モンスターハンター祝15周年!日本に狩りゲーを広めたこれまでの軌跡を振り返る! 後編

2019年に15周年を迎えた『モンスターハンターシリーズ』の15年間の歴史を振り返る企画の後編となります。

前編では初代『モンスターハンター』から国民的人気ゲームへと成長した『モンスターハンターポータブル 2nd G』までどのようにモンハンが歩んできたかをお話しさせていただきました。

今回はその後のモンハンが現在に向かってどのように進化し、突き進んで来たかを引き続きご紹介していきます。

スポンサーリンク

 

まさかのWii⁈

これまでPS2、PSPとプレイステーションハードで根付いてきたモンハンは当然そのまま次世代機であるPS3にスライドする形で『モンスターハンター3(Tri)』(以下Tri)の開発を進めていたのですが…

しかし、PS3は本体価格が6万というゲーム機にしては高額すぎる値段や

ゲームが開発しにくいハード設計であったがため多くのゲーム開発が難航していたことからPS3は想定外の苦戦を強いられます。

その一方で任天堂は体感型の遊びをリモコンで楽しむWiiを発売し、その新しい遊びの提案によって世界中を席巻していました。

この両者の勢いの差は歴然であり、それを見たカプコンも決断の末…

PS3に向けて開発していたのを中止し、Wiiに移籍すると方向転換を進めます。

そんな紆余曲折あって発売されたTriですが、開発の中心となったのは前作の据置のモンハンDosのディレクター藤岡氏です。

コンセプトは新たなモンハンの原点!

という事でMHTriはこれまで藤岡氏が初代から積み重ねてきたものをいったん崩し、新しい要素をふんだんに取り入れたモンハンになっています。

水中の導入

地上だけではなく水中での狩りを導入したTriはモンハンに新たな風を吹き込みました。

これまで平面的な戦闘しかなかったものが、この水中によって上下の概念が生まれより立体的な狩りが楽しめるようになります。

しかも水中と地上がローディングなしでシームレスに切り替わる!

これは当時かなり驚かされた記憶がありますね。

言うならばゼルダを遊んでいたらマリオにゲームが切り替わるっていうぐらいの事をやっているようなものですから(笑)

そういった事をやっていたのは当時の他の大作ゲームでは他に無かったと思います。

モンスター刷新

初代からずっと付け足しで新しいモンスターを増やし続けてきたモンハンですが、ここで一度リセットを図ります。

モデルや骨格もすべて見直した新モンスターを設計し、一部のモンスター以外を総入れ替えしました。

リオレウスなど過去作から続投になったモンスターもここでモーションなど大幅にテコ入れされて、ほとんど別物に作り替えられましたね。

これだけの大規模のテコ入れのついでに以前からあったインチキ臭い当たり判定も大きく改善もされています(笑)

チャチャという同行者

P2Gでも『オトモアイルー』というお供を狩りに同行できましたが、Triではより知性的で心強い『チャチャ』が登場します。

チャチャは没個性のアイルーとは違い、独自の性格を持っており言葉もしゃべれます。

それまで淡々とモンスターを倒すゲームだったソロプレイにチャチャが加わることで他者と一緒に協力して狩りをする共闘感が産まれましたね。

アイルーとは違ってぱっと見は変ですが、お調子者で怖がりな性格が憎めない愛されキャラでした。

 

その他にも新武器スラッシュアクスの登場など様々な新要素が満載で正に新作!と呼ぶにふさわしいTriですが、

セールスとしては据置のモンハン初のミリオンセラーまで入ったものの、直前に出たP2Gの1/3程度の売上に留まります。

これまでの人気モンスターの大量リストラや人気武器種が4つ削除されるなど全体的にボリューム不足が目立つ作品であったことや、

オンラインが月額1000円必要だったというのが足かせになっていましたね。

 

圧倒的な存在に

Triの翌年にPSPにて発売された『モンスターハンターポータブル3rd』(以下P3)は、Triの携帯機版として作られたものですが、

これでもかという携帯機と据置機でのモンハンの人気の差を見せつける圧倒的な存在感を示す作品となりました。

最終的なセールスは国内で480万本超え!

当時DSでトップだった『ドラゴンクエスト9』を抜き去り、この世代で最も売れたゲームに君臨します。

因みにドラクエ最高売上はドラクエ9ですので、日本のソフトメーカーとしては事実上最強のタイトルになったという事になります。

ゲームの内容に関してはモンスターの数が大幅に増えた事やリストラされた武器種が復活する等Triの不満点を改善するものが施されていましたが、

一方で水中がハード性能の関係で丸っと削除されていたり、ゲームバランスが歴代最低と言っていいほど簡単になってしまったことで賛否が分かれる部分がありましたね。

モンハンをはじめてやるという人にはもってこいですが、Triが密度の濃い作品だったこともあってコアなファンには物足りないという印象の残る作品でもありました。

 

3DS時代到来

PSPも晩年を迎えそろそろ次世代機にという事でモンハンが新たな移行先として選んだのが3DSです。

『モンスターハンター3G』(以下3G)が発表され、その直後に『モンスターハンター4』を立て続けに発表するというアクロバティックなサプライズでモンハンファンを大いに驚かせたわけですが、

新しいプラットフォームである3DSの二画面や立体視などハードの特徴をモンハンチームはしっかりと生かしたゲーム作りをしています。

3DSの裸眼立体視はモンハンのような3Dのアクションゲームにおいて距離感がつかみやすくなるというメリットがあり、

特にTriの時に距離感がつかみにくいと言われていた水中戦は立体視のお陰でかなり改善されました。

残念なことに私の周りのモンハン仲間は立体視は要らないって切ってる人は多かったですけどね(苦笑)

また、3DSのダブルスクリーンの下画面に自分で好きなUIを配置できるという画期的なアイデアによって、

3DSでは操作がしにくいのでは?と当初言われていた不安を払しょくして、寧ろ今までの中でも快適なモンハンになったとも言えますね。

因みに3Gはオンラインマルチプレイは非対応だったのですが、後にWiiUにHDバージョンが発売され、WIiUを介してオンラインマルチプレイが楽しめるようにもなりました。

3GはTriで不足していたボリュームが改善されたことや、難易度バランスなどトータルで優れていた作品で個人的には最高傑作ですね。

チャチャの他にカヤンバという新たな仲間が加わり、ソロプレイでもにぎやかになりましたし、ローカルマルチで友達とワイワイ遊んだ日の事を今でも思い出します。

 

ノリ乗りな時代へ

3DSの2作目となる『モンスターハンター4』(以下4)は、新たなアクションとして『乗り』というシステムを取り入れた最初の作品です。

『乗り』というのはジャンプしてモンスターに飛び乗って、ロデオの様に振り回されないように踏ん張りながら攻撃して…

根負けしたモンスターが倒れた所を皆でボコボコにするというものです。

ジャンプは地形の段差から飛び降りる形で行うため地形を上手く利用して立ち回る重要性を高めましたね。

また、新たに追加された武器種『操虫棍』は棒高跳びの様にいつでもジャンプが可能な上に滅茶苦茶強くて流行った記憶があります。

ただ、ジャンプ攻撃自体のダメージ値は少ないので、無駄に飛ぶハンターがバッタだの地雷だのよく言われてましたね(笑)

それと忘れてならないのは携帯機のモンハンでは初めてオンラインマルチに対応したのがこの作品です。

ここからネットを介して遊ぶモンハンが一般になっていくわけですが、キッズユーザーも当時は沢山参加しており集会所はかなりカオスだった記憶があります。

俗に「ゆうた」と呼ばれる恐らく小学生らしきハンター達の面白(迷惑?)エピソードがその当時よく語られていましたが、私もいくつか経験しています。

代表的なのが入室して第一声にあいさつではなく「はちみつちょうだい」と言いだしたりとか、

こちらが貼って待機していたクエストとは関係ないクエストを貼って「こっちにいこ」とかですね(笑)

元々携帯機のモンハンにはキッズ需要もかなりあってそれが今回4のオンライン対応によって露呈したわけですが、

今後3DSのモンハンではこういったキッズプレイヤーの珍事は毎回おなじみとなっていきます(苦笑)

因みにこの4とそのパワーアップ版である『モンスターハンター4G』で藤岡氏がディレクターを務めているわけですが…

相変わらずというか…らしいというか…ここでもめんどくさい仕様を入れてファンからぶっ叩かれる事になります(笑)

ギルドクエストという高難易度クエストで段差に引っかかったり、極限化というモンスターがカッチカチに硬くなる強化個体など

やり込む人ほどストレスを感じる要素を体験し評価が割れるという現象が起きた作品ですね。

普通にクリアまで遊ぶにはよくできたゲームなんですけどね。

スポンサーリンク

 

ド派手に狩り!

3DSの3作目として2015年に『モンスターハンタークロス』(以下X)が発売されました。

こちらの作品はかつてPSPのポータブルシリーズを一瀬氏がディレクターという事で、藤岡氏のディレクター作品とはまた大きく毛色を変えた作品となっています。

4、4Gではスキの少ない動きの速いモンスターを作ったことが割と不満点として挙がっていたのですが一瀬氏はそういったモンスターを下方修正せず、

ハンター側を強化して派手に狩りを楽しむ!

という思い切った方向に舵を切ったのです。

具体的に追加されたシステムとしてひとつは『スタイル』と呼ばれるもので、ハンターの基本動作を選択して色々な立ち回りができるようになりました。

例えばエアリアルはどこでもジャンプができたりなど、武器防具だけでなくモンスターに合わせてスタイルを変えて戦う面白さも加わります。

そしてもう一つは『狩技』というもので、要するにゲージを溜めて使う必殺技です。

相手の攻撃を華麗に避けるものもあれば、ビーム砲のような一撃を撃つトンデモな技があったりと…

少しやりすぎなんじゃないかと発売前は言われていましたが、実際にやって見るとこれが凄く楽しくて評判が良かったですね。

私の仲間内だとXが今までで一番面白いっていう人が意外と多かったですね。

こういったカジュアルにワイワイ遊べるようにチューニングするのは一瀬氏の得意とするところで正にらしい作品に仕上がっています。

Xは結局日本でトリプルミリオンを達成し、このあと更にパワーアップ版の『モンスターハンターダブルクロス』を発売します。

3DSもこれでモンハン4作目になるのですが、3DSも6年を過ぎて段々と新鮮味が無くなった影響で売り上げもXから半減してしまいます。

ただ、ゲームの中身はこれまでのモンハンの集大成と言える内容で携帯機で遊べるモンハンとしての完成度は一番高い作品ではないでしょうか。

モンスターの登場数が最多で超絶ボリュームという事もあってかなり遊び込めるゲームですしね。

3DSの半年後にHDリマスターしたSwitch版も発売しており、一緒にマルチプレイもできるという珍しいクロスプラットフォームに対応している作品でもあります。

ところでP3rdの発売からかなり時間が経っていますが一瀬氏はこのX開発の前まで何をしていたかというと…

ワイン農場でワインを作らされていたそうです(笑)

カプコンの会長はワイン好きで知られていてワイン事業をゲームとは別で始めたわけですが、

当時480万本を売ったP3rdでの手腕を買われてワイン事業の手伝いをやっていたという事なんでしょうかね(苦笑)

 

世界のモンハンへ!

これまでモンハンは携帯機を中心に展開してきたわけですが、世界市場にモンハンを広めるため新しいステップへとカプコンはモンハンを進めていきます。

海外では美しいグラフィックのゲームの需要が高く、日本とは異なり据置やPCの需要が高いという事で…

最新の据置ハードに合わせて作った『モンスターハンター;ワールド』(以下W)を発売します。

PS4、Xbox One、PCと高性能のハードで表現されたモンハンは3DSの小さな画面と比べるとまるで3世代くらい進化したようで、世界がその映像に度肝を抜かれます!

ゲームの内容もソロプレイヤーでも満足度を高められるようにストーリーや演出面を強化し、世界のメディア評価で最も評価の高い作品となりました。

それだけでなく大規模のマルチプラットフォームで初めて出したモンハンという事でなんと1200万本の売り上げを達成します。

これはカプコンでは全てのゲームの中で史上最高の売上です。

日本で1200万を超えるゲームというと…任天堂のマリオ、ポケモン、ゼルダ、スマブラなど錚々たるメンツです。

そこに新たに日本のゲームの代表として名前を連ねたわけですね…凄い!

Wはグラフィックだけでなくエリア間のロードをなくしたり、これまでのモンハンの煩わしい部分を多数改善しておりかなり現代化されています。

そういった点でも海外の新規プレイヤーにも受け入れられやすいゲームになっていますね。

一方で色々挑戦した結果として荒々しい部分もあり、次回作への改善によって更なる飛躍を期待させるポテンシャルを持った作品でもあります。

2019年秋には今までのGに相当する超大型アップデ―ト『アイスボーン』が控えており、今後も要注目なタイトルですね!

 

NEXT!!

アイスボーンも楽しみですが、やはり気になるのは今後Switchにモンハンの新作が展開されるかどうかですよね。

据置やPCで美しいモンハンを楽しむのも好きですが、ベッドに転がりながらコツコツと日々素材を集めていくモンハンも大好きですから是非ともそちらも頑張って頂きたいところですね。

丁度15周年のメッセージカードで一瀬氏がなにやら次を示唆するアナグラムの隠しメッセージを仕込んでいるという事で話題になっていますが…

出典元:カプコン公式

このカードが示す『NEXT』とやらが一体何なのか…とても気になりますね!

 

…というわけで長文になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。

15周年を総括するのは結構大変でしたがモンハンの歴史を改めて振り返ってみて、色々と思い出が蘇りますね。

皆さんもそういえばこんな作品だったなとか…

当時はこんなことしてたな…

なんて少しでも当記事を見て思い出を蘇らせる機会にして頂けたなら幸いです。

 

スポンサーリンク