『ゼノブレイド2 黄金の国イーラ』ネタバレなし!感想/レビュー ~魔法のように再び輝く世界へ~

本日はNintendo Switch専用タイトル『ゼノブレイド2 黄金の国イーラ』(以下:本作)についての感想の記事になります。

2018年12月に発売された『ゼノブレイド2』(以下:本編)のシーズンパスに含まれる追加ダウンロードコンテンツでありますが、スピンオフの新作と言っていいほどのボリュームと内容に仕上がっています。

※パッケージ『ゼノブレイド2 黄金の国イーラ』としても発売されており単体で遊ぶ事も可能です。

管理人も『ゼノブレイドシリーズ』ファンとしてできるだけ多くの人に是非楽しんで頂きたいという思いもありますので、ネタバレなし!に極力配慮しつつ、本作の魅力をお伝えしたいと思います。

スポンサーリンク

 

本作の概要

本作はゼノブレイド2本編のライバル『シン』が主人公のRPGで、いわゆるゼノブレイド2の前日譚を描いたスピンオフです。

▲本編で何度も主人公レックスの前に立ちはだかり剣を交えるシンは裏の主人公とも言える存在感あるキャラクター。

既に本編をプレイをした方はご存知かと思いますが、修羅となり主人公『レックス』の敵として立ちはだかったシンは500年前にパートナーであるラウラと共に人類を災厄から救うための旅に出ています。

その旅には本編に登場するヒロインの『ヒカリ』も関わっており本編でも回想シーンで色々と語られているのですが、実際にシンを通じてその500年前の物語を改めて追体験してみましょう…というのが本作のコンセプトとなっています。

▲イーラの秘宝にして最強のブレイドであるシンとそのパートナーとなるドライバー、カスミを中心に物語は展開する。

▲本編では敵対することになるシンとヒカリが500年前どんな風に接していたのかも見どころ。

本作は時系列的には本編よりも前になりますし、パッケージ単品で購入することもできますので、時系列に沿って” 500年前の本作 → 本編”という順番で遊ぶ事もできます。

…がしかし、個人的にこの順番ではなく、やはり本編をクリアまで遊んでから本作の順番で遊ぶのがオススメです。

と言うのも、ゼノブレイド2の本編は500年前起きた事(つまり本作の話)が色々と最初は謎のところからスタートして断片的に紐解いていき、プレイヤーの興味を惹きつける様な物語になっています。

▲500年前の追体験により明細にゼノブレイド2の世界とキャラクターを知ることができる。

ですので、本編よりも先にやってしまうと「実は500年前にこんなことが起きてたなんて!ウソだろ?!」なんて本編で驚くべき場面が「うん、それ黄金の国イーラやったから詳しく知ってる!」となってしまうわけです。

そういった本編へのネタバレだけでなく、本編を知った上で初めて理解できる描写なども多分に含まれているというところもありますので、 本編を遊んだ上でより深くゼノブレイド2を味わうための作品 として手に取っていただくのが一番楽しめる形であり、私個人としてはオススメです。

 

豪華すぎるコンテンツ

本作は追加コンテンツとして世に送り出されたわけですが、「追加コンテンツとは何ぞや!」という定義を覆すような超絶ボリュームや豪華さにまず驚かされます。

プレイ時間的な話で言うと クリアまでに大体20時間近い時間を要します

しかもやり込もうと思えば まだまだ遊べます!

中を開けてみればマップも新規で作られ、音楽も新曲追加だけでなく既存曲もリアレンジをされており…RPGの追加コンテンツでここまでボリュームと内容が充実したものはあまり見た記憶がないですね…。

同業者から「ハードル上げるのやめてくれ!」と苦情が来そうなレベルです(笑)

▲全く新しい巨神獣イーラの他に本編にもあったグーラは500年前のものとして新たに作り直されている。音楽もモダンジャズ調におしゃれにアレンジ。

カットシーンも贅沢に取り入れて物語に波を作る事でクリアまでの間に興味を絶やさず、これぞゼノ!という体験をしっかりと詰め込んでいるのも流石流石。

▲ゼノブレイドシリーズの売りの一つであるバトルシーンやロボットも健在。アクション映画のように激しくぐいぐい引き込まれる。

因みに、このプレイ時間にはサブクエストを消化する時間もしっかり含まれています。

本編ではサブクエスト=寄り道という扱いでしたが、こちらは物語を進める上でサブクエストをある程度消化する事が必要になっていますので、クリアを目指すなら誰しも同じくらいの時間はかかるでしょう。

▲人々の悩みや問題を解決する事で増えていくヒトノワレベルは単純な寄り道要素ではなくクリアの為にある程度消化が必要。

私はどちらかと言うとメインクエストを先にどんどん進めたい派なのでこのサブクエストに対して「え?マジでやんないとダメ?めんどくさいな…」と最初は躊躇しましたね。

本編では「〇〇に行け」→「今度は□□行って××と▲▲もってこい」→「ここを通るにはお前はレベルを満たしてないから鍛え直して来い」と言った感じで振り回されるサブイベントが豊富にありましたので、なかなかこれはヘビーだなと…。

しかし、本作のサブクエストは本編と比べコンパクトなクリア条件になっているのもそうですが、しっかりと仲間との絆が描かれたイベントとして楽しめるものも多いので実際にプレイしてみると全く違う印象でした。

▲サブクエストでは仲間との交流や各キャラの意外な一面が垣間見えるようしっかりと描写を入れて楽しませてくれる。

本編にあったサブクエストへの不満の声(手間がかかる、めんどくさい、内容が味気ない等)にきっちり耳を傾け、真摯に対応された事がしっかり伝わってきます。

そして何気ない日常感だったり仲間が垣間見せる素顔が見れるサブクエストがあるからこそ本筋のメインクエストにも感情移入が高まり、充実したクリアまでの20時間に繋がっているような気がしますね。

スポンサーリンク

 

戦闘について

戦闘システムは”遠い昔の500年前なので戦い方のスタイルも当然違う”という設定を生かして本編とは異なる新しいものへと作り替えられています。(設定をシステムに結びつけるのは高橋総監督の得意とするところですね)

本作ではドライバーに対するパートナーのブレイドが決まっておりますので、本編のようにどのドライバーにどのブレイドを組み合わせるかなど試行錯誤がなく戦闘準備や戦略性という点ではかなりシンプルになっています。

▲ドライバー1人に二人のブレイドの組み合わせは固定なので考えることは比較的シンプル。

しかしその分本編ではなかったドライバー⇔ブレイドというパートナー同士を戦闘中にリアルタイムで切り替えられるシステムのお陰で、いい意味でプレイヤーの操作や判断が忙しいゲームになっています。

それに加えて本編よりもコンボが繋がり易くなった事で「仲間を次々スイッチして攻撃を繋いでガンガン攻めろ!」とより攻撃的で激しさを増し、中盤辺りからコマンド式のRPGとは思えないジェットコースターの様なスピード感ある戦闘が楽しめます。

特に本作のパーティは回復手段に乏しいので強敵を相手にすると「やられる前にやる」と言った感じでよりスピード勝負になる傾向が強く、その緊張感を効果力のコンボで切り抜けて一気に倒したときの快感はドーパミンがドバドバものです!

▲本作ではブレイドはブレイドの、ドライバーはドライバーの武器を使って戦うが、本編のようにブレイドの武器をドライバーへと渡すスタイルの確立が始まる。

自分の好きなブレイドを色々組み合わせてじっくり戦略を考える…といった幅はないので本編と本作どちらが良いかは正直甲乙つけがたい所はありますが、本編ではできなかったヒカリやカグツチ等ブレイド達の操作を自分で行えるというのはゼノブレイド2のファンとしてはかなり嬉しい要素だったりもしますし、スピード感ある戦闘が上手く本編と差別化できていて個人的には大満足です。

 

本作の総評

こういった追加コンテンツやスピンオフで後付けのように話を加える事で蛇足になってしまうパターンは良くありますが、本作は初めからしっかりと構想が練られていたからなのか後付けによる本編を壊すような大きな違和感みたいなものはありませんでした。(細かく突っ込みだせば本編との矛盾は色々出て来ると思いますが)

それよりも、500年後の本編のシンやレックス達にもう一度会いたい、『黄金の国イーラ』から紡がれていた絆の糸を確かめた上でもう一度遊んでみたらきっとまた違うものが見えてくるのではないだろうか…とよりゼノブレイド2の事を思い返す様にもなったのが自分の印象の中で大きいかもしれません。

▲ホムラが500年前眠りについた理由が『黄金の国イーラ』による追体験によって痛いほど理解ができる。

RPGというのは一度クリアをしてしまうともう一度遊ぶにはなかなか腰が重いものですが、『黄金の国イーラ』は魔法のように本編のゼノブレイド2をまでも再び輝かせ「もう一度遊んだらきっと前とは違うものが見えるのではないか」という気持ちを抱かせてくれます。

▲黄金の国イーラでの追体験が本編の主人公レックスの成長の凄さを際立たせる。

追加コンテンツだからこの位のボリュームでいい、戦闘システムはそのまま流用すればいい、カットシーンはお金をかけなくていい…そういった妥協ではなく「ゼノブレイド2を好きになってくれた人にもっと好きになって貰いたい」という想いがしっかりと詰まった『黄金の国イーラ』はファンが求めていた追加コンテンツのあるべき理想の姿に近いかもしれません。

▲500年前の物語は本編で語り継がれた悲劇だけではなく人とブレイドの絆で繋がれた暖かさに溢れている。

ですので、ゼノブレイド2の本編を遊んでクリアして好きになったという方は是非是非『黄金の国イーラ』も遊んでみて下さい。

シンがなぜあれほど人を憎んでいたのか、ヒカリはなぜあんな風に人から距離を置こうとしていたのか…本編でもそれは説明されていましたが、『黄金の国イーラ』で身をもって痛いほど感じられます。

そしてゼノブレイド2をもっと好きになれるはずです!

 

また、こちらの記事を見てゼノブレイド2に興味を持った…という方がいらっしゃいましたら本編のレビュー記事も書いておりますので、是非そちらもご覧ください。

ゼノブレイド2は本編もとても素晴らしいJRPGです!

▼関連記事

https://nss-blog.com/2018/04/17/ゼノブレイド2%e3%80%80レビュー・感想/