示唆された『ゼルダの伝説スカイウォードソードSwitch版』?!Wiiの名作たちの試金石となるか!

先日行われた『ゼルダの伝説 コンサート 2018』にて起きたある出来事についてSNSなどを中心に話題になっています。

事の発端は同コンサート中に長年ゼルダの伝説のプロデューサーを務める青沼氏がステージに登壇しトークをするシーンで、Wiiでかつて発売された『ゼルダの伝説 スカイウォードソードのSwitch版』と言及したことにはじまります。

そしてコンサートに参加した多数の方がこれをTwitterにてつぶやきファンの間で拡散されています。

この青沼氏の言及によって多くのゼルダファンが今回スカイウォードソードのSwitch版に期待を膨らませたわけですが、実は以前にスカイウォードソードのHD版について青沼氏自身が海外メディアINGのインタビューにて言及しています。

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当時まだSwitchが正式発表される前のNXというコードネームで呼ばれており、スカイウォードソードの次回作であるブレスオブザワイルドが開発中だった2016年6月のIGNインタビュー記事です。

青沼氏は過去5年間で4作のゼルダ(時のオカリナ3D、ムジュラの仮面3D、風のタクトHD、トワイライトプリンセスHD)をリメイクしました。我々は彼にスカイウォードソードのHD版の再リリースに可能性があるか尋ねてみました。

「ええ、それは大いに可能性はありますね」

青沼氏はIGNに語ります。

「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドはスカイウォードソードをより良いものにしたいと拡大したゲームです。スカイウォードソードを拡張・進化させたゼルダなのです。」

「スカイウォードソードのHD版をリマスターして投げ込もうというのは少し変わったかもしれません。あくまで可能性の話ではっきりとは言えませんが」

引用元:IGN『Zelda Producer on Skyward Sword HD: “It’s Definitely Possible”』

https://www.ign.com/articles/2016/06/14/zelda-producer-on-skyward-sword-hd-its-definitely-possible

IGNの記事に書かれている通り任天堂は3DSとWiiUに以下の4つのゼルダ作品のリメイク及びリマスターを発売しています。

この流れで行くとWii/GCで発売されたトワイライトプリンセスの次に発売されたスカイウォードソードのHDリマスターが当時から期待されていたわけですね。

それに対して青沼氏は可能性は大いにあると前向きな反応を見せるとともに、ブレスオブザワイルドの存在によってスカイウォードソードをそのままリマスターで発売する事に対しては少し懸念があるかのような発言も見受けられます。

ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドという作品は「ゼルダのアタリマエを見直す」というテーマを掲げこれまでのゼルダシリーズのあらゆる定番を壊し、再構築した結果史上最高のゼルダとして評価された作品です。

そしてそこにはスカイウォードソードの反省が大きく影響していることも青沼氏はかつて海外メディアのGameimfomerのインタビューにて以下の様に語っています。

青沼 今回のブレスオブザワイルドを作る前に、どうもユーザーと自分が考えていることにどうもギャップが生まれているような気がしていて…その時にユーザーの人に言われた一言がブレスオブザワイルドの変化を生むことの一番のきっかけになっています。

「ゼルダが大好きだ!スカイウォードソードも物凄く楽しかった!”だけどね…”」っていう…その”だけどね”の中に「僕はエポナに乗って広い世界をただ当てもなく走り回る時のオカリナのようなあの世界がすきだったんだ。それがスカイウォードソードでは小さな世界が沢山あるだけのものになってしまっていた」と言われて、僕も実は若干それを感じていてそこにズバッと言われたので「あぁ、そうか…やっぱりそうだよね」って今回ブレスオブザワイルドのようなスタイルができました。

引用元:GameIinfomer

https://www.gameinformer.com/b/features/archive/2017/02/17/miyamoto-and-aonuma-on-zeldas-balance-of-fan-feedback.aspx?utm_content=buffere766d&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

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スカイウォードソードは『濃密ゼルダ』というキーワードを掲げ、ゼルダの中でも屈指のストーリーテーリングやみっちりと詰まった謎解き等確かに濃いゲームでゲームの総合的な評価の高い作品です。

しかし、一方でかつてゼルダが時のオカリナや風のタクトにあったような広い世界を旅するものではなく狭いエリアを行き来する閉鎖感への不満もがあり、ファンの間でもその点で賛否分かれていたのもこのエピソードから伺えますね。

スカイウォードソードの狭くなった世界をやめたブレスオブザワイルドはゲームとしての評価だけでなくビジネスの面でも圧倒的で、国内で言えばスカイウォードソードが30万程度だったのがブレスオブザワイルドでは110万を超えた今なお売れ続けているという大躍進をしています。

すなわち今のSwitchにはブレスオブザワイルドの自由で広い世界を体験した「初ゼルダのプレイヤー」や「そこに魅力を感じて復帰したかつてのゼルダプレイヤー」が沢山いるわけでして、そこに反面教師となったスカイウォードソードを同じゼルダとして提供しても良いのか…という懸念がありますよね。

先ほどのIGNの記事中にあった「スカイウォードソードのHD版をリマスターして投げ込もうというのは少し変わったかもしれません。」という言葉には”ブレスオブザワイルドを開発しながらスカイウォードソード再度出すのならそのまま遊んでもらうのではなく何かしら手を入れていく必要がでてきた”という青沼氏の考えがあるのではないかと私は考えます。

また、スカイウォードソードはWiiリモコンのモーションコントロールを大々的に使ったゲームとして作られていてボタン操作への代用が非常に困難な作品でもあります。

例えば、リモコンを振った方向にリンクが剣を振るというシステムが組み込まれていて、敵の動作に合わせて適切な方向から剣を振って攻撃するというのが戦いの基本だったりします。

既にWiiで遊んだことがある方は分かると思いますがスカイウォードソードにはこのようにコントローラーを傾けて遊ぶシステムが根底に置かれているためSwitchにそのままではSwitchの携帯モードでのプレイが不可能という事が想像に容易いです。

相当なシステムの見直しか携帯モードでの遊びを妥協するか…このようにスカイウォードソードのSwitch版はただリマスターを押し進めるだけではなく、乗り越えなくてはならないハードルがいくつも存在しており、それをどう乗り越えていくか今後非常注目していきたい存在であるのは間違いないでしょう。

Wiiにはスカイウォードソード以外にも『斬撃のレギンレイヴ』や『メトロイドプライム3』等リモコンのモーションセンサーやポインターを活用した魅力的なタイトルがいくつもありますので、スカイウォードソードを皮切りにして是非それらの復刻もSwitchで望みたいものです。

 

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