2019年夏発売予定の本格ロボットアクション『DAEMON X MACHINA』(デモンエクスマキナ)の体験版の感想について述べていきます。
本作は元々フロムソフトウェアで『アーマードコアシリーズ』を手掛けていたクリエーターが参加しているロボットアクションゲームで、同シリーズとの共通点も沢山見受けられます。
そういったところからACファンの方は勿論ですが、それ以外のロボットゲームが好きな方も楽しめるゲームになっていますので、本作の魅力をしっかりお伝えしていきたいと思います。
体験版の概要
体験版は「お試し版を遊んで面白かったら購入してくださいね」というのが本来意図するところですが…
今回配信された体験版は「序盤の4つのミッションをユーザーにプレイをしてもらって意見を貰う」という事を目的にしています。
ですので、完成品を遊んで評価をするという目線ではなく…
不満点があればどんどん公式にその内容を上げてもらって、本作をより良いものに皆にしていきましょうというスタンスで配信されています。
本作の印象
さて、肝心のゲームの内容ですが…
私が実際にプレイして感じた本作の特徴は何か言うと
「色んなゲーム要素を混合させたハイブリッド感」…です。
ロボットを操作するアクションゲームというと兎に角尖っていて敷居が高い、マニアックなイメージがありますが、
本作は上手く色んなゲームの良い部分を吸収して、遊びやすくまとめようとしている印象がありますね。
これからそれぞれ代表的な部分をフォーカスしてお話ししますが、どれも尖りすぎず尚且つ浅くしすぎない…
そんなギリギリのラインを狙っているところが見え隠れしている作品となっています。
ベースはアーマードコア
基本的なアクション部分やロボットのカスタマイズという点では冒頭で述べた通りACのシステムを色濃く受け継いでいます。
パーツをカスタマイズした機体で戦場に飛び出し…
3D空間のステージをブースト吹かして銃弾の雨をかいくぐる!
そんなゲームプレイの印象から
「こいつは明らかにアーマードコアの精神的続編だぜ!」
なんて扱いをされるのも不思議ではありません。
因みに、私はACシリーズでは最新作の『アーマード・コア ヴァーディクトデイ』などを少しかじったことがありますが…
スキャンモードとか属性とか最初から畳みかけるように色んなものがごちゃごちゃしていて毎回数時間で投げています(苦笑)
ACは本当にコアなゲームで興味本位で手を出すとボコボコにされる手ごわいゲームなんです。
本作はそういったACにあったようなマニアックな要素は取り除いてシンプルなシステムになっていますね。
単純にアーセナル(メカ)にパーツを組み合わせて武器を持たせて、戦場でドンパチする…それだけでいい。
勿論重量とか細かなパラメーターは本作にもありますが、そういうのは遊んでいくうちに覚えていけばいい…という感じで「ユーザーフレンドリー感」が漂っていますね。
ACDVみたいな濃いマニアックなものを求めている人には薄味気味かもしれませんが…
硬派すぎてついていけなかった私の様なユーザーにとっては
「他のゲームと同じような感覚でACシリーズっぽいメカアクションを楽しめる!」
というのは嬉しいですし、やる気を喚起させられますね!
モンスターハンター的共闘感
体験版では4つのミッションがあり、いずれも仲間の機体(CPU)が同行します。
製品版では他のプレイヤーとマルチ(オンライン&オフライン)できるようですが…
特に大型ボスとの戦闘はモンハンのようにワイワイ楽しめるゲームに仕上がってる印象ですね。
例えば、今回戦える大型ボスは4脚のタイプですが、弱点のヒューズらしきものが4本の脚のいずれかに移動するので…
「右前足に弱点出た!」
「砲撃は俺が引き付けてるから頼む!」
みたいに他者と協力して遊べるようなギミックが仕掛けられています。
勿論一人プレイでもCPUが協力してくれますので十分楽しいのですが、
「誰かと一緒に遊ぶことが楽しいゲーム!」
というのも一つ本作の大きなコンセプトである…というのが体験版から読み取れますね。
ディアブロ的ハクスラ要素
本作は倒した敵のアーセナルからパーツや武器を回収することが可能です。
入手できるものの内容はランダムでその時その時によって変わりますので、
「おお!このパーツなんか特殊能力ついてるぞ!」とか
「あいつ良いパーツ落すらしいから頑張って倒そう」みたいな…
ハック&スラッシュ型のゲーム的に楽しんで反復して遊べるゲームになっていますね。
本作はカスタマイズ性が高いゲームなので、拾ったパーツを組み替えたり試行錯誤しながら何度もミッションに挑むという事ができます。
なので『ディアブロシリーズ』の様にどっぷりパーツや武器集めとカスタマイズのループにハマる中毒性の片りんを既に体験版から漂わせてますね。
因みに、体験版はクリアまで1時間くらいで終わるのですが…
私はパーツ欲しさに何度も繰り返して既に7時間くらい遊んでいます。
体験版にお金払っても良いくらい遊んでますね(笑)
もっさり?いやそんなことはない!
最初体験版を触って感じたのは、
「なんか、妙にもっさりしてるな…機体のスピードも遅いし」
といった印象で、正直このゲームは期待外れだったかな…なんて思いが頭をよぎりました。
そこで4つのミッションを全部クリアしてまず試してみたのは…
「手に入れたパーツを組み替えたり、無駄な装備を外して軽くする」という事です。
更に拠点をうろついていたらアウターと言われる中身のパイロットを強化するルームがあったのでそこで…
「着地硬直を減らすスキルなどを覚えさせる」という事をしてみたんです。
そしたらまぁ…劇的にスピード感あるゲームに激変ですよ!
まだ序盤のパーツなのでそれでもかなりブーストなどに制限があるとは思いますが…
戦場を自由に飛び回り、グリグリと地面をすべるように動かせる爽快感!
「こういうのを待っていたんだよ!これだよ!これ!」
と求めていたものがやってきた感を強く感じます。
最終的に軽さを求めるあまり武器を外しまくって、火力不足になったりもしましたが(笑)
このゲームはカスタマイズによって機体の動きのスピード感はかなり変わります。
Twitterで他のプレイヤーさんも動画をアップされてますが、高機動で動くロボットの姿はロマンの塊ですね!
デモンエクスマキナをプレイしたけどスピード感が物足りない方、ミッションを繰り返して初期パーツから交換すると目が追い付かなくなってくるのでオススメです #NintendoSwitch pic.twitter.com/sIBwfrYuzw
— 金岡 (@kana_oka) February 14, 2019
やっぱり小さいころからロボットがブースターをうねりを上げながら、ギュンッ!って飛び交う姿を見てときめいてきたわけですから…
それを自分の頭に思い描いたようにこうしてゲームの中で動かせる快感は堪りませんね。
ただ、今回私はアーセナルのカスタマイズやらアウターの強化することに気が付いたからよかったのですが
普通にそのまま触りだけプレイしたり、それを動画で見た人たちが…
「もっさりしたゲームじゃねこれ?」
という印象のまま終わってしまうケースもあるのかな?という懸念もあります。
全体的にチュートリアルがあっさりしていて、拠点でのカスタマイズ関係のTIPSなどもないので、そこは改善の余地がありそうですね。
余り説明がクドイと嫌になってしまうリスクもありますけど…
最初のミッションでパーツを手に入れさせて「これに付け替えると前よりも機動力が出ますよ」なんて実際にレクチャーしながら…
段階的にカスタマイズの概念などを覚えていけるような仕組みがあるとなおベター!といったところでしょうか。
その他気になる点や要望
▼ジャイロエイム機能を付けて欲しい
本作はロックオンの枠が大きいので普通の3Dシューティングゲームに比べてエイムは楽なのですが…
敵も自由に空を飛んだり、360度グリグリと動き回るゲームなので、意外と右スティックの操作が大変です。
なので、『スプラトゥーン』のように感度の高いジャイロとスティックを組み合わせて画面をより直感的にぶん回せるようにして欲しいですね。
▼地形オブジェクトの使い道をもう少し出して欲しい
本作ではステージにある車やビルなどのオブジェクトに干渉したり、何かしら使えるようになっているのですが…
それがあまり攻略の役に立っている実感が体験版では感じられなかったですね。
ビルを攻撃すると倒壊させられるのですが、ただ真下に崩れるだけではなくて横に倒れて敵にダメージを与えるとか…
オブジェクトをもっと攻略に使えるギミックにできたらかなり面白くなりそうですね。
▼フレームレートの安定
これはまだ開発途中というのもありますが、フレームレート(動きのなだからさ)が結構乱れます。
ガクガクまでは言いませんが、製品版ではもう少しフレームレートを上げてくれないと3D酔いする人は多いかもしれません。
現時点での総評
2018年6月の発表時からずっと期待して待っている作品ですが、とりあえず今回の体験版で…
「このゲームは間違いなく買う!買わせてくれ!」
という硬い決心を固める事が出来ました。
ロボットものでここまでちゃんと作ろうとしているゲームは本当に久しぶりな気がしますね。
バン〇ムの某ロボットゲームなんて、ゲームとして楽しませるどころか原作愛すらも疑わしいものがいくつも出ています。
特にこれ ↓ とか…凄まじい不評の嵐でビビります(苦笑)
そしてかくいう私もそういうのを懲りずに掴まされて、何度も失敗している口です(笑)
本作はプロトタイプということで、まだまだ色々と粗はありますが…
”ロボットの醍醐味はちゃんと残しつつも、ゲームとして親しみやすく楽しいものを作ろう!”
という方向性にとても共感できます。
ロボットに興味が無い人も、友達が楽しそうに遊んでるから一緒にやってみようなんて広がりが出たら嬉しいですね。
公式でユーザーの声を集めているという事はこれから色んな部分が体験版よりも改善される可能性もありますし、ますます製品版が楽しみになってきました。
メーカーは違いますが、かつて『オクトパストラベラー』も以前同じように体験版を配信し、意見を募りました。
そして結果的に製品版を大きく改善し、良作に仕上がったという実績もあります。
ですので、この体験版のユーザー意見が本作の出来を左右すると言っても過言ではありません。
発売は夏という事で体験版配信から半年ありますが…
是非ともユーザーから集められた有意義な意見によって、本作が素晴らしいゲームになることを期待したいですね!