Switch版『ICEY(アイシー)』レビュー・感想~メタ要素とスラッシュアクションの融合~

今月はドンキーコングに始まり様々な横スクロールの2Dアクションゲームをプレイしまくった管理人のFunkyです。

ここまできたら!…という事で五月最後の記事は2Dアクションゲーム『ICEY』で締めくくります!

本作はメタ要素を取り扱ったストーリーが面白いという評判で以前から興味はあったのですが、既に出ているSteamやPS4では日本語訳に対応しておらず見送っていたんですよね。

※メタ=ゲーム内でゲームプレイヤーを意識した発言や表現をする事。例:主人公が『左スティックで俺を操作してくれ』とプレイヤーに語り掛ける

Switch版は日本語に対応したバージョンという事でしっかりストーリーを追いかけてプレイをすることが出来ましたので、本日はレビューを記事にしていきたいと思います。

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スタイリッシュなハイスピードSFアクションはあのゲームから影響を受けている?!

本作はSFのサイバーアクションの世界観で主人公”ICEY”を操作して敵をなぎ倒す爽快感が売りのスラッシュアクションです。

近未来的な世界観でロボットたちと戦うICEY

大きな特徴として、一応制限はあるもののICEYはかなりの頻度で連発してダッシュができるので、画面中を飛び交うようなスピーディーなバトルを楽しめます。

慣れてくるとそれこそドラゴンボールの悟空の様に動けるのでかなり気持ち良いスピード感を味わえますし、瞬間移動の演出や空間が捻じ曲がるエフェクト等が相まったアニメーションもカッコいいですね。

残像が見えるほど速い!

操作も攻撃の2ボタンを組み合わせたコンボを決める簡単操作で非常に敷居も低くすぐに操作を覚えられるのは良いですね。

他にも敵の攻撃をギリギリでダッシュで回避すると一瞬スローモーションになってカウンターをできたり、敵を弱らせると強力な攻撃を加えられたり…とこの辺りはプラチナゲームズの『ベヨネッタ』の影響を色濃く感じます。

敵を打ち上げてコンボを叩き込む!DMCやベヨネッタっぽい

ICEYのオリジナリティとして感じたのは敵を倒すとエネルギーを吸収して体力の回復をしたり画面全体攻撃を放つということができる能力ですね。

ICEYにはHPを犠牲にして強力な攻撃が出せるので、敵から倒して得られる体力を計算に入れて『肉を切らせて骨を断つ』という攻撃的な戦い方ができます。

攻めてくる敵には華麗に回避してカウンターを食らわせ、守りが硬い敵はHPを犠牲にしながらゴリゴリと削る…スピード感と攻防の駆け引きが両立していてかなり熱くなれるゲームですね。

 

クリアまでのボリュームは少ないがやり込み要素は充実

本作は初見で2時間くらいでクリアできるコンパクトなボリュームです。

ステージの最初の方で難易度の分岐がありますが、そこまで難しいゲームではないのでハードになる選択肢を選ばない限りはサクッとクリアできてしまいますね。

敵の種類もボス含め15種類くらい(見た目が一緒で能力が強化されたものは抜いて)なので、この辺りは1,000円の値段に相応な印象はあります。

その代わりに実績リストの達成や探索要素、マルチエンディングを採用しているので何周もして遊ぶような作りにはなっていますね。

お金を集めて技や能力をレベルアップさせる事もできる

中にはサバイバルモードの様にひたすら強敵と中継ポイントなしで戦う隠しステージ?的な寄り道エリアもあったりと1000円のゲームの値段としてはやり込み要素は結構充実している印象です。

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メタ要素が売りの割にはクオリティに疑問

本作はメタを売りにしたゲームなのでまずこれを語るべきなのでしょうが、どしょっぱつにネガティブな話をしたくなかったので敢えて後回しにしました。

正直言って本作のメタのネタは全然面白くないですし、厨二ノリのカッコイイデザインの絵とのマッチングはシュールさというよりただ違和感でしかない印象です。(ICEYのメタネタが好きな方すいません!)

本作ではICEYは全く喋らない代わりにナレーターがいて解説するように喋ってくれるのですが、プレイヤーに向けて『どうせバグがあっても有名なゲームなら買うじゃないか!』みたいなメタトークを織り交ぜてきます。

その内容がクスッとできるものならいいのですが、ただひたすら滑り続けているので耐えきれずナレーションをOFFにできないか思わずオプションを探しちゃいました。(OFFには出来ませんでした)

ただ、ローカライズにはとても力が入っていて、声優にはゼノブレイド2のレックスや進撃の巨人2のコニーの下野紘さんを起用してしっかりと仕上げているのは好印象ですね。

本作は中国の開発者の方が作っているゲームなのでひょっとしたら感性の違いなのかもしれませんし私個人の趣味の問題かもしれませんが…本作を購入する方はあまりメタの面白さには過度に期待しないことをお勧めします。

『ICEY』の総評

本作はスラッシュアクションの先人の良い部分をしっかり継承しながらもスピード感や回避と攻めの駆け引きで独自性をしっかり出していて1000円のゲームとは思えないよくできたアクションゲームです。

一方で敵のバリエーションが少ない故にワンパターンになりがちな展開や簡素な作りの為、コストパフォーマンスはそれなりに…といったところでしょうか。

メタ要素は正直なくても良かったなと思いますが、ゲームの大半を占める戦闘中にはメタ要素は殆ど出てこないのでまだ割り切れる範疇のもので収まってはいます。

一部画面に敵やエフェクトで埋め尽くされて処理落ちしてしまったりする場面もありましたが携帯モードでも滑らかに動作しますし、概ね簡単操作で快適に楽しめましたのでスラッシュアクションが好きな人でコンパクトなゲームを探している人…なんて人にオススメしたい作品ですね。

 

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