『ゼノブレイド2』レビュー・感想 ~ここまでやるか?!欲張り長大JRPG!~

タイトル:ゼノブレイド2

メーカー:任天堂

機種:Switch


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Nintendo Switch最初の大作RPGである『ゼノブレイド2』は世界的に非常に高い評価を受けた前作の後継作品という事で大きな期待の中で発売された。

広大に広がった世界、度重なるどんでん返しで続きが気になるストーリー、濃厚で激しいバトルシステムという3つの柱を軸にしたコンセプトはそのままに、世界観やゲームシステムを大胆に変更した作品になっている。

名作を継ぐものだからと言って全く同じようなゲームは作らない、そんな強い意志と挑戦心で作られた本作を今回はレビューする。

何分本作は超絶ボリュームの作品なのでレビューも普段よりボリューム増になってしまうが、これでも語りたいことの一部を抜粋したものだという事でご容赦頂きたい。


 

 

こんな人におススメ!

・兎に角ボリュームのあるRPGがやりたい人

・忙しい戦闘バトルが好き

・コテコテのJRPG、熱い少年漫画的ストーリーが好きな人

ココが良い!

・ファンタジーとSFを絶妙に混ぜた超個性的な世界観

・戦略性ややりがい、スピード感のある戦闘

・音楽が素晴らしすぎる‼

・謎が謎を呼ぶ、どんでん返しで気になるストーリー、結末はハンカチを手に見届けるべし!

・前作をやっていなくても全然問題ない(やっていると驚くことはあるが)

ボリュームは?

・寄り道せずまっすぐ進んでも少なくとも70時間はかかるはず

・サブクエスト等やり込みによってはそこから+100~200時間は遊べる

・2周目独自の追加要素もある

ここは注意かも…

・一部セクシャルな格好のキャラやオタク文化からの影響が強い表現がある

・携帯モードは描画処理に負荷が掛かるとかなり画質が荒くなる

・カットシーン(ムービー)が物凄く長い

・作業感がエグいサブイベントがちらほらある

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『あのまま進化していたら…』を実現したJRPG

JRPGがかつて花形ジャンルだった頃は広い世界を股にかけて飛び回り冒険心を昂らせてくれるゲームが沢山あった。

しかし、日々ゲームの映像が進化するにつれてJRPGの広大だった世界はいつの間にか小さな世界となり冒険の一部を切り取ったようなゲームばかりになってしまった。

ゼノブレイド2はそんなJRPG群の中で『かつて花形だったJRPGの規模の世界を今の技術で作ったらこうなる』と提示したような作品だ

このゲームでは巨神獣アルスという巨大な生物の身体を大地として、そこに人々や動物が暮らしている。

主人公レックスも同様で物語の中で様々なアルスへ次々と訪れていく事になる。

自然豊かで資源豊富なアルス、年老いて枯れ始めた大地に発展した工業文化を築かれたアルス、体温が低く雪景色に包まれ情緒的なアルス…バリエーション豊かな風景に胸が躍らされる。

次は一体どんな景色が待っているのだろう…大きな世界を冒険する久しぶりの感覚は世界旅行の様な楽しさやスケール感だ。

ゼノブレイド2の世界を構築するのは巨神獣アルスの個性的な風景それだけではない。

アルスそれぞれの環境に合わせて根付く文化も異なり、住み着いている人の文化や生物も様々でそれらの刺激がワクワク感を維持してくれる。

出典元:ゼノブレイド2公式ホームページ

フィールドに出れば集団として群れを成す獣達や小高い場所で彼らを統率する風格あるボスモンスター、煌びやかな池で水を飲む大人しい草食動物…様々な生き物たちが生活しており、環境と生態、文化をしっかりリンクさせていて世界に説得力を生んでいる。

この様な細やかな部分は昔のJRPGでは想像で補完していて『昔のゲームは想像の余地があって良かった』という意見もあると思うが、ゼノブレイド2の様にユーザーの想像を超えたものや期待したもの以上の世界をしっかり形として見せてくれるなら大歓迎である。

 

ブレイドというかけがえのないパートナー

アルスという舞台だけでなくもう一つゼノブレイド2の世界観を魅力的にさせている存在がある。

それはブレイドというコアクリスタル(石)が姿を変えた生命体の存在だ。

ドライバーがコアクリスタルに触れて同調することでブレイドは生まれる。ブレイドは意志を持ちドライバーに力を与える存在でパートナーでもある。

主人公のレックスはドライバー、ヒロインのホムラはブレイドだ。

彼らをはじめとして様々なドライバーとブレードが登場する事になるが、両者の絆というものがこの物語の一つの大きなテーマだ。

ペルソナやポケモンの様に使役するパートナー的な存在は他のゲームでよく見るけれど、人間と同じで性格やアイディンティを持ったブレイドの立ち位置は珍しいく、物語にユニークさを与えている。

出典元:ゼノブレイド2公式ホームページ

また、ブレイドはドライバーたちに力を与える存在として戦闘でも非常に重要だ。

ブレイドにはそれぞれ攻撃、回復、盾のロール(役割)があってどのブレイドと組むかによってドライバーのロール(役割)やアーツ(技)が変わってくるのだ。

ゼノブレイド2はこのようにストーリーでも戦闘でも…ドライバーとブレイドの切っても切れない絆の存在を何度も訴えかけてくる。

パートナーを支え、パートナーに支えられ、パートナーと痛みや喜びを共にする彼らの姿は子供の頃描いた理想的な仲間の姿として輝いて見える。

 

敵味方全てのキャラクターを描き切っている

ゼノブレイド2は主人公ヒロインだけでなく、出てくるあらゆる登場人物に対してしっかりとキャラクター性を吹き込んで魅力的に描かれている。

仲間は今どき珍しいぐらい信用の置ける気のいい人間たちで、レックスやホムラを裏切る気配も全くないので安心して背中を預けて良い存在だ。

最近の仲間とのギスギスや裏切りのある物語に疲れた人はゼノブレイド2の仲間たちにきっと心救われるだろう。

そして敵サイドもただの悪人で終わらせないのもまた素晴らしい。

彼らがやっていることは間違いなく悪寄りではあるのだがちゃんとそこにも理由があって、人間的な描写や段々とその行動原理について説明づけられ理解していく中で『ボタンを掛け違った人達』という事を強く意識させられる。

終盤に進むにつれそれはどんどん強くなっていき、何か敵側にも情みたいなものを感じさえもするので、もしこのゲームをこれからプレイする人はぜひ彼らの結末もしっかりと見届けて欲しい。

長編大作とはいえ物量が増えるとどうしても一人一人のキャラクターの存在が薄くなるのだが、ゼノブレ2はあきらめず敵も味方も含め多くのキャラクターをしっかりと魅力的に描き切っている。素晴らしい!

 

動きまくるカットシーンは劇場アニメを超えた?!

カットシーンも非常に動的でお金のかかった劇場アニメーションの様によく動き、キャラの表情も非常に豊かで感情や熱がダイレクトに伝わってくる。

魅力的なキャラクターの表現に成功したのはキャラクタデザイナーがゲーム開発に張り付いて各キャラの表情を監修及びデザインをし続けたことに理由があるそうだ。

ここまで表情豊かに動くキャラクターは他の大手のゲームメーカーのAAAタイトルでも中々みられないレベルで、ストーリーやキャラクター性をより魅力的に映えさせている。

このゲームはカットシーンが多いけれどどれも質の高いアニメーションを見ているようでクオリティが非常に高く、ぐいぐいと引き込まれて苦痛に感じることはなかった。

カットシーンの長いゲームは確かに嫌われる傾向であるし、時代錯誤なのかもしれないがこれだけ質のいいものならたまには悪くない、そう思わせるだけの魅力をゼノブレイド2は持っている。

 

スピード感と奥が深い戦闘システム

ゼノブレイド2のバトルはこの手コマンド選択式RPGとしては忙しく、覚える要素も多い。

チュートリアルで一つずつ要素が解放されていくが、全ての基本的な戦闘要素が解放されるのはゲームを開始してから20時間経った程だ。

この話だけでもゼノブレイド2の戦闘において構成される要素が多いという事を察してもらえるだろう。

戦闘の中で実際に説明を交えたチュートリアルを実施するのでその都度システムを理解して進めていけば問題はないが、中には戦闘のシステムを理解する前に離脱してしまうパターンの人も一部いる様だ。

そういう人たちの為に上のような戦闘システムのフォローの動画やらWikiがいくらでも転がっているので今はそういうケースも減っているとは思うが、ドラクエの様に説明もなしに直感的に誰でもすぐ親しめるようなシンプルな戦闘システムではないことは覚悟しておいた方が良い。

出典元:ゼノブレイド2公式ホームページ

しかしこのゲームの戦闘システムを理解した先に素晴らしい手ごたえと気持ちのいいカタルシスを得られる経験が待っている。

このゲームの戦闘はただやみくもに攻撃しても中々敵を倒せないが、パズルゲームの連鎖の様にコンボを上手く繋げる事で大ダメージを与え一気にけりを付けることができるし、上手くそれがハマって格上の相手を倒せた時の達成感が気持ちいい。

キャラクターのパラメーターの成長だけでなく、プレイヤー自身が経験値を積んで上達していく感覚はRPGというよりもアクションRPGの体験に近いかもしれない。

コンボの仕組みを理解していくうちにブレイドの組み合わせを試行錯誤する奥深さを知ってどんどんハマっていくので、最後まで戦闘でダレることはなく…というかクリアした後もまだ戦い足りないくらいだ。

そこをゼノブレイド2は良く分かっていて、ラスボスよりも強敵がそこらにうろついて挑戦を待っているので戦闘が好きな人はかなり遊べるゲームになっている。

…と、ここまでの内容を見てゲーマー向けで難しそうと感じる人もいるかもしれないが、ゼノブレイド2はイージーモード※もあるので激しい戦闘のゲームに慣れていない人も難易度を下げればかなり遊びやすくなるので大丈夫だ。

※イージーモードはアップデートにより追加

 

罪作りなガチャシステム…でもガチャは楽しい

ホムラの様な物語に深く関わってくるブレイドはイベントで加入するが、大半のブレイドはガチャで入手することになる。

でもスマホゲーの様にリアルマネーを使ってガチャるわけではないので大丈夫。

敵を倒したり宝箱を開けると手に入るコアクリスタルをドライバーに同調させ、ガチャを引いてブレイドが現れる…という流れだ。

出典元:ゼノブレイド2公式ホームページ

レアブレイドという固有のデザインやスキルを持ったブレイドもいればモブのブレイドもいてその出会いは一期一会。

有名なデザイナー達が描いたレアブレイドは40種類を超えており、メンツも相当豪華。

それぞれにしっかりとサブクエストや特有の個性を持たせているので全部集めたくなる魅力を持っている。

モブブレイドはモブで役に立つこともあるし、中には下手なレアブレイドよりもいいスキルを持った者も稀に存在するのが面白い。

仲間になるキャラがランダムという事は自分が思うように仲間を加入できないという事でもあるので、賛否が分かれるかもしれない。

しかし、遊ぶ人によって戦闘の戦略が変わる事や周回した際にまた違った体験ができるという意味では個人的に面白いシステムを取り込んだと感じる。

 

音楽への尋常でない拘り

言葉では説明できかねるので短くお話しするが、著名なゲーム音楽プロデューサー光田康典氏※を中心に作られた100を超える曲はどれもゲーム音楽の枠に留めておくにはもったいないほどの出来だ。

※クロノトリガー、ゼノギアス、イナズマイレブン、スマブラfor、FF15…等数々のゲーム音楽を手掛けるゲーム音楽界の巨匠

欧州の有名なコーラスグループAnunaを起用した美しいハーモニーの曲や激しくギターが咽び胸が高鳴る戦闘曲等多様でサウンドでシーンそれぞれに見事にマッチしている。

特に各見せ場のカットシーンに流れる音楽はそれに合わせて作ったんじゃないかというぐらいピッタリ尺も曲の上げ下げもハマっていている。

拡がるフィールドのワクワク感、熱いシーンはより熱く熱中させ、泣けるシーンには涙腺を崩壊させるゼノブレイド2の音楽が持ち上げてくる熱量は兎に角凄い。

ゼノブレイド2の世界観やストーリー、戦闘を間違いなく音楽が底上げしているので購入した人は是非そこも気にしてみて欲しい。

 

詰め込み過ぎてややめんどくさい部分もある

このゲームは非常に欲張りな作り方をしていて山の様に色々な要素が詰め込まれているのだが、中には遊んでいてめんどくさいと思うようなこともある。

私が特に感じたのはフィールドスキルという要素だ。

それぞれのブレイドが持つフィールドスキルを使う事で道が切り開かれたり、宝箱を開けられたりするシステムなのだが、自分が今組んでいるブレイドのスキルしか有効にならない。

例えば『開錠』というフィールドスキルが必要な宝箱を開ける場合、ドライバーたちと組んでいるブレイドに『開錠』を持っているブレイドがいなければメニュー画面を開いて『開錠』を持ったブレイドと組みなおす必要がある。

本作は序盤過ぎたあたりから沢山のブレイドとドライバーを同調させていくため、このフィールドの仕掛けを一つとくために一々ブレイドを選びなおすのがめんどくさい。

選びなおすだけならまだましで、スキルレベルが足りなかったり、そもそもそのスキルを持っているレアブレイドがいないとなると完全に進行はお預け状態だ。

このお預け状態はサブクエストで特に多くて、クエストボードは進行途中投げのものだらけにさせてしまっている。

サブクエストは都度一つずつ潰していくという人にこれはかなりやきもきするだろう。

 

総評

ゼノブレイド2の制作期間は2年強という話だが、よくこんな大ボリュームのゲームをそんな期間で作り上げたものだと驚かされる。

かのスマブラを作っている物量大好きクリエーターの桜井氏すらも『同じ製作者目線で見てもゼノブレイド2はとんでもないボリュームを形にしている』と絶賛していたのだから相当なものだろう。

短い製作期間で欲張り過ぎたせいか、色んな粗があって発売当初はそれに対する不満も多かったが、アップデートでいくつか改善され今はかなり遊びやすくなっているので、これから遊ぶという人は良いタイミングだと思う。

アニメ調の絵や厨二の入ったストーリーは人を選ぶ部分もあると思うが、挫折と成長そして覚醒を繰り返す分かりやすくもグッとくるストーリーも魅力的でJRPGが好きな人は是非やってみて欲しい。

もう何年振りか覚えていないがゲームのラストシーンで泣かされたのは本当に久しぶりで、結末を見届けた後は誰かとそれを共有したくて堪らなくなった作品だ。

そしてJRPGを愛する人にはゼノブレイド2を最高のJRPGの一つだと強くお勧めしたい。



< ゼノブレイド2 公式ホームページ >


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