プラチナゲームズの『Scalebound』(スケイルバウンド)を任天堂がNintendo Switch専用ソフトとして復活させるという話が海外で話題になっています。
これはあくまで公式による確定的な情報ではありませんので噂話程度に受け止めておく必要がありますが、複数の情報元があるところからも非常に興味深い所があります。
今回はキャンセルされた経緯やリークに対する情報の整理などスケイルバウンドにまつわる情報を併せてご紹介していきます。
発表からキャンセルされるまでの経緯
スケイルバウンドは『ベヨネッタ』や『大神』など数々の名作を手掛けた神谷英樹氏がディレクターを務めていた、完全新作のアクションゲームです。
マイクロソフトが販売元でXbox OneとWindows10のタイトルの一つとして大々的にPRされたゲームです。
日本でも神谷氏のゲームファンに注目されていたタイトルですね!
アメリカで2014年に行われたE3での発表からその後も2年連続でE3で紹介されており、開発は順調に思えました。
しかし、発表から3年が経ちそろそろ発売が見えてくるのではないか?という期待感の中、突然の訃報が訪れます。
「スケイルバウンドをキャンセルする」
2017年、マイクロソフトはスケイルバウンドをプラチナゲームズから撤退させることを発表します。
これには上司の稲葉氏から『キ〇ガイ型のクリエーター』と呼ばれ、Twitterで毒を吐く狂犬の様な神谷氏も相当精神的に参ったようで、当時のTwitterでもその落乱ぶりが垣間見えます。
皆さん、既にリリースがあった通り、『Scalebound』が開発中止という大変残念な結果となってしまいました。発売を待ってくれていたユーザーの皆さんには、申し訳ないという言葉しかありません。本当にごめんなさい。
— 神谷英樹 Hideki Kamiya (@PG_kamiya) January 11, 2017
…というわけで、今日からぼちぼちツイッターを再開します…聞くところによると精神的に病んで休職していたということらしいので皆さんお手柔らかに…
— 神谷英樹 Hideki Kamiya (@PG_kamiya) January 11, 2017
以前は「MSのク〇どもがよ~舐めてんのか!」みたいなツイートをしてた人が、随分としおらしくなっていますね(苦笑)
因みにマイクロソフトは別の開発でスケイルバウンドを続投するという意向を示しましたが…
結局のところその続報もないどころか、『Scalebound』の商標登録も放棄しています。
言ってしまえば…
MS「スケイルバウンド?そんなものはなかったんだ…いいね?」
というのが現状になります。
キャンセルの理由については「マイクロソフトと神谷氏で関係が悪化したのでは?」とか「開発に時間がかかりすぎてマイクロソフトに切られた」など諸説言われていますが、関係者からのはっきりとした言及はなく不明のままです。
ゲームの特徴
スケイルバウンドのゲームとして最大の特徴は、”巨大なドラゴンと共に戦うアクションゲーム”というところにあります。
主人公はアクション操作で実際に剣や弓など武器を使って攻撃をするだけでなく、ドラゴンに指示を出して炎で敵を焼き払ったり、背中に乗って空を飛ぶことも可能。
相棒としてドラゴンと上手く協力することが重要なゲームとしてデザインされています。
ゲームプレイとしてはシングルプレイ向けに当初はデザインされていたようですが、マイクロソフトの要望もあってマルチプレイの実装も予定していたそうですね。
実際にE3 2016では4人のプレイヤーと超大型ボスに挑むシーンが公開されています。
▼参考動画
個人的にスケイルバウンドに一貫してあったのは「神谷さんのゲームにしては大人しいな」という印象です。
巨大なドラゴンと敵のモンスターがリアルタイムに戦うシーンなんかは滅茶苦茶面白そうでしたが、主人公のアクション自体は結構地味なんですよね。
近年は『ベヨネッタ』『The Wonderful 101』で素早い動きでコンボを畳みかける爽快アクションのイメージが強かった作風だったので、ゴリゴリのアクションというよりも、RPG寄りなゲームの毛色に見えますね。
ドラゴンをカスタマイズしたりするような要素もあったり、ダメージ値が数字で表示されたりとアクションRPGとしてみると割とシステム的にもしっくりくる気がします。
▼参考動画
ただ、いつもの突き抜けた感じではないシステムや一向に発売の話が出てこないところから「開発に難航しているのではないか」という意見の人も当時は多かったですね。
因みに、スケイルバウンドのこのコンセプトは元々はWii用に企画されていたとか。
なんか海外のインタビューに答えたのが正しく伝わらなかったようだけどスケバンの初期案がウィー用だったてのは棒コンで恐竜に命令するゲームを企画書レベルで考案しただけでプロトは作ってないですね…ほんでベヨ終わった後に本格的に企画練り直してドラゴンに変えてプロトを作ったという話ですね…
— 神谷英樹 Hideki Kamiya (@PG_kamiya) October 6, 2015
Switchのジョイコンのジャイロでポインターを動かしてドラゴンに指示を出すとかできたら面白そう…。
復活の噂
今回任天堂がマイクロソフトがキャンセルしたスケイルバウンドを復活させるという話題の発端になったのは複数のメディアの報道によります。
ひとつはGame Inmfomerによるもので「任天堂がかつてキャンセルしたゲームを復活させるというリークを得た」という内容です。
今週初め(2019年2月第3週)にGame Imfomer(海外のゲームメディア)の編集デスクであるImran Kahnが、情報番組で「任天堂がかつてキャンセルしたゲームを復活させる」という非常に興味深い噂を耳に挟んだことを言葉にした。
そしてもう一つはNintendo Insiderによる「Nintendo Switch専用でスケイルバウンドが開発されている情報を得た」というものです。
私は『Scalebound』がNintendo Switch専用としてリリースされる情報をキャッチした。
マイクロソフトがこれまで関与してきたものを引き継ぐものなのか、ゼロからの再スタートなのかは未だ不明。
Game Imfmerの編集デスクがほのめかした「任天堂がキャンセルされたゲームを復活させる」というのは恐らくこのゲームの事だろう。
しかしながら、任天堂とマイクロソフトは良好な関係とはいえマイクロソフトのゲームを買い取るというのはいささか信じがたい部分もあります。
マイクロソフトとの関係もそうですが、もっと気になるのは神谷氏本人の動きですね。
神谷氏は現在『ベヨネッタ3』『アストラルチェイン』という二つのタイトルの監修に携わっています。
それに加えて、2018年にはディレクターとして新規タイトルを企画して動き始めている事とか。
それだけ仕事を抱えていて、スケイルバウンドを再始動させるのは流石に無理があるのでは?と思う節もありますが。
かつては『The Wonderful 101』を作りつつ、『ベヨネッタ2』の監修でストーリーを書きながらスケイルバウンドの企画を進めていたという話もあります。
また、任天堂もこれまで、予算都合などで開発継続が厳しくなった作品の販売元を受け持ち救済をしてきた過去がいくつもあります。
その辺りを考えると、全くこの話に可能性がない話ではない…というのが私の見解です。
ひょっとしたら、スケイルバウンドのコンセプトを受け継いだ新規IPがSwitchに開発されていて、それが「スケイルバウンドを任天堂が復活させようとしている」と噂になっている可能性もあるかもしれませんね。
因みに神谷氏当人は当然の如く本件に関してはノーコメントです。
噂に回答するつもりはないです… RT @DestinyWolves: だからスケールバウンドについてのルーマーはスイッチに行くのが本当かどうか
— 神谷英樹 Hideki Kamiya (@PG_kamiya) February 21, 2019
いずれにせよ、神谷氏がディレクターとして携わっているであろう新作の発表によって今回の話の真偽がある程度見えてくると思いますので、今後の神谷氏並びに任天堂とプラチナゲームズに注目していきましょう!