原作知識ゼロでも面白い!『ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチDX』レビュー

今回はNintendo Switch専用ソフト『ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチDX』のレビュー・感想を述べていきます。

本作は『ガールズ&パンツァー』という女子高生が戦車に乗って戦う人気アニメを題材にしたゲームで、元々PS4に発売されたものに追加コンテンツを加えた完全版的にあたる作品です。

こういった版権ものは原作ファンの方が購入されるパターンが多いと思いますが…

タイトルにある様に私、原作知識ゼロ!で挑んでおります(苦笑)

従いましてキャラクターの再現性などについては一切語れないのですが…

「原作を知らなくてもどれだけ楽しめる作品なのか?」

そんな観点で当記事をご参考いただければ幸いです。

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美少女だけじゃない!

『ガルパン』は女子高生達が戦車に乗り込み戦うアニメを元にしているという事もあって…

ゲーム内の登場人物は完全に女子一色!男は一切登場しません!

美少女たちが何十人と登場し、キャッキャと会話を繰り広げる。

これをハーレム的に受け入れて楽しめる人もいると思いますが、私には結構辛いものがありますね(泣)

なんせ『ガルパン』が好きかどうか以前に、アニメ美少女キャラに対する萌え属性値や耐久値がゼロに近い人間ですから。

主人公が「パンツァー・フォー!(戦車前進!)」ってアニメ声で掛け声を毎回するんですけど、見ているこちらが恥ずかしくて顔が真っ赤になりそうです(笑)

そんなやつがなぜ本作を買ったのか?と思う方もいらっしゃると思いますが…

先に発売されていたPS4版で

「戦車対戦ゲームとして良くできているぞ!」

という評判を聞いて気になっていたんですよね。

果たして原作補正なしでどこまで楽しめるものなのか…。

しかしバンナムのキャラゲーと言えば、ク〇ゲー率が半端ないカテゴリーです。

特にコレ ↓ とか

色々今までの悪いイメージが積もっているので…

「大丈夫なのこのゲーム?いい加減に作られてるんじゃないの?」

「ファン補正無しで満足できるの?」

なんて思いが頭をよぎり、私も購入するまではかなり半信半疑でした(苦笑)

しかし、実際に遊んでみると…

これは…

うむ…確かに…

バンナムのキャラゲーらしからぬ面白さです!

いわゆる心理学でいうゲインロス効果ってやつで…

「不良が子猫を助けてるのを見て好感度爆上げ」に近い心理状態もあるかもしれません(笑)

とはいえ冷静にゲーム部分だけを見ても、ちゃんと作られているのは確かです。

私の様な原作を知らないどころか、寧ろアニメ原作であることがマイナスになる人間でも…

遊び応えを感じて楽しめるゲームとして仕上げているのは正直驚きですね。

やればできるじゃないか…バンナム!

 

戦車道入門にもってこい!

戦車の対戦ゲームというと『World of Tank』(WoT)が有名ですが…

本作はWoTをより遊びやすく、親しみやすくしたゲームというのが印象として大きいです。

WoT系の戦車ゲームの何が良いって言うと…

「ゲームスピードが全体的にゆっくり」

っていうところにあると私は思います。

戦車の種類にもよりますが、全体的に皆移動速度も遅くてどこか動きがぎこちないですし…

戦車は小回りが利かない上にノタノタと走るのでゲームスピードは遅い

一発弾を打つたびに数秒間の弾の装填に時間がかかります。

ですので、接敵したとしてもマシンガンでハチの巣にされて何もできずにすぐ倒されてしまう!という事がありません。

ゲームアクション一つ一つが戦車である故にがゆっくりなので、何が起きているのか状況が非常に分かりやすいんですよね。

普通のTPSとかFPSと比べてみると相当なモッサリ挙動なんですけど…

戦車というロマンがそれを許してしまうというのが面白いですね!

操作性についてもかなりユーザーフレンドリーな仕様になっていて好感が持てます。

基本操作は左スティックで移動、右スティックで視点(砲塔)を動かし、ZRで砲撃を撃つ…という超シンプル仕様です。

エイミング(右スティックで狙いをつける)が苦手な人でもロックオン機能があるので問題ありません。

更には、実在する戦車を扱いながらも、動き自体はアニメ準拠なのか適度にデフォルメされていて他の戦車ゲームと比べても動かしやすくなってるのも良いですね。

戦車独特の癖はあるけど旋回など操作は慣れると比較的やりやすく感じる。

また、どちらかというとオンラインで猛者どもが集まって戦うWoTに対して、本作はオフラインの遊べるモードもかなり充実しているのが特徴で…

「戦車の対戦ゲームを遊んだことがない」という人にピッタリなゲームです!

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本格的に戦車道を楽しめる!

本作はただ単純に初心者が遊びやすいというだけでなく、対戦ゲームとしての奥行きがあるのも良い部分ですね。

ゲームは最大5vs5の集団戦を基本にしており、チームワークが大切です。

マップには起伏や遮蔽物があるので、機動力のある戦車に先行してもらい索敵をしてもらい…

味方が見つけた敵に鈍重な戦車の威力のデカい砲撃を叩き込む!

…といったように、各戦車の性能を理解して協力し合う面白さがありますね。

マップは結構広いので索敵をしっかり行うことが重要

ゲームルールには敵をせん滅するものの他に、リーダーを倒したら勝利の『フラッグ戦』があって、そちらではより仲間を守る連帯感があります。

ローカルあるいはオンラインで他の誰かと協力して遊ぶゲームとしてもなかなか優秀ですね。

どちらかというと格闘ゲームの様にテクニック捌きを発揮するようなゲームではなく…

遮蔽物を上手く利用したり、相手の索敵をかいくぐって不意打ちをするなど…

立ち回りを工夫したり、仲間と協力するゲームが好きな人がツボに入るタイプではないでしょうか。

マップの総数も全部で11となかなか豊富で、『丘陵』や『市街地』といったそれらしい戦場だけでなく『迷路』や『遊園地』等ユニークなロケーションで遊べるので…

色んなマップをローテーションして対戦しているだけでも楽しいです。

サウンドや爆風表現にHD振動と合わさって戦場の臨場感がしっかりと表現されていますし、ただのキャラゲーだと馬鹿にできない…

戦車ものの対戦ゲームとしてもしっかり作りこまれたゲームなのです。

 

ゲームモードも豊富!

本作はオンライン対戦以外にもオフラインのモードが沢山あり、1人でもじっくり遊びこめるようになっています。

ここではそれぞれのモードを簡単にザックリ紹介していきます。

『感想戦モード』

チュートリアルも半分兼ねたストーリーモードにあたるモードです。

よくある原作を最初から追体験できるモードかな?と思いきや…

いきなりオールスター状態でキャラが沢山登場し、原作の一部のエピソードを女の子たちがペチャクチャ喋りながら振り返る流れになっています(笑)

一応事細かに原作の場面や状況をセリフで説明してくれるのですが…

フルボイスで喋ってくれるものの説明が長い…。

まるで校長先生の長話の如くダラダラと続くので、途中から全部スキップです(苦笑)

いや~原作知らないとこれは辛いですね。

それに加えて、リトライがないのも微妙です。

失敗する度にエピソードの選択画面に戻って、またまた長話をスキップするっていう繰り返しをさせられてちょっとイラっとしました。

エピソードの数は20ほどで、スキップをすれば2~3時間でクリアできますので個人的にはさっさと終わらせるのがオススメですね。

『争奪戦モード』

9校の中から1つを選び、5戦勝ち抜きを進めていくアーケードモード的なモードになります。

それぞれの学校で個別のストーリーがあり、ゲームルールも「制限時間内に生き残れ」など少し特殊なルールがあるのも良いですね。

一方で気になるのはコンティニューがなく、一回負けると最初からやり直しという謎のシビアさです。

5戦で終わりますし、難易度もそこまで高くないので難しいとは思わないんですが…

そこ別にコンティニューさせてくれてもいいよね?って(笑)

『戦車道祭』

こちらは自分の好きな戦車やキャラクターをカスタマイズして、トーナメント戦に参加できるモードになっています。

面白いのは倒した相手から一人仲間にできるという事ですね。

1回戦は2人、3回戦は3人…とどんどん仲間を増やして最終的に決勝戦で5vs5で勝てば優勝です。

こちらも一度負ければお終いでコンティニューはありません(笑)

『エクストラマッチ』

特定の条件のミッションをクリアしていくモードです。

『通常』『上級』『超上級』と難易度も3段階ありますので、自分のスキルに合わせてコツコツとクリアしていきます。

『フリーマッチ』

自分で好きなマップや戦車などを設定して遊べるモードです。

『通信マッチ』

オンラインやローカルで他の誰かと一緒に遊ぶモードです。

カジュアルマッチで見知らぬ人と遊ぶこともできますし、特定の車種で参加するイベントマッチなんかもあります。

ただ、あまりこのゲームが売れていないのか…

それとも皆戦車などのアンロックに夢中でオンラインに来ないのか…

過疎気味ですね。

マップを時間帯で固定して分散しないようにはなっているのですが、ゴールデン帯でも全然集まってこないっていう…。

しかも毎回部屋を解散するので、毎回マッチングしなくちゃいけないのが辛いですね。

せめて集まった人たちで何戦かできるようになっていれば良かったのですが…。

ゲーム自体は楽しいだけに残念!

 

やり込み要素満載!

本作は意外にも物量もたっぷりのゲームで、実はやり込み甲斐もあります。

ゲームを遊んでいると戦車やキャラクター、デカールを次々入手できるのですが…

戦車によって勿論それぞれに性能差がありますし…

車種によって性能は異なり、操作感や立ち回りが結構変わってくる

キャラクターにもそれぞれ特殊能力的なスキルが備わっています。

自分好みのスキルを持つキャラクターを探す試行錯誤も楽しい

遊んでいるうちに戦車とキャラが充実していき、自分好みのカスタマイズする楽しさが試行錯誤するやりがいが増していく…

これがゲームを続ける一つの大きなモチベーションになっていますね。

数も相当な豊富で…戦車だけでも101種類、キャラクターに関しては200人近い数が…。

数多すぎっ!(笑)

これらをコンプリートするのは相当時間がかかりそうですね(驚愕)

でもまぁ…対戦ゲームはストーリー的な起伏や明確な終わりがないので、こういったアンロック要素が充実しているのは嬉しいですね。

私はアンロックしきると完全燃焼してしまうタイプなので、このように長く遊べるように要素が用意されているのはポジティブに評価します。

 

まとめ

キャラゲーでありながらも原作を知らなくても戦車もののゲームとして十分楽しい作品です。

最近の対戦ゲームはオンラインなんぼみたいなものが多いですが…

アンロック要素やモードも豊富で、オフラインだけでも相当遊び込めるようになっている点は素晴らしいですね。

その代わりオンライン関係は過疎気味だったり、ランクマッチなどがないので…

オンライン対戦目的の人にはお勧めしづらい所は正直あります。

あと戦闘前のローディングが少し長め(30秒くらい)なのでせっかちな人はそこを考えて検討された方が良いかもしれません。

その辺りを気にしなくて、戦車のゲームがやりたい…もしくは『ガルパン』のゲームを遊びたいという人にはかなりオススメです!

いや~しかし…バンナムのキャラゲーで当たりは本当に少ないので、『ガルパン』がここまでちゃんと作ってあるのは奇跡のように思えます。

私なんかガンダムのゲームで何度もとんでもないものを掴まされてますからね(泣)

 

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