これぞ職人ゲー!『NewスーパーマリオブラザーズUデラックス』レビュー・感想・評価

本日はNintendo Switch専用タイトル『NewスーパーマリオブラザーズUデラックス』のレビュー・感想記事になります。

本作はWiiUに発売された『NewスーパーマリオブラザーズU』と『NewスーパールイージU』をセットにして、さらに追加要素を加えた移植+αの作品というお得感もそうですが…

これまでのマリオのノウハウが結集した2Dマリオの決定版ともいえる中身も良くできた作品ですので、その魅力や気になったポイントをしっかりお伝えしていきたいと思います。

基本情報機種:Nintendo Switch
プレイ人数:1-4人
オンライン:なし
暴力表現:なし
こんな人にオススメ!

・家族や友人とワイワイ遊びたい
・スリリングなジャンプアクションが好き
・操作感が気持ちいいゲームをやりたい
・歯ごたえのあるゲームが好き

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侮れない難易度

マリオってゲーム初心者の登竜門的なイメージが強いですよね。

子供の頃にまずマリオの洗礼を受けて、そこからより複雑なアクションゲームにステップアップしていった方も多いのではないでしょうか。

私も初めてのビデオゲーム体験がマリオという事もあって、頭の中でどこかで「マリオはゲーム初心者の人が遊ぶゲーム」というイメージがあります。

また、ここ数年で多くの人が遊んだマリオと言えば3DSの『Newスーパーマリオブラザーズ2』辺りになると思いますが…これも2Dマリオとしてはかなり簡単な難易度になっていた記憶があります。

そういうところもあって

「本作も軽く遊んでさっさとクリアしてしまうんだろうなぁ

なんて軽い気持ちで本作に挑む人も結構多いのではないでしょうか。

 

がしかし!

本作のクッパ軍団は結構本気モード です。

それが分かり易いところを例で挙げていきましょう。

例えば1-1はいつもだとクリボーみたいな地面を行進する敵がいる程度で空中は安全なのですが…

本作ではムササビの敵が飛来してきます!

飛行速度は速くないのですが、アイテムを取ろうとするとこれが絶妙に厄介!

ちょっと進んで2つ目のワールドに行く頃にはもうすでに足場も狭かったり、不安定で…

いつもよりマリオ倒す気満々やないか!

と突っ込みを入れたくなるレベルデザインが今回目立つ印象ですね。

こうなったのは私が推測するに…

NEWマリ2で簡単すぎると言われたことによる揺り戻しなのではないでしょうか。

ユーザー皆さんが「NEWマリ2は簡単で面白くない!」と文句を言った結果…

任天堂の人たちがS気を出してきたのではないかなと(笑)

 

全ては達成感のため

しかし、ただ難しくするだけじゃなく、それに比例して気持ちよく遊べるようにしっかりバランスをとっているのが本作の素晴らしい所です。

例えば足場の狭くてグラつく場所はミスをすれば即やり直しのリスクに晒されるわけですが…

それと同時に連続ジャンプでピョンピョンと飛び超えたり、上手くタイミングを調整しながら進めた時にリズムに乗ったような気持ち良さが感触として残るようにも設計されています。

マリオの場合、難しいミッションをクリアしたらレア装備ゲット!といったような報酬がありませんが…

その代わりに、その場その場で操作している気持ち良さや駆け抜ける爽快感を報酬としてプレイヤーに返してくれるんですよね。

リスクとリターン(挑戦と報酬)が何度も何度も繰り返されるから遊んでいてどんどん気持ちが良くなります。

これは職人芸であり、まさに長年蓄積したノウハウの賜物ですね!

よくステージを自作して遊べる『スーパーマリオメーカー』を買えば本作はいらないんじゃないかっていう意見もありますが…

こうして改めて本作でプロの職人が作ったステージデザインを体験すると…

やはり素人が作ったものとは雲泥の差を感じますね。

(あれはあれで勿論良さはあるのですが)

本作は緊張感と達成感、スリルと爽快感のバランスが非常に良くできていて、

個人的にNEWスーパーマリオシリーズとしては最も完成度が高いと思います!

ちょっと気を抜くとすぐやられてしまうんだけど、上手くいくとスカッとする!

そういうビデオゲームの原始的な楽しさを味わうにはやはりマリオは最適ですね。

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初心者にはしっかり優しい

チャレンジングな難易度でプレイヤーをスパルタ的に鍛えるだけでなく、初心者への配慮を手厚くする任天堂らしさも本作ではしっかりと発揮しています。

本作では初心者救済の手段として、WiiU無印版にはいなかったゲームの難易度を下げる二人のキャラクターを追加しています。

追加されたキノピコとトッテン

キノピコは通常状態はキノピオと変わらないのですが、スーパークラウン(王冠)を取ることでキノピーチに変身します。

キノピーチ状態ではふんわり滑空できたり、一回だけなら落ちても自動で復帰できるという落下ステージが苦手な人が使うと良いですね。

因みにSNSで一時ブームになった『クッパ姫』はこのスーパークラウンが元ネタになっています。

↓↓↓クッパ姫ブームを生んだツイート↓↓↓

 

こちらのトッテンに至っては敵に接触してもダメージを受けません!

まだマリオが難しすぎるいという人やゲームが苦手だけど友達と一緒に遊びたいっていう人が使うのに適したキャラクターですね。

でもちゃんと落下するとゲームオーバーになりますのでそこは要注意です。

(マリオはジャンプアクションの気持ち良さとスリルが肝なので、そこまで無敵にさせてはいけないという事なんでしょうね。)

本作ではこのように救済キャラを使うことでゲームを自分に合った難易度にして楽しむ&上達していくことができます。

これなら初心者の方やお子さんもその点では安心して楽しめますよね。

私の甥(5歳児)も見る度メキメキ上手くなっていっているのを見るに「アクションゲーマー育成マシン」としてのかなりの効果が見込めます。

未来のゲーマーを育てるために子供が周りにいたら買い与えましょう!(笑)

因みに、何度か苦戦しているとそのステージに『おてほんプレイ』というのがでてきて、それを使えば自動でルイージがゴールまで進んでくれます。

ルイージの優等生プレイが拝める

これはゲーマー目線で見ると過保護すぎじゃないかと思う節もありますが…

クリアできないからや~めた!ってなってしまったら元も子もないですからね。

それに、やり込み要素であるスターコインの収集とかは自動操作で取りにいかないようになっていて、最終的には自分の力でゲームを遊べるようになる必要性はしっかり残されています。

いつでも途中から自動を切って自分で操作できますし、補助を使いながらでも徐々に上達して面白さを理解していって欲しいという考えは共感できますね。

 

マルチがやたらと面白い

ストイックに一人でゴールを目指すのも楽しいですが、マリオの多人数プレイは格別です。

正直一人でマリオを遊ぶならスマホの『マリオラン』とかでも近い体験が十分にできるんですよね。

でもこの4人で協力プレイができるアクションゲームを今買うとしたら、本作は正にベストチョイスと言えます。

アスレチックを一緒に楽しむ面白さ!

この協力プレイの何が面白いのかというと、仲間同士が助け合うことは勿論お互いで邪魔しあう事もできたりして…

プレイをしていると本当ににぎやか&カオスに遊べるんですよね。

例えばジャンプしているキャラに他のキャラで下からジャンプして叩くと、普通では飛べないような高い大ジャンプができるのですが…

これを上手く利用して高所のコインを取るときもあれば、たまたま意図せず下から突き上げて吹っ飛ばされたまま落ちていくなんて事故も起きます(笑)

狭い足場を取り合って落下したり、敵を倒そうと投げた甲羅を味方に当ててしまったり…

事故多発のゲームなので「ごめん!w」「ちょ、おま!やめて~!w」なんて悲鳴がしょっちゅう飛び交います。

その一方で一人孤軍奮闘しているのを皆で「今行くから待ってて!」「やられるなよ!がんばれ!」なんて自然と応援しあう場面もあったりで、マルチプレイは本当に楽しいゲームですね。

更にもっと言うと、 上級者と初心者が一緒にエンジョイできる という点も素晴らしいです。

どうしてもこういった2Dアクションゲームのマルチプレイって上手い人に下手な人がついていけない傾向があるのですが、本作は泡になれるシステムでそれを見事に解決しています。

泡状態

プレイヤーはこんな感じでいつでも無敵状態の泡に包まれて画面内を漂う事ができるのですが、

泡に包まれた状態で他のプレイヤーに近づいて割って貰って戦線復帰することができます。

このおかげで難しい場面は上手い人にゲームの進行をリードして貰って、安全な場所で泡を割ってもらうなど助けてもらう事が出来ます。

逆に上手い人もうっかりミスしそうになったら泡になって、安全地帯で待っていた人に近づいて助けてもらうなど…

泡のシステムを使うことで上手い人も下手な人も一緒に協力し合えるんですよね。

この発明は本当に凄い!

しかし…

一方で、こればっかりはしょうがないのですが…

一緒に遊ぶ人がいないとこれらの体験が全くできないというのが本当に悲しい所ですよね。

一緒に遊ぶ人がいないからオンライン対応して欲しいという声もありますが…

私が思うに恐らくこの体験はインターネット上で味わうのは難しいです。

見知らぬ人と遊んだら勝手にズンズン進んでおいていかれたり、自分勝手な人にアイテムをどんどんとられて面白くなくなる可能性も十分あります。

しいて言えばフレンド限定でオンラインで遊べるようになればいいと思うのですが…マリオはラグがあるとストレス半端なさそうですからね…。

ローカルで多人数で遊ぶ人とそうでない人の体験に差ができてしまうのは何も本作に限った話ではありませんが、いつかこの隔たりがなくなる日が来て欲しいものですね。

 

やり込み要素満載!

本作でよりディープに遊びたい上級者のニーズを満たしたいという任天堂の意思が明らかなのは、本編とは別に用意されたやり込みモードからも伝わってきます。

ステージ中に隠されたスターコインなんかはシリーズでお馴染みとなっていますが…

本作ではその他にも『おだいモード』や『ブーストモード』と呼ばれる中~上級者向けのやり込みコンテンツが用意されています。

『おだいモード』は、例えば「何秒以内にゴールしなさい」など特定の条件を課せられたミッションをクリアするコンテンツですが…

連続で踏みつけて倒すおだい

中には上級者でも悲鳴を上げるような鬼畜難易度のものがあります(笑)

「マリオって初心者むけのチョロいお子様ゲームでしょw」

みたいな偏見を持っている人にこそ是非遊んで欲しいですね(ニヤリ)

それと忘れてならないのは本作ではまるっと収録されている『Newスーパールイージ―U』の存在です。

こちらの位置づけもマリオUを遊んでもっと難しいのを遊びたいという人向けで完全オリジナルコースが60種類収録されているのですが…

コンセプトを良い事にあの鬼畜難易度で知られる『マリオブラザーズ2』に迫る難易度と言われるくらい大変な事になっています(苦笑)

その分ステージはコンパクトにして制限タイムも100秒にしてサクッと終われるようにしているのがまたニクイですねぇ~。

集中力がマリオU本編よりも求められる分ヒリヒリ緊張感で疲れやすいっていうのを考慮してそのサイズに意図的になっているのでしょう。

 

マンネリは否定できない

ここまで褒め倒しで来てますが、ここでは少し辛口なコメントもしておきます。

本作の一番大きな欠点は

「他のNEWスーパーマリオシリーズとの差別化がしっかりできていない!」

というところにあります。

例えばここ10年くらいに出ている3Dのマリオを見て見ると、それぞれの作品の特徴がかなりはっきりしています。

3D空間を自由に探索できるおで3Dマリオ
  • 球体でステージ表現された『スーパーマリオギャラクシー』
  • 3Dだけど2Dのような感覚で楽しめる『スーパーマリオ3Dワールド』
  • 様々な世界観の箱庭を冒険する『スーパーマリオオデッセイ』

これらはコンセプトや操作感、見た目やシステムと根本的に何から何まで違っていてもはや別のゲームですね。

どれも多様性があって質の高い作品ですし、連続してこれらを遊んでも楽しめると思います。

一方で、例えば2Dマリオの本作と10年近く前に出た『NewスーパーマリオブラザーズWii』を比較して何が違うのかと聞かれて答えるなら…

  • パワーアップアイテムやギミックが違う
  • やり込み要素の充実
  • HD画質で奇麗になった

…といったような枝葉の部分の違いを説明せざるを得ないんですよね。

言ってしまえば根本的な部分は過去作と被ってるんです。

一人で遊ぶという人に限ってはそれこそWiiだけでなく3DSやDSのNEWマリシリーズで似たような体験ができてしまいます。

なので、NEWマリシリーズをある程度今までコンスタントに何作もに遊んでいる人に…

「ま~た2Dマリオかよ!飽きたわ!」

と言われても私は否定できません(苦笑)

ゲームとしては本当に良くできてるのに、WiiUの時無印のNEWマリUがパッとしなかったのもこれが原因だと私は思いますね。

 

最後に

練り込まれた難易度バランスはここ数年のマリオシリーズの中でも難しい部類ですが、初心者のフォローも手厚くなっていますので幅広いユーザーが楽しめる2Dマリオの決定版と言える作品です。

これまでの要素を集約したような作品なのでマンネリ感は正直ありますが、最近2Dマリオを遊んでいなかったような人は良質な体験を純粋に楽しめる作品ではないでしょうか。

本作は特にマルチプレイが楽しくそしてカオスなので、友人や家族と一緒に遊ぶゲームを探している人が手に取るには正にベストチョイスです。

時にはお邪魔しあったり、励まし合ったり…是非マリオならではのスリリングで躍動感あふれるマルチプレイを楽しんで欲しいですね。

一人用で購入するか迷っている人にも質の高いゲームという事でオススメをしたいですが、一人で遊ぶにはシンプルでストイックなゲーム性というのはご理解の上で検討されることをオススメします。

 

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