Switch版『Little Nightmares Deluxe Edition(リトルナイトメア デラックスエディション)』レビュー・感想

夏が近づいてくると無性にホラーなゲームがやりたくなる管理人Funkyです。

丁度Switchでは先々週あたりから『バイオハザード7 』、『死印』…とその気持ちを察するかの如くSwitch向けにホラー系のゲームが立て続けに出ておりますが、ここらで何か一本やりたいな~という事で『リトルナイトメア』をプレイしてみましたので本日はレビュー記事にしていきたいと思います!

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インディーズ作品とは思えないビジュアルのアクションアドベンチャー

本作は既に他機種(PS4/Steam)で出いた作品の移植で、『モウ』という名の船に閉じ込められた小人の様にミニマムな主人公達を操作して脱出を目指すアクションアドベンチャーゲームです。

何よりUnreal Engine 4で作られたこのグラフィックは小規模のインディーズとは思えないクオリティで目を見張るものがありますね。

特に『光と影』の描写に物凄くこだわっていてリアルな描写のゲームをSwitchで遊んでみたいという人にはグッとくる作品です。

一応ホラー要素やショッキングな表現もしっかり入ってはいますが、キャラクターがデフォルメ化されていたり直接血しぶきが噴くような表現を避けたマイルドなものになっているので怖いのが苦手な方も遊べると思います。(ラスボス付近だけはまるで零のように怖いので覚悟は必要ですけど)

因みに、Switch版は主人公の少女『シックス』以外に有料追加DLCだった『キッド』のシナリオ(3部作)も最初から付属して遊べる所謂完全版というやつですね。

二人のシナリオをクリアするのに約6時間程度とボリューム的にはコンパクトですし、リプレイ性も低いゲームなので軽いアドベンチャーゲームを遊びたいという人向けではありますね。

『キッド編』は本編の『シックス編』とは別視点のストーリーでアクション性が強いものだったり、仕掛けが少し難しくなっていますので先に『シックス』から遊ぶのが無難でしょう。

 

謎解きはイージーでアドベンチャーのスパイス

本作はぱっと見2Dのゲームのようにも見えますが前後左右上下の立体空間で操作で主人公を操作して、道中の仕掛けを解いたり敵から逃げ回ったりと船内を冒険をすることになります。

仕掛けの内容はどれも非常にシンプルかつ簡単で、1つの仕掛けを解くのに多くても2~3アクション程度で完結するあっさりした謎解きが何度も連続するようなイメージですね。

一生懸命カバンを運ぶシックス。これを足場にして右側にあるレバーを引きたい。

グラフィックがリアルなせいでどれが仕掛けを解く為に使えるものなのか使えないただの飾りなのか判別に困るところはありますが、パズルの難しさで詰まるような部分は殆どありません。

『ゼルダの伝説BtoW』や『スニッパーズ』の様に複数の解き方があるわけでもありませんし、仕掛けを解く達成感を期待するとやや肩透かしな印象はありますが、あくまでアドベンチャーのスパイスとして簡単なパズルが入っていると考えるには丁度いい塩梅の難易度ですね。

 

スニーキングも易しめだが敵に掴まると即死なので油断は厳禁

主人公達は恐ろしい人食いの船員達が徘徊している場所も通り抜けなくてはなりません。

本作は敵への攻撃手段を持っていない為、基本的には隠れてやり過ごすスニーキング(かくれんぼ)をすることになります。

物陰やテーブルの下に隠れて通り抜ける機会をうかがうシックス。見つかればまな板の魚と同じように捌かれてしまう。

こちらがミニマムサイズのお陰か思ったよりも気付かれにくく『メタルギアソリッド』等他のスニーキングゲームと比べても簡単な部類ですね。

見つかってもある程度逃げきればすぐに諦めてくれるので、見つかって逃げた後にも警戒態勢が厳しくて進めないイライラ感がないのが好印象です。

その分敵が近づいてくると大きな巨体の足音が迫りくる音や『ドクドク』という心臓の鼓動等音の表現にHD振動を上手く乗せて緊張感を演出していますし、敵に掴まれば即ゲームオーバーなのでスリル自体はかなり感じれます。

中には隠れる場所がなく敵に見つかって追いかけまわされるスピードランアクションもあったり、仕掛けを使って上手く撃退する等シチュエーションにメリハリを持たせてますので、飽きを感じることなく最後まで楽しめますね。

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グラフィックを美しくするために大きなものを犠牲にしている

本作で最も手ごわいのは何か…。

それは謎解きやスニーキングではなく、ジャンプアクションです。

一定の高さから落ちるとゲームオーバーに。

本作は高い場所から飛び移ったりするジャンプアクションの場面が何度もあるのですがこれが 非常にやりにくい です。

固定されたカメラワークのアングルやリアルな影の描写も相まってジャンプの着地点が非常に掴みにくいんですよね。

これは3Dのアクションゲームに共通する課題で、例えば『スーパーマリオオデッセイ』ではジャンプした際にマリオの影を常に真下に落とす事でどこに着地するか分かり易くしています。

太陽の光の方向とは関係なく常に真下にマリオの影が出る

本作は『光と影』のリアルな描写に非常に拘ってこのような明らかなフィクションを取り入れる事はあえて避けているのだと思いますが、その分だけ遊びにくさを感じる様になっているのも確かです。

特にジャンプアクションは高い所から落下して即死する状況も多いのでジャンプミスで死ぬというパターンはかなり多いですね。

そしてそれに対して輪をかける様に厄介なのはゲームオーバーになった時のロードの異様な長さです。

他機種は数秒でロードから復帰できるようですが残念なことにSwitch版は40秒近く掛かります

本作はジャンプアクションにミスをして落下したり敵に掴まったりとゲームオーバーになる機会も多く、初見殺し的な部分も多分にある『トライ&エラー』の傾向が強いゲームだけにこのローディングの長さは致命的です。

かなりグラフィックが綺麗なゲームなのでデータを読み込むのに時間がかかるというのは理解できますが、待ち時間が長すぎてゲームへの没入感がかなり削がれるのは残念でなりません。

 

『リトルナイトメア デラックスエディション』の総評

本作は光の陰影豊かなグラフィックや程良いホラー要素を含む世界観、キャラクター達の豊かなモーションなどビジュアル面で圧倒的なインパクトと素晴らしさを持っている作品です。

しかしその見た目に拘ったが故にいくつかゲーム性を犠牲にしてしまっている部分が見受けられており、ゲームを触って楽しむ感触よりも映像の雰囲気を楽しむ事にどちらかというと注力したゲームという印象を抱きますね。

その点を理解されている人や、何よりこの雰囲気に惹かれた!という人には十分満足できるものであると思いますが…Switch版のローディングの遅さを考えると、他のハードで遊べる方には是非そちらで遊ばれることをオススメします。

当ブログはNintendo Switchを応援するブログなのでできるだけSwitch版を推したいところですが、やはりゲームファンの人がより良い選択をという気持ちもありますので…。

Switch版はアップデートで少しでも改善されることを願います!

 

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