもらえる設計をする事の難しさや重要性は少しは理解しているつもりなのですが、

ラボの設計にはそれだけではない…

「組み立てている行程をいかに楽しんでもらえるか」

という思想がはっきりと読み取れて感動すら覚えます。

Switchの『うごく説明書』もそのひとつで、液晶パネルを触って返ってくるリアクションや演出などで上手く盛り上げながらも分かりやすく作業工程を見せてくれます。

普通はこういう所は妥協しちゃうと思うんですよ。

少なくとも私の様な凡人は「どうせ組み立てはすぐ終わる過程でしかないので」ってそこに開発のリソースを注ぐ発想は絶対しないでしょう。

それを「うちは遊びの提案をするメーカーだから」と妥協しない…

実に任天堂らしい所でもあり、良い意味でぶっ飛んでいるユニークな会社だなと改めて実感させられますね。

そんな感想を抱きながら組み立てを楽しみつつ、VRゴーグルとバズーカトイコンが完成しました!

製作時間はゴーグルが15分くらいで、バズーカは2時間くらいでしょうか。

完成品を改めて見ると…やっぱりバズーカだけでも場所を取りますね、コレ(笑)

今後『スプラトゥーン2』とかに対応してちゃんと使い道下さいよ!任天堂さん!

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いざ、VRの世界へ

組み立てが終わったら早速ゴーグルにSwitchセット!

こういう新しいガジェットに触れる最初の瞬間ってたまらないですね。

VRゴーグルを覗くとそこには…

360度全景を見渡せる空間が!

頭を動かすとSwitchのジャイロセンサーで画面も…

ぐりんぐりん追従します!

ゴーグルをつけた私はまず率直に思いました。

「スマン…正直VRキット舐めてたわ…すげぇちゃんとVRしてるじゃんコレ…。」

最初におためしゲームで目の前に四角いロボットのようなキャラクターを自由に動かせるのですが…

こんな簡素なポリゴンでも奥行きの立体感はもちろんのこと、キャラクターが目の前に迫ってくるときの存在感や迫力がはっきり感じられて驚きです!

ちゃんとしたVRのゲーム体験が数千円の投資で遊べるなんて…本当にいい時代です。

因みにこのキャラは手からボールを飛ばせるのですが、自分に向けると思わずよけそうになりました(笑)

値段から見て「3DSの立体視の画面をデカくしただけの簡易的VR」や「100均で売られているスマホ用の段ボールゴーグルと同じようなもの」というイメージを持たれている方も中にはいらっしゃると思いますが…

VRキットの映像はOculus GoとかのVR専用機器に近く、2000~3000円で売っている様なスマホゴーグルのVRとは雲泥の差があります。

スマホVRゴーグルの様に縁枠が見えたり、世界が小さく感じたりすることもなくちゃんとVRらしい没入感を得られます。

鹿が近づいて群がってくると不思議とくすぐったさを感じて「フフッw」となる。

ですので安価なスマホ用VRゴーグルでしかVRがやったことがないという人ならば「え?こんなに違うものなの?」ときっと驚くでしょう。

一方でOculusやPSVRなど他の数万円するVR機器と比べてどうかと言われると、遠景のぼやけやジャギー(ギザギザ)だったりフレームレートの低さは感じます。

しかし、この価格帯で周辺機器とゲームも付けて、これだけちゃんと没入感のあるVRを仕上げてきたのは正直驚きですね…。

これはもうはっきりとVRゴーグルと言える製品です。

あと何気にメガネでも使えるのも良いですね!

裸眼じゃないと装着できないゴーグルとかメガネではピントが合わないのもあるので。

 

VR感抜群のバズーカ

本作では収録されているゲームの他にミニゲームが60種類ほどあり、そのうち30種類ほどはトイコンなしで遊べます。

最初の内はこういったミニゲームだけでも楽しいですが、ゲームというよりも簡易的な技術デモみたいなものなので正直どれも1,2回遊んでしまえば満足な感じです。

やはり遊びの本命はバズーカなどのトイコンを使ったメインのゲームでしょう。

私の購入したちょびっと版はバズーカトイコンが同梱されているのですが、それとゴーグルを合体させて敵をバズーカで倒していくシューティングゲームがプレイできます。

操作方法は至って簡単で、左手で弾を装填して右手親指のトリガーで発射です。

狙いをつけるのはもちろんジャイロなので砲身を敵に向けて撃つ、完全体感型ゲームとなっています。

このバズーカを手にしたプレイヤーは乗り物に乗ってゆっくりステージを進んで行き、360度いろんな所に現れる敵に弾を撃込んでいくわけですが…

ビルの上を見上げると敵がいたり、列車に乗って横を横断してくる敵もいたり常に気が抜けない。

敵が弾をこちらに向って撃ってきたら身を竦みそうになったり、超高所で下を見ればヒヤッとするようなローケーションや目の前に聳えたつ巨大ボスなどなど…

自分がそこにいる感じや目の前に敵が実在して触れられそうな感覚がしっかり楽しめますね!

どでかいボスの威圧感を肌で感じられるのはVRならではの体験。

手に持ったバズーカの操作してる感触やトリガーを引いたときに手に伝わるHD振動とダンボールの「パコン!」と当たる音がまた臨場を感をグッと引き立てています!

既に他のVRを経験済みだった私でも結構ドキドキできるゲームなので、「VR未体験の人はどういう反応をするんだろう」と気になったので色々と周囲の人たちに遊んで貰ったところ…

「うわぁ!ナニコレ!すごい!すごっ!」

なんて語彙力()のある言葉を発しながら、椅子の上でクルクル回ってバズーカを撃って夢中になっていていましたね(ニヤニヤ)

私はそれを見ながら「でしょ!ボス来た?来た?ボスめっちゃデカくね?(ドヤァ」みたいな感じで一緒にわちゃわちゃしてましたけどね!(笑)

VR自体のインパクトもそうなんですけど、チャレンジの難易度が巧みに上がっていってどんどんのめり込んでいくレベルデザインや丁寧なつくりなどゲーム内容に任天堂らしさがちゃんと出ていているのは流石です。

しかも敵に攻撃されてもダメージを受けない(ゲームオーバーにならない)のでゲーム経験有り無し関係ないですし、ゴーグル装着型でないので「ちょっとやってみ」と気軽に手渡ししてできるのもVRキットならではの良さでしょう。

そんな楽しいバズーカの体験ですが…

ゲームプレイ自体は5ステージで全部で15分くらいで終わるボリュームなので、ゲーマー目線で言うと

「もっと遊ばせてくれ!ボリューム足りねぇ!」

という思いも強いです。

ただ、バズーカ+本体+ジョイコン2本の重さを持ち続ける事もそうですが、VR自体が普通のゲームよりも目や首が疲れるのと酔いやすいという継続プレイの難しさを抱えています。

任天堂もそういった部分を考えて通常のビデオゲームの様に何十分、何時間と遊ぶ事はやはり想定しておらず、

「数分間の瞬間最大風速力の面白さを提供しよう」

と割り切った思想で作っているのが、5分ごとに出て来る「休憩しましょう」の画面からも伝わってきますね。

あと、気になったのはバズーカトイコンのVRの臨場感を演出するためにバズーカを撃つたびにダンボールが「パコン!」っと鳴るようになってるのですが…

これが五月蠅いのなんのって(笑)

集合住宅では近所迷惑になるレベルの音の大きさなので、周りへの迷惑が気になる環境の方は改造必須でしょう。

付属していたクッションテープを貼り付けてダンボール同士が当たる音を軽減。(このために付属していたのかは謎)

↑ こんな感じで「構造を見て解決策を考えてダンボールを改造する」というのもラボの楽しみだったりするので個人的に悪い印象はないですけどね。

 

他のゲームもちょびっと体験

実は同梱していないトイコンのゲームも『ちょびっと版』には収録されていています。

これは『ちょびっと版』を買った人が後で別売りのトイコンを買った時のために収録されているのですが、トイコンを買わずともプレイが可能です。

トイコンを使った時の臨場感は削がれる部分はありますが、どんなゲームか先に触ってみてトイコンを買い足そうかどうかを考えたい人には嬉しいですね。

なんならダンボールで自作してみるのも良いかもしれません。

因みに私が遊んでみて、これは面白い!トイコンが欲しい!と思ったのが『トリ』と『カメラ』です。

特に『トリ』は空を飛んでいる感覚がめちゃめちゃ気持ち良くて延々と遊んでいられそうな気がしますね。

横を見れば一緒に飛んでいるトリの姿も。自由に空を飛ぶ気持ち良さは是非多くの人に体験して欲しい。

グラフィックはアニメ調ながらも地上との距離感や周りを飛ぶほかの鳥たちの存在感は全くモニターでの体験とは異なったリアリティが存在しています。

任天堂の空飛ぶゲームといえば『パイロットウィングス』というシリーズがありますが、ある意味あれのVR版と言っても過言ではありません。

他の収録ゲームはどちらかと言うとアトラクション的な感覚で何回か遊んでしまえば「もうしばらくは良いや」という感じですが、

トリに関してはそれこそサイクリングやツーリングみたいな感じで定期的にやってみたくなるような継続して遊べそうな魅力を感じさせますね。

トイコンを使えば風も感じられるという事ですし、トリトイコンの追加購入したいのと部屋に物を増やしたくないので私は今かなり葛藤しています(笑)

 

最後に

以前に宮本茂フェローがVRに対して「研究しているけど、いろいろ乗り越えなくてはいけない課題があるので慎重に進めている」と発言していたのを覚えています。

※マリオやゼルダなど数々のヒット作を世に送り出したレジェンド。任天堂のゲーム作りを長年引っ張ってきた通称ゴッドマン。

設備の条件やゴーグルをかぶって外界を遮断する閉鎖的なイメージ、酔いの問題…

あまりにも沢山の課題が残っている中で何万円とお金を払って機器を買って、自宅でVRをしようとする人がどれだけいるのだろうか…

そういったVRの抱えた現実に対して任天堂はどう結論付けたのか、ラボVRキットの発表からずっとそれが私は気になっていました。

そして今その答えはこのニンテンドーラボVRキットに詰まっていると確信しています。

例えばゴーグルを装着型にしなかったのも酔う前にゴーグルを外させるという狙いの上で敢えての選択でしょうし、気軽に他の人に手渡しできる事でVR特有の閉じこもった遊び感が和らいでいます。

なによりラボVRはゴーグルや周辺機器、ゲームが付いてきてくるというフルセットで「VRならではの体験を数千円でできるようにした」というところが素晴らしいんですよね。

今世の中にあるVRはお金や設備スペースがいるけど本格的にVRゲームができるもの(Oculusなど)と、安くて設備はいらないけどゲーム体験ではなく映像体験に絞ったもの(スマホを使ったVRゴーグルなど)の二極状態にあります。

そこに安価でありつつもちゃんとVRを使ったゲーム体験ができるラボVRが出てきたことをとても嬉しく思いますし、任天堂の狙いどころの上手さを感じさせますね。

任天堂は4月26日にゼルダやマリオを無料でアップデートでVR対応をさせると予告していますが、実際にVRゴーグル越しにゲームをプレイしたことでより一層それらのソフトをVRで遊ぶことの期待感が高まっています!

当ブログでは後日そちらの体験も皆様にレポートしていきたいと思っていますが、この『ちょびっと版』だけでも楽しい体験が詰まっていますし、VR入門としては個人的にかなりオススメですので興味がある方は是非プレイしてみてはいかがでしょうか。

 

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