対戦ツールとしてスマブラSPが十年先も遊ばれ続ける3つの理由

Nintendo Switch専用タイトル『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』の発売から2ヶ月程経ちましたが、発売日から遊び続けてこのゲームに対するディテールがようやくはっきりとしてきました。

そして現段階で言えるのは「スマブラSPは10年以上遊べる優れた対戦ツール」であるという事です。

こんな言葉を見て、コイツ大げさな事言ってんなぁ!と思う方もいらっしゃると思いますので、今回はなぜスマブラSPが10年先も対戦ゲームとして愛され続けるかその理由についてお話していきたいと思います。

因みに、今回お話しするのはあくまで対戦ツールとしてであり、CPUを相手にする一人用のゲームとしては想定外である事をご了承お願いします。

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理由1.豊富なファイターとバランスの両立に成功している

ゲームを長持ちさせるのに大切な要素として「遊びのバリエーションとボリューム」というものがあります。

スマブラで言えば使用できるファイターの数が豊富であればあるほど、自分で色んなファイターを触ってみたり、多様なファイターと対戦する刺激が与えられプレイヤーは飽きづらいものになります。

しかし、ボリュームを増せば何でもいいのかと言ったら決してそうではないんですよね。

どうやっても相手に勝てないような横にしか歩けないクリボーを参戦させられても意味がありません。

私たちユーザーは「ちゃんと使えるファイターを沢山欲しい」 というのが前提としてあるわけです。

では今回のスマブラSPで「使えるファイターがどれだけいるのか?」ということですが、それの回答となるデータをスマブラのディレクター:桜井氏が公開しています。

まず1on1の勝率ですが、すべてのファイターが4割を切ることがなく、6割以上になることもない範囲に収まっています。VIPマッチの1on1において、最低勝率のファイターは43.7%。最高勝率のファイターは56.8%です。この部分だけ比べるとある程度の差はありますが、74ファイターの頂点と最低であることを考えると、全ファイターまんべんなく僅差だったと言えます。

引用:ファミ通『桜井政博ディレクターがファミ通連載コラムで明かした秘密の戦績データを公開!』

要するに、「オンラインランク上位者によって74体のファイターで戦わせた結果、どのファイターも勝率が5割付近に収まっており、突出して勝ちまくってる負けまくってるファイターが存在していない」ということを桜井氏はデータで証明しています。

なので理論的にスマブラSPには「使えるファイターが74体いる」という事になりますね。

流石にこれだけの選択肢があれば使用するファイターもばらけていきます。

実際にそれを裏付けるものとしてあるのが、最近行われた日本最大のスマブラの大会『ウメブラ』や執筆している現在行われているスマブラ最大級の国際大会『Genesis6』の上位者たちが使っているファイターです。

驚く事に特定のファイターに人気が集中することなく参加者は多種多様なのファイターを使っており、未だかつてないカラフルさを魅せています。

前作のこういったガチな大会ではベヨネッタやディディーコングを飽き飽きするぐらい見させられたわけですが、本作は色んなファイターに可能性が与えられていて、しのぎを削り合う環境になっているという事なんですね。

74体+DLCという膨大な物量の中でぶつかり合う対戦アクションゲームは他に例が無いため、一体どこまで突き進むのか分かりませんが、2年3年で遊びつくされるなんていうレベルではないゲームなのは確かです。

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理由2.攻め有利のゲーム展開が動画やeSports映えする

スマブラSPはこれまでのシリーズと比較して「攻めが有利なゲーム」と言われています。

「攻めが有利なゲーム」の何がいいかというと、試合展開がテンポ良く進み結果も早く出るということと、戦いが派手で遊んでいる側も見ている側も勝負所が分かり易いところですね。

逆に、ガードでじっと固めて相手が手を出すのを待っている「待ちガイル」のような渋い戦いはたまに見ると面白いですが、皆がそれをやっている大会の動画を見ていたらどうでしょうか。

▲ガードしながら相手が飛び込んでくるのを待つ守りのファイトスタイルを浸透させたガイル。

おそらく多くの人が欠伸が出るくらい退屈に感じるはずですし、ゲームに精通していない人には地味すぎて面白みが理解しづらいでしょう。

プレイする人が楽しむというのも重要ですが、今はYoutubeやeSportsによって「観る人も楽しめるゲーム」が支持されて長く生き残っていく時代になっています。

そういう時代に「攻めが有利なゲーム性」に加えて前述した「豊富なキャラクターが入れ替わり登場するバラエティ」を持ったスマブラSPはこれまでのどのスマブラよりも華やかで、これからの時代にフィットしていると言えます。

因みに、スマブラSPで「攻めるが有利なゲーム」へと変身したのはシールド(ガード)が弱体化したという背景があります。

シールドを解除した後の隙が大きくなったのと、ジャストシールドの仕様が「相手の攻撃に合わせてボタンを押す」というのから「相手の攻撃に合わせてボタンを離す」というものに変わってかなりリスクが高くなったので、ガードで守るよりもどんどん攻めていく方が有利なのです。

スマブラSPの開発チームには国際大会のトップランカーも開発者の一員として加わってバランス調整を行っているそうですが、こういった仕様の細かい部分でもeSportsプレイヤーの意見なども組み込まれているのかもしれませんね。

 

理由3.スマブラは集大成を迎え次は転換期へとなる

当初Switch向けにスマブラを開発にするにあたり桜井氏は「全く新しい根本を変えたスマブラ」をつくることも考慮したそうですが、結果的にそれよりも「ここで集大成を作っておきたい」という事でスマブラSPを製作したことを語っています。

その結果「全員参戦」という言葉通り全てのファイターを登場させ、更に新しいファイターを盛り込み、完全に成熟された集大成と呼ぶにふさわしい作品になったわけですが、開発後桜井氏は「もうこれ以上のものは作れない。10年くらいスマブラは作らなくても良いのでは。」という事も語っています。

ならばやはり次のスマブラはSwitch向けで当初考えていた「全く新しい根本を変えたスマブラ」になっていくのが自然ではないでしょうか。

また、任天堂自身はソフト開発の一つの方針として何本も短い期間でシリーズ作を出すことよりも、1本のゲームを追加コンテンツ等でより長く楽しめるゲームとして成長させていく旨を発言しております。

スマブラSPで言えばそれはDLCの『シーズンパス』ですね。

計画によると1年ぐらいをめどに5体のファイターとステージに複数のBGMが追加されるそうです。

因みに、任天堂は『スプラトゥーン2』も1年アップデートと言いつつ、結局のところその人気によってアップデートを2年に延長する事を既に宣言しています。

という事はスマブラSPも更にファイターを追加する『セカンドシーズンパス』が出てきても不思議ではありません。(なにせスプラよりもスマブラの方が売れていますし)

最近では対戦FPSでも『レインボーシックスシージ』『オーバーウォッチ』の様に何年もアップデートして拡張して完成度をどんどん高めていくのがトレンドになっていて、毎年のように新作の対戦ゲームを買う事の意味が薄れてきています。

そういった時代の流れを見てもこれからスマブラはしばらくSPを拡張していく可能性は高く、次の新作は『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』がそうだったように全く違う路線のものへと生まれ変わったものになって私たちの前に登場するのではないでしょうか。

もしそうであるなら、スマブラSPは「従来型のスマブラ最新作」としての価値を残し続け、長く対戦ツールとして楽しまれていくでしょう。

 

まとめ

74体+αの膨大なキャラを奇跡的なバランスを取っていることや見栄えのする攻めのゲームにすることで、スマブラSPはプレイヤーも見る側も飽きさせにくい優れた対戦ゲームとして完成されています。

また、このままの路線で新作を出してもSPを超えるものを作るのは非常に困難でしょうし、開発者の桜井氏の発言から次のスマブラは大きく姿を変える(参戦ファイターが少なくなる)可能性は十分考えられ、これまでのスマブラの集大成であるスマブラSPの価値は例え新作が出た後も残り続けることが十分に考えられます。

今後は長期的なアップデートもあり、末長く遊べる対戦ゲームとしてより成長していくゲームなので気になっている方は是非参戦してみてはいかがでしょうか。

 

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